■ 「ペーパーワールド・チャイナ2012 レポート!」
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■ 日本未上陸のデザイン手帳
午前中から会場を歩きはじめたホール1も
夕方16:00頃となり、
残すところ
あと通路2本だけとなった。
私の計画では初日には、
このホール1は全てに見終えておきたかった。
ひとホールだけとはいえ、
展示会場を1日ずっと歩いていると、
さすがに疲れてくる。
午前中は
軽やかだった足もすっかりと重くなり、
この時間になるとよっこらしょと
持ち上げつつ歩いているという状態。
そんな中で
スタンドに収納されたカラフルな手帳が目に飛び込んできた。
それを見たとたん足は急に軽くなり、
足早に駆け寄った。
「PLUSFILE」というブランドの手帳シリーズ。
手の平サイズと大きなサイズがある。
カバーはレッドやパープルなど
色の種類としてはカラフルなのだが、
その一つひとつは落ち着いた色合いになっている。
ますます気になる。
聞けば、
この手帳はイギリスブランドのもので、
このシリーズは
まだできたてホヤホヤだという。
こうした
はじめて見る文具は、
取材の疲れを一掃してくれる力がある。
ポケットサイズを手にすると
MOLESKINE よりもややスリムで
縦に長い印象がある。
まずまず高級感のある合皮カバーを開いてみると、
ヨーロッパの手帳でよく見かける
プラスチック製のリング綴じなっている。
つまり、
中の手帳は差し込み式。
紙面は目次ページから始まり、
その後に続く紙面にはページが全てふってある。
このリング綴じを差し込むタイプは、
「ニュートン」という。
中にはニュートンのしおりが付属されていた。
それとは別の
PU 素材のソフトタッチなカバーの方は
表面には細かな凸凹がある立体感のある作り。
こちらは先ほどのものと違って
差し替えができない綴じ手帳スタイル。
この小さい方のサイズは
「アインシュタイン」と言うそうだ。
やはり、
しおりが付いていて
その写真は「アインシュタイン」になっている。
そのラージサイズが「ダーウィン」。
紙面は無地、横罫線、方眼そしてドット罫があり、
カバーにはペンホルダーも付いていて
機能性も考えられている。
カタログで確認したところによると
はじめに紹介した
リング綴じの「ニュートン」だけは
無地のみの展開となっていた。
個人的には
このリング綴じなっている
レッドタイプが特に気に入った。
価格を聞いたら
かなりお手頃な値段だった。
海外の展示会で値段を聞くと、
ほとんどのメーカーは、
卸値の値段を言ってくる。
いやいやそうではなく、
ショップで販売してる値段は?
と聞いても多くのメーカーは
その価格についてはわからないという返事が返ってくる。
日本ではあまり考えられないことだ。
その卸値を聞いた範囲だが、
たぶん最終価格は
比較的リーズナブルなのではと感じた。
日本でもぜひ展開して欲しい手帳だ。
■ 日本出展社も頑張っていた
反日デモという時期ではあったが
日本の文具メーカーもしっかりと出展していた。
しかし、
その数は昨年に比べとやはり少なかった。
ブースには
日本人の方もいたので、
色々とお話を聞きしてみた。
異国の地で
特にこうした緊張状態のタイミングで、
日本の人と話すのは、
心励まされるものがある。
開口一番双方の口から出てきたことは、
「大丈夫でしたか?」という言葉だった。
つまりそれは、
この反日デモの中
上海にやってきて大丈夫でしたか?
という意味である。
日本で報道されているよりも、
実際の上海はあまり危険な印象ないということで
私たちの意見を一致した。
しかし、
自己防衛策として
「夜は一人では決して出歩かない」、
「街中で日本語はできるだけ話さない」、
「日本人だと少わかるようなスーツやネクタイ姿で外出しない」など
自らの身を守る行動はとっているとのことだった。
□さて、
その中の一社、
プラチナ万年筆では、
日本でも展開している様々な筆記具が
ズラリと並べられていた。
中でも
ここ数年低価格の万年筆「プレピー」が
中国で人気が高まっているという。
中国はもともとボールペンというと、
油性ではなく水性やゲルインクタイプが一般的。
そのため同じ水性インクの
万年筆も馴染みやすいのだという。
以前にも聞いたことがあるが、
中国の一部小学校では万年筆を使って
書き方を教えるというところもあるそうだ。
また、
5,000円くらいの「いたち」の毛を使った
高級筆ペンも人気だという。
ちなみに、
この筆ペンは販売時には、
特殊な液体を入れたカートリッジがセットされている。
これは
毛筆を保湿させておくためのものだという。
買って使う時は、
それを外して専用のインクカートリッジをセットする。
□カール事務器では
つい先日の ISOT で発表していた
個人情報保護ツール「切り取~る」が
早くも展示されていた。
中国でも
個人情報保護の意識が徐々に高まっており、
すでに会社ではかなりシュレッダーが普及し始めている。
個人レベルでは、
ダイレクトメールはまだ手で破るだけということが
一般的だそうだ。
「切り取~る」のような商品によって
そうした潜在ニーズを堀り起こしていく狙いがあるという。
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