文具で楽しいひととき
ポスタルコ
Pressed Cotton Billfold Fabric & Leather
財布の買い替え時というのは悩ましい。ボールペンなどであれば、中のインクがなくなれば交換時とすぐわかる。しかし、財布というものは使うたびに、どこかの部分がなくなったり、減ったりする訳ではない。悲しいかな、なくなるのは、中身のお金だけ。。。
一方で、使うたびにくたびれてくるということはある。これは見方によっては「味」ということになるので、そこのところの判断はなかなか難しい。ましてや、壊れてしまうということもまずない。
財布の一番の買い替え時は、やはりなくしてしまうということだろう。しかし、そうそう財布をなくすこともない。というか、これはあまりあっては困る問題だ。
では、それまでずっと同じ財布を使い続けなくてはならないのか。実は、先日どうしても新しい財布が欲しくなり入手することにした。
ちなみに、これまで使ってきた財布はどこか壊れたわけでもなく、むしろ使い込んだ味もだんだんと出てきたところ。買い替えようと思った最大の理由は、できるだけスリムでコンパクトな財布が欲しかったから。以前の財布を手に入れた時は、スーツやジャケットを着ることが多く、おもに財布は、そうした上着の内ポケットに入れていた。
ということもあって、その頃は財布の大きさということについて、あまり気にならなかった。しかし、最近はスーツを着ることもめっきり少なくなり、財布の収納場所がズボンの後ポケットへと移動していった。
ここに入れるとなると、あまり大きいと椅子に座るたび結構大きな違和感を覚えることになる。そこで、財布を身につけることを諦め、しかたなく、鞄に入れることにした。これはこれで、結構面倒くさい
自動改札を通るたびに、はたまた、コンビニに行くたび鞄からヨッコラショと財布を取り出さなくてはならない。そこで、身につけやすく、スリム&コンパクトな財布にのり換えようと思ったという訳。
またスーツを着るようになったら以前の財布に再びご登場いただくことにし、ひとまず長期休暇に入っていただくことにした。
私が今回手に入れたのは、ポスタルコの「Pressed Cotton Billfold Fabric & Leather」 という財布。
■ サイズとしてはわずかに小さいくらい
スリム&コンパクトといっても、これまでより半分になったということはさすがになく、やや小さくなったというレベル。
しかしながら、これがなかなか快適な使い心地。これまでの財布と比べると、縦方向が約1cm、横方向が約0.7cmほど小さくなっている。
【左がポスタルコ、右が以前使っていた財布 】
サイズ上では、わずか1センチくらいではあるが、使い勝手の上ではこれが結構な差となって現れてくる。外観はレザーで覆われていて、一般的な財布のような印象をまず受ける。
しかし、中を開けてみると、ポスタルコ ファミリーの一員であることがすぐにわかる。内側には、ポスタールコの十八番である圧縮コットンとレザーのコンビネーションになっている。
リーガルエンベロープ、名刺入れ、手帳カバーなどにも使われているポスタルコ、黄金のコンビネーション。
■ クタッとしたレザー
外観のレザーがこれもポスタルコの一連のアイテムでよく使われている独特な質感のもの。一言で言うならば、「クタッとした優しさあふれるしなやかさ」。(← 全然一言になっていませんが、)
このやわらかさがとても独特で、どこかで以前に味わったことがあるような気がする。それをずーっと思い出していたのだが、そうだ!あれに似てる、と思い当たるものがひとつあった。
それはうちで飼っている犬の耳の部分。我が家では、ミニチュア ダックスフントを飼っているのだが、その耳の触り心地にとても似ている。
ミニチュアダックスフントは垂れ耳で持ち上げて手を離すと、まさに、クタッと耳が垂れ下がる。これにとても似ている。まっ、とにかくとてもやさしい気持ちになる触り心地である。つまり、財布を開く度心やさしい気持ちになる。その優しい外側の革を広げると、中は、シンプルにワンポケットの札入れになっている。
とてもやわらかいので、大胆に広げることができる。しかし、このポケット、ちょっと見たところでは奥行き(底)がやや狭いような印象を受ける。
■ お札がピタリと入るジャストサイズ
それもそのはず、以前、私が使っていた財布より1cmも縦に短いので、そう感じてしまうのも無理はない。しかし、千円札、五千円、一万円札を実際に入れてみたが、これがピッタリと収まる。
