文具で楽しいひととき

■ その98 「もう一度鉛筆をもってみたくなる」 ステッドラー ペンシルホルダー 900 25 2,100円
                                            

  


□大人使いできる鉛筆となると、これまであまり選択肢は多くなかった。
 
 数万円もするファーバーカステルのシルバー製伯爵コレクションや、
 5,000円台の同じくファーバーカステルのUFOパーフェクトペンシルなど
 比較的価格も高いものが中心だった。

 もっと手ごろな価格で大人の鉛筆使いが楽しめたらと常々思っていたら、
 ステッドラー社からこのほどペンシルホルダーなるものが
 発売されることになった。

 5月22日の発売開始を前に、試させていただく機会を得たので、
 ここにインプレッションと共にその全貌をご紹介したいと思う。


□外観はステッドラーらしく、製図シャープペンをベースにしたと思われる
 デザインに仕上がっている。


  


 たっぷりとした長さがあり、これまでの補助軸や
 鉛筆キャップにはないフォルムだ。

 今回のこの商品、補助軸(エクステンダー)ではなく
 ペンシルホルダーというネーミングにしているところに注目したい。

 単に短くなった鉛筆を持ちやすくする、ということだけでなく
 鉛筆をよりスタイリッシュに携帯して快適に使う、というコンセプトなのだろう
 と私なりに解釈してみた。


□鉛筆のセットの仕方は、ギザギザグリップを緩めて行う。


  


 鉛筆をセットする位置はお好みなのだろうが、
 せっかく、ギザギザグリップがあるので、そこを握って書きやすいように
 削られた芯先が出るくらいがちょうどよいと思う。


  


 こうすると、鉛筆のほとんどがホルダーの中に
 飲み込まれた形になるので、鉛筆らしからぬスタイルになる。

 たっぷりとしたボディなのだが
 セットできる鉛筆の長さは意外と短く、10cmくらいまでが望ましいようだ。
 それ以上でもセットできなくもないが、
 鉛筆が必要以上に出っ張ってしまうことになる。

 せっかくのロングボディなので、もう少し長めの鉛筆にも
 対応して欲しかった。

 ちなみに、ステッドラーの鉛筆以外にも
 他社の六角軸はもちろんのこと、丸軸や三角軸も、
 概ねセットすることができた。
 お気に入りの鉛筆があれば、それをセットして使うのもいいと思う。


□握り心地はというと、
 一般的なペンよりも多少の太いものの
 それほど違和感を感じるものでもない。

 なにより、とても細かく加工されたギザギザグリップにより
 指先をしっかりと捉えて離さないというくらいのすごいフィット感がある。


  


 軽量なアルミボディのわりに、
 長いボディのせいだろうか、持ってみると適度な重量感がある。
 個人的には、この重さはちょうど良いように感じた。

 というのも、よくシャープペンやボールペンを使っていて
 鉛筆に持ちかえると、そのあまりの軽さに拍子抜けしてしまう
 ことがある。
 このペンシルホルダーくらいの重さなら、ペンを持ちかえても
 違和感を感じることはほとんどないだろう。

 しっくりとした握り心地にはもう1つ理由がある。

 ボディがアルミであることに対して、
 グリップ部分にはあえて真鍮が採用されている。
 これにより、程よい低重心が生まれ、
 筆記時の重量バランスがとてもよい。

 鉛筆単体では、なかなか味わうことのできなかった低重心を
 このホルダーが実現してくれている。


□ペン先の反対側を見ていると、まるでシャープペンのノックボタンのような
 ものがある。


  


 実は、ここには消しゴムが内臓されている。


  


 それを、クルクルと回転させると、このパーツが下に降りていって
 中から消しゴムが出来くるという仕掛け。

 しっかりとコシのある消しゴムなので、
 鉛筆で書いた太い線をごしごしと消してもびくともしない。

 この消しゴムはステッドラーのトリプラスのシャープペンと同じものが
 使われているので、なくなれば交換ができるようになっている。


□鉛筆の大人使いに必須であるクリップもしっかりとついている。
 シャツのポケットにさせば、普段使いのペンとして
 肌身はなさず携帯することができる。

 このときは、ポケットの中を汚さないよう、鉛筆を逆さまにセットしておくのをお忘れなく。


   


□このステッドラーのペンシルホルダー、
 マルスルモグラフのHB鉛筆が2本付いて、2,100円という
 お手頃価格。

 ファーバーカステルのパーフェクトペンシルのように鉛筆削りこそ
 付いていないが、
 より気軽に鉛筆が使えるホルダーとして、また違った鉛筆ライフが
 愉しめそうだ。

 こうして大人が使える鉛筆の選択肢が増えていくということは
 鉛筆好きの一人として、とてもうれしく思う。






 (2006年4月25日作成)


 ■ ステッドラー ペンシルホルダーは、こちらで販売されています。

 ■ こちらでも販売されています。





■ 関連リンク

   ■ 「やっぱり鉛筆。」  ファーバーカステル UFOパーフェクトペンシル 


   ■ 「由緒正しき製図ペン」 ステッドラー マルス プロフェッショナル712

   ■ 「芯の出具合いを調整できるシャープペン」 ステッドラー REG 925 85−05

   ■ 「プロの道具」 ステッドラー芯ホルダー マルステクニコ MARS−780C

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