■ 「気分に合わせて、グリップを着替える」 ラミーアクセント 万年筆
□新入社員だったころ、先輩からスーツはベーシックな紺色のものを一着もって、
後は色々なネクタイをすれば、おんなじスーツが違って見えるぞ、
と教えられ、何本もネクタイばかりを買い揃えたことがあった。
新入社員だった私は、そんなにたくさんのスーツを買うことが出来なかったので
このやり方はとても助かった。
確かに、ネクタイ1本で印象というものはずいぶんと変わるものだとつくづく感じた。
このラミーアクセントは、グリップ部分が色々と着せ替えられるというペン。
1本で、まるで何本も持っているかのように気取ることができる。
□キラキラと言うよりも、むしろツヤツヤとした漆のような深みのある輝きを
見せているボディ。いろんなグリップが映えるようにということだろう、
ボディ全体は落ち付いたなブラックで覆われている。
そのボディは万年筆にしては、スラッとスリムなスタイルになっている。
その中で一箇所だけボリューム感のあるのがクリップ。
年のせいか、近頃気になりだした私のおなかの出っ張りは決して美しくないが、
このペンのふくよかな出っ張りはうっとりするくらい綺麗だ。
□ネジ式のグリップをはずすと、ちょっとした違和感を感じる。
それは、ふつうのペンが「くるくる」と回してキャップをはずすのに対して、
これは「くる」で外れてしまうのだ。つまり、明らかにキャップをはずす時の
回転が短い。
気になって、どれくらいの回転でキャップが外れるかを、指先をキャップに固定しながら
慎重に回してみた。
なんと、わずか半回転だけでキャップが外れた。
なので、さぁ書こうというときにも、すぐにキャップをはずして
書き出すことが出来るのである。
私は、グリップは固定したまま
ボディを持つ手をあらかじめ、半回転分ネジっておいて
その手のねじれを戻して、キャップをはずしている。
→
半回転だからと言っても、普段はしっかりと固定されているので
不用意に外れてしまうという心配はない。
□そのクルッという半回転でキャップをはずすと、
金色をしていない14金のペン先が現われる。
表面はキラキラとした鏡面加工になっているが、
両サイドはザラザラとした加工になっているので、
ペン先は実際よりも数段スリムに見える。
そのスリムなペン先を紙の上において書いてみると、
適度なコシの強さと弾力があり、書き手の力加減をしっかり受け止め、
それを忠実に紙に伝えてくれる感じがした。
□そして、このペンの最大の見せ場であるグリップの交換は、
インクカートリッジを交換する時のように、ボディをネジって
分解すれば、パカッとグリップをはずすことができる。
これなら、朝の忙しい時でも、今日のネクタイはどれにしようかな
くらいな気持ちで簡単に行える。
私がこのアクセントを買った時は、暖かな木のぬくもりがあるプライヤーウッドが
付いているものを選んだ。プライヤーウッドとは桜の根っこのこと。
漆のような黒に、このプライヤーウッドの組み合わせが
和を感じさせてくれる。
ウッド系のグリップ以外にメタルのものもある。
プラチナと言われる針金をぐるぐる巻きしたようなメタル感バリバリの
グリップをしてみると、先ほどの和の雰囲気が、いっきょに近未来的な
表情に変わっていく。
まさに、グリップひとつで全く印象の違うペンへと七変化をしていく。
ちなみに、これら着せ替えグリップは別売り。
【ドイツデザインらしいアルミ製のグリップ】
□毎朝、着ていく服を考えるのと一緒に、
どのグリップにしようかも考える。
その日の気分によって、グリップを着せ替えるというのは
ペンの新たな楽しみ方になると思う。
(2005年9月13日作成)
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