この札ポケットは1枚革をあえてそのまま使っている。つまり、内側は革の裏側のまま。何枚もの革を貼り合わせることがない分、財布自体がとてもスリムになっている。
次に、カード入れと小銭入れスペースについて。財布を開いた左側がカード入れのポケット、そして右側が小銭入れとなっている。
ここで大いに注目したいのが左側のカードポケット。財布のカードポケットというと、ひな祭りのひな壇の様にポケットが少しずつ、ずらしてだんだん状になって作られているのが一般的だ。
■ ワンポケットというカード入れ
しかし、今回のものはポケットが一つ、しかも、上から入れるのではなく横(右)からというユニークなスタイル。
ポスタルコのマイクさんは、この部分に最もこだわったという。これまでの雛段ポケットスタイルにカードを入れて、財布をパタンと折りたたむと、結構大きな空白のスペースが出来てしまう。
カードを少しずつずらして入れているので、これはある意味で仕方ない。そこで、カードをずらさずに入れる今回のようなワンポケット方式にしたという訳。
これにより、財布のコンパクト化に貢献している。ただ、こうしたワンポケットだと、中に入れたカードの出し入れがやりづらいのではと、思うところだが、これがそうでもなかった。
このポケット、ポスタルコの名刺入れにも使われている方式が採用されている。それはつまり、ポケットは土台となる面に全面を縫い付けられているのではなく、中央だけになっているというつくりこみ。
カードを出し入れするときにはポケットの両端を押し込んで口をグワッと広げる。
しかしながら、一方で気になるところもなくはない。このポケットには結構たっぷりとカードを入れないと、財布を広げるたび、中のカードが少しばかりスルスルと出てきてしまうことがある。
これについては、私は財布用のペンを使って防いでいる。財布の折り目の中央に、小さなエマージェンシーペンを挟み込みこんでおく。こうしておくと、うまい具合にカードがすべり出てきた時のストッパーのような働きをしてくれる。
これまでの財布では、「ウォーキーペン」を使っていた。今回のポスタルコにも、当初は「ウォーキーペン」をセットしていたのだが、これがあまり相性がよくなかった。と言うのも、持ち歩いているうちに、「ウォーキーペン」のペン先パーツが外れてしまいそうになってしまうのだ。「ウォーキーペン」は、ボディ中央をクルクルと回してペン先を出すタイプなのだが、ペン先収納時は、ペン先を覆うパーツをゆるめておく格好になる。
そして、書くときに、それを逆にねじって、しっかりと固定するというふつうのペンとはちょうど逆のような仕組み。
いずれしもて、ペン先収納時はペン先のガード部分がちょっとユルユルになった状態のままとなる。なぜか、ポスタルコの財布の場合の時だけ、そのゆるみが更に進んでいってしまう。これは、以前の財布ではなかったことだ。
■ 財布ペンにゼブラ SL-F1mini
きっと、クリップを挟む革がポスタルコの方が薄くなっているせいだろう。と言うわけで、このポスタルコの財布には、ゼブラの「SL-F1 mini」(315円)という伸縮するボールペンにしている。
これは、ペン先収納時は短くなっているが、ボディを引っ張ると、長くなると同時にペン先がでてくるというもの。
ボディサイズは、「ウォーキーペン」より太い。しかし、どうにか、ポスタルコの財布にもセットできた。
ポスタルコの財布がオリーブグリーンなので、ペンもそれにあわせてシャンパンゴールドのような色にしてみた。
太くなったことで、カードの滑り出し防止もよりパワーアップしたという副産物もあった。
さてさて、話しを財布にもどして、今度は、右側の小銭入れについて。私は、ここを小銭入れではなく、もう一つのカードポケットとして使っている。
うまい具合に、ここにもクレジットカードが3枚ほど入れておけるサイズになっている。ここはパチンと、とめるボタンがあるので、大切なクレジットカードを入れるのに適している。
すべてのカードを収納し、お札を数枚、そしていつも常備しているエマージェンシーメモと予備用の名刺も入れてみた。
こうすると、これまでの財布の時よりも、すこしばかり薄くすることが出来た。
こうして当初の目標であります財布のコンパクト化&スリム化は、達成されたのでありました。めでたしめでたし。
□ ポスタルコ サイト
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