文具で楽しいひととき

■ 「今年も収穫いっぱい ペーパーワールド2008 レポート」


■ Moleskine


 事前の出展社リストチェックでは、見あたらなかったMoleskine。
 しかし、ペーパープロダクツを展示した「Scriptum(スクリプタム)」というコーナーに
 しっかりと出展されているではないか。


  


 うれしいことに、新作があった。
 その一つがVolant。
 Volantとは、通常のMoleskineよりもカバーが柔らかいノートタイプ。
 新たに鮮やかなグリーン、ピンク、ブルーが加わっている。





 しかも、これまでのポケットサイズよりもさらに小さなミニサイズも初お目見え。
 これは個人的に物欲がそそられる品だった。


  


 さらに、全く新しい外観のダイアリーも発見。


  


 ブラック、レッドの表紙を透明なツヤツヤ素材でコーティングしたスタイル。
 見た目どおりの独特な触り心地。


    

  


 これまでクラシカル路線を歩んでいたMoleskineだが、
 よりモダンなスタイルという方向性を打ち出した新作だった。

 また、マイナーチェンジとしては、ダイアリーに、
 見開き1週間のバーチカルタイプが復活していた。


  


 そうそう、
 このブースの方に、MoleskineのメーカーであるイタリアのModo&Modoかと尋ねてみると、
 違うとのことだった。

 彼らは「AUTHENTICS(オーセンティクス)」だという。
 オーセンティクスと言えば、ご存じの方も多いと思うが、
 Moleskineなどに取り付けられるペンホルダーなどを作っているデザイン集団だ。

 実は彼らは、ドイツ、スイス、オーストリアでの
 Moleskineの代理店もしているのだという。意外な発見だった。


■ ×17 (ドイツ)


  


 Scriptum(スクリプタム)という紙製品を集めた会場の通路をさらに進んでいると、
 ひときわ鮮やかなノートを展示しているブースが目に入ってきた。

 その色に誘われて近づいてみると、
 単にデザインがいいノートということだけではなかった。


  


 そのノートには、これまで見たことのないちょっと面白いバインディングシステムがあった。
 これはぜひ、お話をお聞かせ願おうと、取材を申し入れた。

 快く取材に応じてくれた社長は、商品説明をまさに始めようと口をあけたその瞬間、
 私の持っていたシステム手帳を見るなり、
 やれやれという表情で首を大きく左右に振った。

 実は、この「X17」というノートはリング式のいわゆるシステム手帳に不満を感じ、
 開発されたものだそうだ。
 そうしたブースにシステム手帳を携えた人間が話を聞かせて欲しいとやって来たのだから、
 まさに、やれやれという感じだったのだろう。

 システム手帳は構造上、リングがあるのでどうしても筆記スペースがリングの分だけ減ってしまう。
 しかも、書くときもリングが邪魔になることもある。

 では、この「X17」はどのような仕組みになっているかというと、
 ノートの部分にゴムバンドがくくりつけてあり、そのゴムを使ってカバーに固定するというものだ。


  

    


 カバーの背の上下には、ゴムがしっかりと固定できるよう凹みがある。
 それを利用してノートをバインディングするのだ。

 1冊のカバーにセット出来るノートは4冊。
 太さ1mmくらいのゴムバンドなので、ノートを開いた時に紙面を限りなく有効に使うことができる。
 
 しかも、
 4冊セットしても必要以上に分厚くなることもない。

 中にセットできるノートの種類は、ダイアリー、アドレス帳、ノートなど11種類に及ぶ。

 特にノートは無地や方眼、罫線といった一般的なものから、
 楽譜用の五線譜までそろっている。
 自分がよく使うノートだけを自由にセットすることができるのだ。

 また、ダイアリーもデイリー、ウイークリー、マンスリーから選べるようになっている。

 なかなか上手くできていると感心してしまったのは、
 バーチカルタイプのウイークリーは6月単位の2冊構成。
 デイリーは2ヶ月単位の6冊構成といった具合に、
 ダイアリーだけでバインダーがいっぱいにならないよう工夫されている。

 ダイアリーは日本語化されていないが、
 これは一度じっくりと使ってみたいと思える注目ノートだった。
 なお、日本ではまだ販売されていない。
 この「X17」のさらにハイエンド商品に「X47」というものもあった。
 これは、ゴムバンドではなく、全く違ったバインディングシステムを使ったもの。

 こちらは、サンプルを一冊いただいてきたので、
 別の機会にじっくりとご紹介したいと思う。


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