■ 「MOLESKINE を機能的にするアタッチメント」
ヴィンテージ リバイバル プロダクションズ Holder for M
□以前、クオバディスの方にこんな話をお聞きしたことがある。
それはロディアケースのこと。
ロディアを取り巻くケース環境はとても充実していて、
色々な革製品メーカーからたくさんの種類が出されている。
そして、おおもとのロディアからも数年前より純正ケースなるものが販売されている。
実はこれ、当初フランス本国では販売されておらず、
日本市場からの切なる要望で生まれたものだという。
そもそも、ロディアはオレンジのカバーは破水加工されているので、
ケースは必要ないように作られている。
考えてみると、このロディアに限らず
我々日本人は何かとカバーをするのが好きなようである。
iPod にしてもそうだし。
本なんかはその究極で、
出版社からすでにカバーが付けられているのに、
書店でも付けている。
そして、さらにはユーザーがブックカバーというものをかぶせるということもある。
これは一体どうしてなのだろう。
あまり物事をおおっぴらにしないという日本人の奥ゆかしさからきているのだろうか。
はたまた、何でも包んでしまう風呂敷文化からきているのだろうか。
前置きはこれくらいにして、
そろそろ本題へ入っていくことにしよう。
今回のものは MOLESKINE のために作られたカバー、、、
ではなくホルダー。
ホルダーといっても壁に引っかけて飾るというものではない。
私たちが日頃使うために、引っかけて使うというものだ。
商品名は「 Holder for M 」。
□これを作ったのは、
ヴィンテージ リバイバル プロダクションズの塩田さん。
以前、ジーンズのパッチ素材で作られたペンケースをご紹介したことがあるので、
ご記憶にも新しいと思う。
この商品の誕生のきっかけは、
塩田さんの友人で、大の MOLESKINE 好きの方がいらっしゃって、
その方から、専用のカバーを作って欲しいという依頼を受けたのが事の始まり。
しかし、塩田さんは単にカバーをつくろうとは考えなかった。
なぜなら、カバーだとすべてを覆い隠し、
せっかくのゴムバンドといったMOLESKINE らしさがさが消えてしまう。
どうにかしてMOLESKINEらしさも生かしながら、何かできないだろうかと考え、
今回の「ホルダー」という発想にたどり着いた。
なるほど、取りつけた状態でも一目で MOLESKINE とわかる。
結構盛大に取り付けられているのだが、
少しもとって付けた感というのはなく、
むしろ我々は旧来からの仲良しです、といった収まりでよさを見せている。
□では、詳しくみていこう。
このホルダーは、二つの別々のアイテムで構成されている。
一つはヒップホルダーそして、もう一つはペンホルダー。
ではまずヒップホルダーから。
楕円形にくり抜かれた取っ手が頭にあるやや細長いスタイルをしている。
横から見ると取っ手のついた一枚もの、
そしてその上にワッカ状のパーツが取り付けられている。
おもしろいのは、そのワッカのパーツは完全にくっ付いている訳ではなく
根元だけが固定されて、それ以外は自由になっている点だ。
いずれもコシのある硬い革で作られている。
取り付け方はワッカを MOLESKINE の裏表紙にはめ込んでいくというもの。
今回のものはハードカバータイプをベースに作られており、
ハードカバーには、ほとんど隙間なくピッタリとセットできる。
ちなみにこれを取りつけると裏表紙の内側にあるポケットは
使いづらくなるのは覚悟しておかなければならない。
□次に、もう一つのアイテム、ペンホルダーを見てみよう。
上から見ると、
ペンをカバーする部分が丸みを帯びていて、とても立体感がある。
しかし、横からみると実はこのフォルムは、
たった一枚の革を巧みに折り曲げて作られていることに気づかされる。
取り付けは、こんどは表紙にはめ込んでいく。
これまで MOLESKINE に取りつけるホルダーは色々と考えだされてきた。
それらの多くはゴムバンドやしおりを兼用したものが多かった。
そうしたものは、MOLESKINEをいざ開いて使うときには、
バラバラになってしまうという問題もはらんでいた。
しかし、
今回のものは、ペンを使用している時もホルダーは
MOLESKINE にピッタリと寄り添っていて、離れることがないと言う点が、
よく出来ている。
□ペンは、ホルダーの中にある3つのトンネルをくぐり抜けるようになっている。
つまり、ペンを3カ所で固定していることになる。
気が利いているのは、
クリップも挟めるようになっているところだ。
都合4カ所でペンをガッチリとホールドしているので、
仮に逆さまにしたって、ペンはしっかりととどまっていてくれる。
差し込み口の穴の大きさは直径が約12mm。
実はこのサイズに至るまでには、
ちょっとした経緯があった。
