■ 「ISOT 2014レポート!」 ■□□□□
□文具メーカー各社の新製品が
一挙に手にとって見ることができるISOT。
ここ数年、規模が小さくなったとは言え、
それでもすべての通路をくまなく見て回ると
たっぷりと1日はかかる。
実際、私は
オープンしてすぐの10:00からまわりはじめ、
蛍の光が流れる閉館ギリギリの18:00までかかった。
終わってみれば
16社ものブースの取材をすることができた。
私にとって展示会取材は
最高のインプットの場。
取材した日は
一日中ずっと文具漬けだったものだから
私の脳の中にある文具情報を蓄積する部分は
水が満たされたコップみたいに
今にもこぼれそうなほど
いっぱいいっぱいになっていた。
インプットをしたあとは
アウトプットをしないと体のバランスが崩れてしまう。
翌日にインプットした情報を
万年筆と原稿用紙を使って
ひとつひとつ書き出してアウトプットしていった。
頭の中にたまった文具情報が
万年筆の先からどんどんと出て行く感じがして
前日に感じていたアンバランスさが
どんどんととなくなっていった。
結局のところ
私たちの生活というものは、
仕事の情報にせよ、食事にせよ
何かを自分の中に取り入れて
それを出していく、
その繰り返しなのだと、
今回のISOTでの大量インプットを通じて再認識した。
さて、
今年もISOTレポートと題して
気になった文具を
いつものようにご紹介してみたいと思う。
■色々な紙の可能性を見せてくれたデザインフィル
デザインフィルのブースは
いつも白を基調にまとめられている。
そのせいだろうか
ひとつひとつの出展されている商品が
とても映えて見える。
その中で
まず目にとまったのが、
「パスコ ドキュメントバッグ」というアイテム。
これは「パスコ」という特殊な紙で
作られている。
紙ならではの軽量さがありつつ
頑丈さも併せ持っている機能紙。
「パスコ」という名前こそ
聞き慣れないが、
実は、私たちのまわりでよく使われている。
たとえば、
剣道の胴の中に使われていたり、
郵便配達員のバイクの荷台や
面白いところでは溶接用のマスクなどにも使われているという。
そう言われてみれば
たしかにどこかで見たような気がする。
私はこういう紙を使った箱形ケースを見ると
小学生時代によく使っていた「グルービーケース」を思い出す。
40代から50代くらいの方にしかわからないと思うが、
持ち運びができる格好いい道具箱といったものだ。
今回のものは
素材こそ違うが、
大人のグルービーケースといった感じもする。
ケース全体は「パスコ」で作られているが、
ハンドルだけは、イタリア製リサイクルレザーになっている。
このハンドルは、ほぼフラットにもなるので、
棚などにスッキリと収納しておくこともでき便利だ。
* パスコ ドキュメントバッグ〈A4〉 3色 各1,600円+TAX (10月発売予定)。
A3タイプとペンケースは参考出品。
そのすぐ隣には
また違った風合いの紙の箱が
美しくスタッキングされていた。
こちらの素材は古紙が使われている。
ベージュのものは段ボールの古紙、
ホワイトは漂白した新聞紙と牛乳パック、
そしてグレーは新聞紙の古紙だという。
細長いタイプはペンケースに、
大きなものは、名刺がピタリと収まる。
ゴムバンドも付いているので
ストレージだけでなく
持ち運ぶ用途にも使えそうだ。
* パルプストレージ ペンケース 3色 各460円+TAX。
パルプストレージ カードボックス3色 各560円+TAX。
次に注目したのは、
ブックカバー。
最近は、アマゾンなどネットで
本を買うことも増えている。
必要な本がすぐに届けられるなど
便利ではあるが、
ブックカバーを付けてもらえない。
これは、
そうした意味で
気軽に使える読み切りのブックカバー。
その名も
「包装用紙で作ったブックカバー」。
花柄の他、アルファベットタイプもあり、
こちらなら男性でも使えそうだ。
紙ならではの良さとしては
裏表紙の内側には
自由に書き込めるメモ欄がある。
本の感想や
回覧のチェックリスト、
本を誰かに渡す時に「○ページがオススメ」など
メッセージ欄としても使うことができる。
また、
背につけるラベルシールも付属。
何冊も併読するときに便利かもしれない。
*包装紙で作ったブックカバー
文庫本サイズ 4柄 各260円+TAX
新書サイズ 4柄 各360円+TAX
