文具で楽しいひととき
セーラー万年筆
ふでDEまんねん
「暑中お見舞い申し上げます」今年ほど、この言葉がぴったりくる夏はないと思う。これまで、何気なく「暑中お見舞い」と使ってきたが、今年はまさに、「お見舞い」を必要とするくらいの暑さだ。今回は、そんな季節のお便りなどで、ちょっと気取って筆書きを、と思っている方におすすめの1本をご紹介します。セーラー万年筆社の「ふでDEまんねん」
■ ペン先が大胆に上を向いている
このペン、見た目はふつうの万年筆だが、筆のような文字が書ける。では、どの様にして、筆のような文字が書けるかといえば、万年筆のペン先に、筆がこっそりついている、ということはなくその秘密はペン先にあった。ペン先をよーく見てみると、普通のペン先よりも少しばかり長くなっている。
つまり、ペン先の紙にあたる部分が多くなっていて、そのため、筆のように書ける、と私は理解している。この様な、万年筆タイプの筆ペンは10年くらい前に中国製のものを一度使ったことがある。それは、あまり書きやすいものではなかった。
今回のセーラー社のものは書きやすい。ペン先の紙とあたる部分が普通の万年筆より多いので多少の引っかかるのではと想像していたが、実際に書いて見るとまさに、さらさら、ぬめぬめと書ける。この時のインクの出具合がとても心地よい。さすが、老舗万年筆メーカーだ。
■ 普通に書いても筆文字になる
次に、書き方について。これは、いたって簡単。筆ということを全く意識せずに、普通のペンで書くがごとくいつもの様に書けばよろしい。
筆独特のトメ、ハネ、ハライの書き方は心の中で、「トメ!」「ハネ!」「ハライ!」と唱えてそれなりにペンを動かせば結構うまくいく。(私は、うまくいった。)注)くれぐれも声にはお出しにならないように・・・・
こうして、このペンで書いた筆文字を見てみるとなかなかのものだなあ、と思えるから不思議。
商品名の「ふでDEまんねん」。「なんでやねん」と聞き返したくなるネーミングだ。文具屋さんに行って、店員さんに「すいません、、、ふでDEまんねん ください」と言うのはちょっと恥ずかしい気がする。そう思うのは私だけだろうか。私が買った廉価版(1,000円+Tax)はボディの色がみどり色をしている。
ネーミングとボディーカラーはもう少しがんばって欲しいと個人的には思えた。まあ、そうは言っても、この書き味と筆書きっぽい筆跡は心地よいものがあった。こういうペンを使って、日本の文字の美しさをもう一度見直してみるのもいいと思う。
セーラー万年筆 ふでDEまんねん
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