■ 「ペーパーワールド2013 レポート」
■■■□□□
□ 三菱鉛筆が久々に出展
ホール4.0には
「クリエイティブ ワールド」という注目のコーナーがある。
クリエイティブとは、
なにかを作り上げるという意味だ。
「画材コーナー」とは
別エリアとして設けられ
特徴のあるクリエイティブツールが集まっていた。
そのエリアにほど近いところに
三菱鉛筆がブースを構えていた。
三菱鉛筆と言えば
ジェットストリームが日本だけでなく、
海外でもとても有名だ。
しかし、
今回ジェットストリームは全く出展しておらず、
「ポスカ」のみの展示となっていた。
「ポスカ」は、
水性マーカーなのにプラスチックや木など、
どんなものにも書け、
色を均一に塗れるというペン。
そもそも「ポスカ」は、
「ポスターカラー マーカー」というところから来ている。
この「ポスカ」、
ヨーロッパのアーティストを中心に
愛用者が増えている。
ただドイツ市場だけは
他のヨーロッパの国々に比べ
商品の認知度がそれほど高くないということで、
ピンポイントで「ポスカ」を
ドイツ市場に絞って PR していた。
ブースには
ドイツ人アーティストが展示会初日から
描き始めたというアートが大きく展示されていた。
また、
ブースの奥にはミュージアムのようなところがあり、
そこには
様々なデザイナーが「ポスカ」で描いた
作品も展示されていた。
□ カール事務器がデジアナ文具を発表
もはやペーパーワールドでは
常連となっているカール事務器。
パンチや鉛筆削りといった、
同社の定番アイテムの中に
全く新しいものが展示されていた。
その名も「スマデポ」。
日本でもすでにリリースされてるので
ご存じの方も多いと思う。
商品としては
カール社が以前から展開している
名刺収納ボックスがベースになっている。
ただ、
今回のものはそれだけではない。
ボックスの上に
2つのスタンドが作られている。
手前に少し大きな段差があり、
そこには iPhone などのスマホを立てかける。
しっかり固定できるように
下にはスポンジ状のシートが敷かれている。
その奥には細い溝があり、
ここには名刺を一枚差し込んで立てられる。
つまり、
手前のスマホで名刺を撮影することができる訳だ。
絶妙な距離になっていて、
スマホの画面の中央に名刺が
ちゃんと配置される。
机に名刺を置いて
上からスマホを構えると、
どうしてもスマホならびに自分の影が名刺に映ってしまう。
このように横に撮影することで
影の心配がなくなる。
カール社では、
この名刺取り込み用のアプリまでは開発していない。
アプリはユーザー各自で
お気に入りにを入れる。
□名刺収納ボックスの中には
五十音順のインデックスの他に
「×」印のインデックスもある。
ここには、
まだスマホに取り込んでいない
名刺を入れておく。
名刺収納ボックスをベースに
デジアナ文具を作るというのは、
いかにもカール事務器らしくていいと思う。
なお、
現在、適合確認がとれている機種は、
iPhone 4/4S/5、iPod touchの4機種とのこと。
□ アナログとデジタルの融合
日本でも最近見かけるようになったペンブランド、
otto hut (オットー・フット)。
1920年創業という
ドイツの老舗ペンブランドだ。
1920年と言えばとドイツで
バウハウスがスタートした時期にあたる。
同社によると、
当時からその考えを取り入れ
シンプルなデザインのペンを作り始めたのだという。
今回のフェアでは、
ショートサイズの万年筆が発表されていた。
太くて大きなキャップが印象的だ。
商品名は「 Deign 05」。
「05」とは5つ目にデザインされたという
意味が込められている。
実はこの otto hutは、
1920年にスタートしたが、
2006年にオーナーが変わり新たなスタートを切っている。
この「Deign 05」は、
その新たなスタートを切ってから
5番目のペンということを意味している。
ボディは、
無駄なものを極限まで
そぎ落としたシンプルさ。
手にすると
小さいのにズシリと重い。
ボディには真鍮を使い、
表面にはルーティニアムという素材で
加工されたマット仕上げのタイプと、
色違いとしてプラチナプレートされたタイプもあった。
キャップの反対側には
タッチペンが付いている。
先程のステッドラーでもそうだったが、
今回の展示会では
このタッチペンを取り入れているところが
実に多かった。
このペンはキャップから
尻軸に向かって2段階にわたって
ガクンガクンと階段状に細くなっている。
その先にタッチペンがある。
タッチペンのパーツは、
どちらかというと、
とって付けた感じになりがちだが、
このペンでは
ペンの全体的なデザインにしっかりと溶け込んでいる。
□キャップをはずすと、
中からはスチール製のペン先が現れる。
キャップを外した状態では、
あまりにペンが短いので
キャップは尻軸にセットするのがいい。
階段状になったところに
キャップがスルスルと気持ちよく収まっていく。
セットした姿もなかなか美しい
実際に書かせてもらったが、
小さいながらも重量感があるので書き心地は快適。
□このペンは充実したセットで販売される。
カートリッジインクが14本、
タッチペンのパーツが2つ、
そしてペンケースというセット内容。
ちなみに、
タッチペンはカートリッジインクを使って
ボディの内側からトコロテンのように
押してあげると簡単に外れる。
□「otto hut」は、
ドイツ ホルムハイツに
本社ならびに工場がある。
この地域は
昔から宝飾品の製造で有名な地域。
このペンブランドがユニークなのは、
全てのペンにシリアル No.が
刻印されているところ。
限定品ではなく、
あくまでも通常のペン全てに
番号が付けられている。
品質管理のためかと思って聞いてみたが、
そうではなく、
世界に一本しかない特別なペンであるということを
強調したいのだという。
□ 色々な大きさの封筒が簡単に作れる
アメリカの「We R Memory keepers 」という
ユニークな社名のブースに
面白いツールが展示されていた。
これは封筒が作れるというアイテム。
こうしたものは
これまでも日本でも見かけることがあった。
ただこれがちょっと違うのは、
この一つのツールで
たくさんの大きさの封筒が作れてしまうところ。
ブースの女性に頼んで
実際に一つ作ってもらった。
まず、
紙のサイズを確認するところから始める。
そのサイズを本体にある
照合表と照らし合わせる。
すると、
紙を本体にあるメモリのどこに合わせれば良いかがわかる。
紙をセットして、
本体上にあるパンチのボタンを押して
紙をカットする。
次に
へらみたいなもので折り目を作る。
本体には溝があるので
簡単にできる。
これを紙の四辺とも行う。
すると、
少し封筒らしくなってくる。
次に
紙の四つ角もパンチでカットする。
こんどは
本体の外側で紙をセットして
パンチをしていく。
あとは折り目に合わせて、
折りたたんであとは糊で貼れば封筒の出来上がり。
紙の厚さは基本問わず、
どんなものでも使えるという。
日本でのディストリビューターを現在募集中だそうだ。
1 >> 2 >> 3 >> 4 >> 5 >> 6
* 4ページ目には、
「e+m」のちょっとユニークなレザーを巻き付けたペンなどをご紹介しております。