■ 「万年筆の良さを引き出してくれるノート」ツバメノート 147 円〜
□グレーの表紙に毛が織り込まれたクラシカルな表紙が
トレードマークの大学ノート、
一度は使ったことがあるという方は多いのでは。
この大学ノートを50年以上も作り続けているメーカーがある。
それがツバメノートだ。
50年という長きに渡って愛され続けているだけあって、
ノートの本分である書き味が実にいい。
その鍵を握っているのが、
このノートに使われている「フールス紙」というものだ。
聞きなれないかもしれないが、
これは印刷するためでなく、
書くために丁寧に抄いて
作られた大変品質の高い紙なのである。
ツバメノートでは、
このフールス紙をさらに筆記特性をよくするため、
既成のフールス紙を使わずに別抄きまで行っている。
そうしたあくなきこだわりによって生まれたのが
「ツバメフールス紙」なのだ。
一見したところ、
ごくふつうの紙に見えるが、
目を凝らして見てみると、
紙面にうっすらとすのめ模様といわれる縞模様があり、
光にかざすと透かしまでもが見える。
こんなところからも
いかに丁寧に抄いて作られていることが伺われる。
□このツバメフールス紙の書き味の良さを
より実感されたいのなら、
ぜひ万年筆で書かれることをお勧めしたい。
もちろん鉛筆やボールペンでもその良さはわかるのだが、
とりわけ万年筆のほうが、そのよさがわかりやすい。
万年筆はインクが水性のため、
ノートによってはにじんでしまうこともある。
しかし、
このツバメノートでは、
ほとんどと言っていいほどにじみはなく、
書いた筆跡が紙の上にそのまま残っていく。
にじまないからといって、
いつまでも書いた文字のインクが
紙の上にとどまっているということではない。
数秒経つと
スウッと紙の中に吸収されていく。
イメージとしては、
一行を書き終える頃には、
前半の文字はすっかりとインクが渇いている感じだ。
万年筆全盛の頃には
余分なインクを取るための吸い取り紙というものがあったが、
このツバメノートはその必要はない。
□また、
万年筆愛好家にうれしい配慮として、こんなこともある。
罫線があえて水性インクで印刷されている。
罫線が油性だと、
万年筆の水性インクが書いた筆跡が
はじかれてしまうからだ。
せっかく書いた自分の文字が
しっかりと残せるのはありがたい。
万年筆のペン先をこの紙の上で走らせてみると、
必要以上にツルツルしすぎることなく、
ちょうどよい滑らかさでもって進んでいく。
万年筆が心なしか喜んでいるようにも感じられる。
いいペンというものは、
それだけでは力が発揮できない。
そのペンの良さを
十分に引き出してくれる紙との出会いがあって、
はじめてその本領が引き出される。
お持ちの万年筆で
一度このツバメノートに書いてみてはいかがだろうか。
万年筆が喜んでいる顔がきっとみられることだろう。
*このコラムは、神奈川新聞での連載「至福の文具」を加筆修正したものです。
■ ツバメノートは、こちらで販売されています。
□ 関連リンク
■ 「考える場としてのノート」
■ 「万年筆のための手帳」 アサヒヤ紙文具店 クイールノート
■ 「万年筆を手にしたくなるノート」 満寿屋 MONOKAKI