この前段階のサンプルを塩田さんから見せていただいていた。
その当初のものは、これよりもペンをさす穴が細くなっていて。
細いといっても普通のペンなら問題なくセットすることができるものだった。
しかし、私の持っているペンの中で
ラミー2000 4色ボールペンがどうしても入らなかった。
4色という多機能ぶりはもちろん、
それにも増して、このホルダーに入れたらきっと
格好いいに違いないと思い、
塩田さんに、もう少しホルダーの穴を大きくして、
ラミー2000 4色ボールペンも入るようにしてみてはと、
ご提案させていただいた。
塩田さんもラミー2000 4色ボールペンのデザインにすっかりと
惚れ込み、改良を加えていただくことになった。
*左が当初の穴が小さめなもの、
そして右が改良を加え穴を大きくしたもの。
その改良版に
実際に太めのラミー2004色ボールペンを入れてみると
今度はラミー2000もきつそうな表情を浮かべることなく、
気持ちよさそうに収めることができた。
□ここで、せっかくなので
ラミー2000以外のいろいろなペンも入れてみて
その収まり具合、そしてお似合い具合を見てみることにしよう。
◇ ラミースイフト ◇ カランダッシュ849
◇ パイロット キャップレスデシモ ◇ ラミーサファリボールペン(クリップはややきつめ)
◇ ラミーサファリ万年筆は無理でした。
個人的には
ラミー2000 4色ボールペン以外では
同じくラミーのスイフトとの組み合わせが
とてもしっくりと馴染んでいると感じられた。
ホルダーから出ているスイフトのグリップにある穴が
たまらなく格好いい。
また、今回穴を大きくしたということで、
気になるのは、細い軸のペンを入れた時に
ペンがグラグラしてしまわないかということがある。
比較的細めのカランダッシュ849の場合、
確かに穴に対してはペンの方が結構細いのだが、
そもそもこのホルダーではクリップで固定する仕組みになっているので、
ぐらつき感などはほとんどなかった。
太めだけでなく、細いペンにもOKと言うわけだ。
□では、この一連のホルダーを我々の日常生活の中で
どのように使っていくとよいだろうか。
塩田さんは、以前にもご紹介したように大のジーンズ好き。
今回のヒップホルダーはジーンズを想定して作られている。
ジーンズのお尻のポケットに先程のホルダーをさして使うという。
何かこう職人さんが愛用のノミなどの工具を身に付けているようで、
これはこれでなかなか格好いい。
しかしビジネスマンにはこのスタイルはちょっと辛い。
そこで、私が考えたのだが、
ポケットではなく、ベルトに挟み込んでしまうというのはどうだろうか。
右腰からやや後は辺りにこれを挟み込んでみる。
ウム。。これはなかなかいいではないか。
これならスーツの上着を着てしまえば、普段は姿が隠れる。
いざメモを取るとなれば、犯人を追っている刑事が
ピストルを取り出すかのように上着の裾をめくって、
このホルダーに手をかけて颯爽と取り出すというのはいかがだろうか。
この方法だとベルトにガッチリと固定できるので、
ポケットに挿しているだけよりも安心感がある。
私も実際にやってみたが、概ね良好。
ただ、車の乗り降りの時はやや邪魔に感じることもある。
まぁ、その時はいったんダッシュボードに一時的に避難すればいいと思う。
会社のイベントや展示会などで、手帳を収納できるポケットがないときに
このホルダーは大活躍してくるのではないだろうか
そして休日にはジーンズに合わせるという。
本来の使い方もいいと思う。
私の場合で言えば、展示会の取材の時に活用できそうだ。
MOLESKINE らしさを維持しつつ、よりアクティブに使える
すてきなアタッチメントツールだ。
■記事作成後記
*MOLESKINE のソフトカバーもあるが、
こちらにも取りつけることは一応可能。
しかし、ハードカバーより 表紙に厚みがない分
ややゆるめの装着感。
ソフトカバーのMOLESKINEに取り付けたところ。
*このペンホルダーの取り付け位置は、
MOLESKINE の表紙のやや左側にしてあげるといい、
右側にはゴムバンドがあるので、こうした方が見た目にもとても美しくなる。
*いずれのホルダーもMOLESKINEに固定するベルト部分は
本革とヴィンテージ リバイバル プロダクションズさんお得意の
ストロング ファイバー ペーパー(ジーンズのパッチ素材ですね。)
がはり合わせる形で使われています。
■ ヴィンテージ リバイバル プロダクションズ Holder for M はこちらで手に入ります。
■ ヴィンテージ リバイバル プロダクションズ 公式サイト
◆気になる価格は、
* ヒップホルダー + ペンホルダー セット 8,800円
* ペンホルダーのみ 4,500円
(2009年2月10日作成)
□関連リンク
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