■ 「ISOT2009 レポート 」
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■ カール事務器
□おそらく、会社の中には1台はあるであろう紙の裁断機。
一般的な裁断機は大きな刀ようなレバーをガシャリと振り下ろして
使うものだが、
カール事務器の「ディスクカッター」は丸い刃を回転させて切る機構になっている。
その使いやすさをさらに1歩進めたものが新たに発表されていた。
「ディスクカッター」で一番肝心なのは、
紙を台の上に乗せ、切り取る時の位置調整だ。
これはその線をピタリと決めることができる。
その秘密は集光式のペーパーホールド板。
集光式とは板の面で集めた光をエッジの側面で明るくさせるというもの。
これにより切り取るラインが容易に確認できる。
電源もいらず普通のオフィスの明るさだけで十分使うことができる。
実際に切らせていただいたが、
まるでライトを当てているかのように光っていて
とてもわかりやすい。
そして、スライドを動かして切っている時の感触は
これで果たして切れているのだろうか、というくらいの軽さだった。
カッターの刃をミシン目用に交換して使うことも可能。
□これは、特に新製品ではないということだったが、
印象的なデザインの金庫が目にとまった。
□和をデザインステーショナリーに仕立て上げた「文具良道」。
そのトレードマークであるひょうたんをかたどったクリップ。
□カール事務器は、
鉛筆削りやパンチ、そして先程の裁断機のような「切る」ということに
こだわった専門メーカーである。
その究極のような新製品が展示されていた。
「プロスカット CM26+」というものだ。
これはチケットやショップのポイントカードが簡単につくれてしまうというマシーン。
使い方は、まず
テンプレート化されたデータをもとにパソコンでデザインを作り、
手持ちのプリンターでチケット等をプリントアウトしておく。
それをこのマシーンに入れてスイッチを入れると
チケットの形にカットされたものが次々にでてくるというものだ。
しかも、ミシン目まで作ってしまう。
その速さ、プリンターで印刷するくらいのスピーディーさ。
本体に入れる「スリッタユニッタ」と呼ばれるカートリッジを入れ替えれば、
ポイントカードも作ることができる。
これは「切り取る」+「折る」という作業を一挙にに行ってしまう。
チケットやポイントカードは、
もはや外注に出すという時代ではなくなっていくことだろう。
■ リヒトラブ
□私の知る限りで文具業界は
環境にやさしい、いわゆるエコ文具への取り組みを
結構早い段階から行っている。
そんなエコに敏感な文具業界らしい、
ちょっと面白いエコ文具をリヒトラブブースで見つけた。
「バイオマス ファイル」シリーズ。
これはお米を使ったファイル。
お米と言っても食べるためのものではなく、
資源米と言われるお米が使われている。
「お米でファイル?」と、
きっと多くの方が思われることだろう。
その中の一つ、
クリアホルダーはその期待を裏切らないカラーに仕上がっている。
まさにお米のようなベージュ色をしている。
しかも、
何とこれは、鼻を近づけると、香ばしい香りまでしてくるではないか。
クリアホルダーらしく、しっかりと半透明仕上げ。
表面にはお米の成分の粒々した形まで残っている。
そのらしさがいい。
これはプリプロピレンに資源米を10%配合して作ったもの。
お米を使ったクリアフォルダは50枚入りで4,725円
□またこの他、
お米を使ったとは到底思えないような鮮やかなグリンやブルーといったタイプもあった。
こちらは、かえってお米の配合率が多い14%というからだ驚きだ。
お米は融点(溶けてしまう温度)がポリプロピレンのの180度に対して
140度と低い。
そのため、製造の過程ですぐに焦げついててしまうという
生産上の難しさがあると言う。
なかなか面白いエコ文具だ。
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