文具で楽しいひととき
ナガサワ文具センター
イレーサージャケット
■ 消しゴムにも握り心地がある
これをはじめて手にした時、そうか、消しゴムにも「握り心地」というものがあるんだと気づかされた。ペンにはラバーグリップやギザギザ加工したものをはじめ、いろいろな握り心地のための加工がある。それなのに、なぜか消しゴムとなると、どれも紙で覆われたものばかりで、手にしてもあまり握り心地という点で違いが感じられない。
そんな中でこれは他にない新鮮な握り心地が味わえる。ちなみにこの「文具で楽しいひととき」の245回という歴史の中でも消しゴムは初登場となる。神戸の文房具専門店、ナガサワ文具センターさんオリジナルの「イレーサージャケット」。
消しゴムを覆っている「スリーブ」と呼ばれるカバーが紙ではなく、レザーで出来ているというものだ。なるほど、消しゴムにもこういう楽しみがあったのかと思い店頭で見かけ、即入手した。
カラーバリエーションもブルーやオレンジグリーンなどいろいろあった中で、私のお気に入りの色、レッドを選んだ。ジャケット単体だけでなく、ナガサワ文具センターさんオリジナルの消しゴムもちゃんと付属されている。
その消しゴムにイレーサージャケットを着せてあげ、しばし眺めてみる。
ウム、とても美しい。
これまでの多くの消しゴムのスリーブには「軽く消せる」であるとか「消しカスがまとまる」といった、消しゴムそのものの性能が大きく印刷されているものが多かった。確かにそういう情報は購入する時には大切ではあると思う。しかし、ひとたび購入してペンケースに入れて、自分の文具として使っていく段になると、もはやそういう情報はそれほど重要ではなくなる。
使うたびそうか、これは消しかすが集まりやすいのかと確認する必要があるかと言えば、多分ないと思う。最近のデザインを重視したパーソナルステーショナリーの中で、消しゴムだけがデザインという意味で置いてきぼりを食わされていたように思う。
話はよこ道にそれるが、デザインという面で言えば、たとえば、こんな消しゴムなんかがあったらいいと思う。それは、これまでの性能をうたったパッケージは買った後にピリピリと剥がして、中から白とかブルーの無垢なカバーが出てきて、それを使うというもの。まっ、いずれにしても消しゴムにもデザイン性を加えたという点でこのイレーサージャケットはとても良いと思う。
さて、このイレーサージャケットを手にしてみる。ソフトに仕上げられたレザー、そして、中の弾力ある消しゴムとが相まってクッション性のある心地よい握り心地だ。
角2ヶ所には、革と革を縫い合わせたところがあり、そこが少しばかり飛び出した格好になっている。
■ 縫い合わせ部分がほどよいグリップに
出っ張りがあるのは握るときに邪魔ではと思いきや、これがそうでもなかった。この出っ張りが握った時のちょうどいい指がかりになってくれるのだ。
消しゴムは使っていくほどに身を削ってといおうか、こすり取られながら減ってゆく。
■ 小さくなった消しゴム用ジャケットも
イレーサージャケットより消しゴムの方が短くなった時のために、短めのイレーサージャケットが付属されている。
紙のスリーブの時には、ハサミでカットしていたが、レザーを切ってしまうのはさすがにもったいない。その時に、この短めのジャケットは助かる。まるで冬服から夏の半袖に着替えたような感じになる。このように着替えさせてあげると、まさにジャケットという感じがしてくる。
しかしながら、この短いジャケットよりもさらに消しゴムが小さくなってしまったら、その時にはジャケットを脱がせて消しゴム単体で使うしかない。そんな感じで一つの消しゴムを使い切った後はどうするか。
このイレーサージャケットは、一般的な105円クラスの消しゴムの大きさに対応するようになっている。(全てではないが。。)試しにシードのレーダー、トンボのモノに入れたらバッチリと収まった。
トンボから最近出た「ダストキャッチ」というブラックの消しゴムに入れてみた。
レッドのジャケットにブラックの消しゴム、この組み合わせはどことなくラミーサファリ(古いタイプ)を想い起こさせる。
一般に消しゴムが短くなった時というのは、相当な期間一つの消しゴムを使い続けている訳なので、紙製のスリーブだとがかなりくたびれた状態になっていることが多い。その点、このイレーサージャケットでは専用のものに着替えるので、くたびれ感はそれほどない。そんなところもいいと思う。
ナガサワ文具センター イレーサージャケット
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