四六判サイズ 4柄 各380円+TAX
各4枚入り。ラベルシール(4枚)付き。
次に紙ではないが
これはと思ったのが「クリアケース 蒔絵」。
クリアケースと言っているが
クリアではない。
形は洋封筒スタイルだが
和柄のせいか、風呂敷を包んだ姿のようにも見える。
落ち着いた中にも艶やかな和柄が描かれている。
2サイズあり、
大きい方はA5より少し大きいくらい、
個人的にはA4サイズがあると
書類を入れとして便利だと感じた。
いわゆる透明のクリアファイルは
そのまま外に持ち出すのは
ちょっと気が引けるが、
これならシーンは選ぶかも知れないが、
このまま持ち出せる。
*クリアケース 蒔絵 (参考出品)
〈M〉 3柄 各340円+TAX
〈S〉 3柄 各300円+TAX
■デジタル文具以外も頑張っていたキングジム
世の中に「デジタル文具」というカテゴリーを
すっかりと定着させた立役者、キングジム。
ブースの前面には
最新のデジタル文具として
デジタル名刺ホルダー「メックル」や
スマホ画面をプリントできる「ロルト」が展示され
たくさんのバイヤーの注目を集めていた。
私はそこをスルーして
アナログ文具コーナーを覗いてみた。
こちらにも面白いものがあった。
たとえば、
「PENeFIT(ペネフィット)」というノートカバー。
これは、
ノートカバーにペンケースを付けたものだ。
これまでもペンケースほどの
大きさがあるポケットを持つ
ノートカバーはあるにはあった。
今回のものが
ウンなかなかいいぞ!と思ったのが
ペンケースが着脱可能であるところ。
いざ、ノートを開いて書こうとすると
表紙についたポケット類が
ふくらんで紙面がデコボコしてしまうことがある。
これは、ペンケースを完全に切り離せるので
その点で快適に使える。
ペンケースはチャック式だが、
すぐに書き出したい時のために
ペンケースのすぐ隣に1本分のペンホルダーがあるところもいい。
急いでいる時は
ここからペンをとればいい。
*キングジム ノートカバー PENeFIT
A5 2,300円+TAX
B5 2,500円+TAX
各 ショットノート一冊付属。
キングジムと言えば、ファイルメーカー。
今回、そのファイルでも新製品があった。
開発したのは
「ショットノート」を作り出した遠藤 慎さん。
「PATANTO(パタント)」という
そのファイルは、
360°折り返せるクリアーファイル。
背にひと工夫されていて
背の角のところだけしなやかさのある
エラストマーで作られている。
これにより
表紙の開きにフレキシブルさが生まれている。
遠藤さんは
日頃からクリアーファイルを使っていた。
机に広げると
完全にフラットにならず、
表紙がだんだんと起き上がって
不便な思いをしていた。
ちゃんとフラットに開いたままにできるものをと
今回の「PATANTO」を考え出したという。
*キングジム クリアーファイルパタント(透明)
20ポケット 550円+TAX
40ポケット 850円+TAX
■蛍光イエローのスティックのり登場 ヤマト
ヤマトが最近出した
「アラビックヤマト 色消えタイプ」。
のりが乾くと色が消えるという特長もさることながら
その鮮やかな蛍光イエローで使う楽しさがある。
ISOTでは、
そのスティックのりタイプ
「カラーグルースティック」が発表されていた。
一般的なスティックのりより細みなので
ペンのように握りやすい。
キャップを開けると
透き通った蛍光イエローの固形のりが現れる。
ボディをツイストさせると
ぐんぐん固形のりが繰り出されていく。
ステッドラーのゲルタイプの蛍光マーカーがあるが、
どことなくそれを思い出させる。
塗り心地はとてもなめらかで
ヌルッと紙の上をすべっていく。
紙の上での発色は
液体のりのアラビックヤマトの蛍光イエローに比べて
やや大人しい印象。
こちらも乾くと無色になる。
リフィル対応になっている。
ちなみに、
ちょっと意外だったのが
一連の蛍光色の
「アラビックヤマト色消えタイプ」、
そして今回の「カラーグルー スティック」ともに
のりの主成分としては、
ヤマトの看板商品であるでんぷん糊であるそうだ。
*ヤマト カラーグルースティック
本体 150円+Tax
スペアカートリッジ 2本 150円+Tax
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