■ 「ペーパーワールド・チャイナ2012 レポート!」
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■ 寒い冬には助かるアイテム
通路を歩いていると、
デスクマットを専門にしているらしき
ブースが見えてきた。
ブースの壁にはデスクマットと一緒に
なぜか麻雀卓のマットまであった。
通訳の姚さんに
看板の文字を訳してもらったら、
暖かくなるデスクマットの専門会社ということだった。
なるほど
デスクマットの端っこからはコードが出ている。
「ホットカーペット」ならぬ
「ホット デスクマット」という訳だ。
デスクマットに手を触れると、
確かにほんわかと暖かい。
中国は地域によっては冬はとても寒い。
寒い中で勉強や仕事する時に、
これを机の上に敷いて使うのだという。
勉強や仕事をする時は、
確かに手は机の上に置かれている。
ノートに何かを書く時、
はたまたキーボードを打つ時に
手をじんわりと暖めてくれる。
寒さで手がかじかんで
うまく動かせない状態だと、
効率も上がらない。
先ほどの麻雀卓のマットも
やはり暖かくなるようになっている。
寒い冬には
確かにこうしたデスクマットは
便利かもしれない。
この「暖かくする」ということで
ひとつ思い出したことがある。
以前、
通訳の人にこんな話を聞いた。
中国の人は健康のために体を温める、
つまり、体を冷やさないということを
とても大切にしているという。
だから、
中華料理のほとんどは
暖かいものばかりだと話していた。
日本のようにざるそばなど、
冷えたもの食べるという習慣はあまりない。
そういえば、
中国でビールを頼むと日本のように
キンキンに冷えていることは滅多にない。
そういう意味でも、
この手を暖める「ホットデスクマット」は
中国らしい商品といえそうだ。
実際、
昨年中国広州で11万枚も売れる大ヒットになったという。
■ ダブルクリップの進化形
展示会場の通路を
ひたすらクネクネと歩き続け、
いよいよ2ホール目の最後の通路となった。
ペーパーワールドチャイナの
過去の例から言って、
この最後の通路には意外な掘り出し物があることが多い。
ゴール間近ということで、
ラストスパートでついつい足早になりそうなところを
じっくりと歩みを進め、
両サイドのブースに細心の注意を向けてみた。
すると、
男性が1人椅子に座っている
やや地味なブースがあった。
展示台の上には
ダブルクリップだけが静かに並べられている。
直感的に何かを感じ、
近寄ってみた。
そのダブルクリップが、
私たちが普段見るのと違うスタイルをしている。
ダブルクリップというと、
黒い鉄の面があるものだが、
これにはそれがない。
指でつまむワイヤーフレームの部分のように、
紙を挟むところも
フレームだけで形作られている。
なぜこのような形にしているのかと聞くと、
その男性はよくぞ聞いてくれたと
椅子から立ち上がり説明をし始めた。
彼はパンフレットに
そのダブルクリップをとめて、
それを私の前に出した。
留め具がワイヤーになっていることで、
挟んだ書類の文字を隠さない。
これこそが
このクリップの最大のメリットだと力説した。
なるほど確かにこの発想は面白い。
商品名は「スケルトンクリップ」という。
すでに中国、アメリカ、ヨーロッパ、
日本、香港で特許を取得しているという。
紙を挟む部分が面から線になったことで、
挟む力が弱くなっているのではと思って
実際に私も書類を挟んで試してみた。
フレーム構造になっているとはいえ、
それらをつなぐ中央部分には
バネ効果を生み出すパーツが付いている。
ほんのわずだが、
弱くなっている気がした。
だが、
クリップとしては十分な
強度にはなっているようだった。
やはりペーパーワールドチャイナの最後の通路は
あなどれない。
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