■ 「造りのよさが感じられるノート」 美篶堂 みすず小口染めノート 1,575円
□ノートと言えば、最近モールスキンやローディアなど海外製のものが
注目されている。実際、私も愛用している訳だが。
そんな折、久々に「これは欲しい!」と思える日本製のノートに
出会ってしまった。
今回ご紹介するのは和の雰囲気をベースに、どことなく洋のスタイル
も溶け込んでいる1冊の上品なノート。
それが、みすず堂小口染めノートです。
□ノートというよりも、1冊の上質な本というのが私が受けた第一印象。
布で出来た装丁はシンプルでありながら、和の落ち着いた雰囲気が
あってとてもよい。
小口といわれるノートの紙の断面にも色を染めている小口染めは
このノートの特徴ともなっている。
表紙はしっかりとしたハードカバーで、片手でノートを開いた状態で
持ち、それを閉じると「パタッ」ととてもよい音が響きわたる。
この「パタッ」という音からも製本の作りの良さが伺える。
私は5種類あるカラーバリエイションの中から赤を愛用している。
表紙・小口ともに赤一色。
この赤が、いわゆる赤ではない日本独特の朱色と言った方が
より近いだろう。
目にも優しいこの色使いが安らぎを与えてくれているようだ。
□ノートの表紙には、ロゴマークなどがないシンプルなデザイン。
個人的には、ロゴがベタベタより、こうしたシンプルデザイン
は大変好感が持てる。
ロゴのデザインをあえて入れずに、布製の装丁自体で
勝負している点に、作り手の自信の程が伺える。
よーく見てみると、背表紙の下側に控えめに
マークが付いているのを見つけた。
でも、特にこれ見よがしではなく、奥ゆかしくエンボス状の
刻印となっている。
こういう静かなる主張もいいものだ。
□サイズは大きすぎず、小さすぎないA5程度のサイズ。
私は、ノートはこの手のA5サイズを良く使っている。
その理由は、
1ページ、1コンテンツという私なりのルールがあって、
それを実践するのに、A5サイズが無駄なく書けてちょうどよい。
それともう1つ、私の机の上はいつも散らかっていて
A5サイズのノートでないと、ノートを拡げられないという
切実な理由もあったりする。
□ひとたび、ページを拡げると、クリーム色の質のいい紙が現れる。
表紙の赤とこのクリーム色のバランスが絶妙。
しかもこの紙がなんとも滑らかで、手触りがすべすべしている。
思わず頬擦りしてしまいたくなるほどのきめの細かさ。
肝心の書き味だが、万年筆のインクで書いてもほとんどにじみがなく
裏写りもせず、まさにサラサラと書けてしまう。
□このノートは罫線などがないプレーンのシンプルノート。
だから、使い方は無限に広がる。
こんなに、いい装丁のノートだから、
後々まで残しておきたい情報や、何度も繰り返し読みかえす
情報を書き留めておくのに最適だと思う。
私の使い方は、色々なステイショナリーをはじめとするショップ探訪の
情報を書き留めている。
雑誌で見つけた気になるショップの切り抜きを貼ったりして、
私だけのガイドブックを完成させようと目論んでいる。
□大量生産品にはない、腕のいい製本職人による確かな
仕事ぶりが味わえる特別なノート。
これは単なる消耗品ではない。
お気に入りの本と一緒に本棚に末永く保存しておきたいと
そんな気持ちにさせてくれるノートです。
■ みすずノート 小口染め はこちらで手に入ります。
(2004年5月18日作成)
■ 関連リンク
小物として登場している赤い万年筆は ラミーサファリ 万年筆です。
■ 「がしがし使えるカジュアル万年筆」 ラミー サファリ万年筆
■ 「上質な装丁のカバーを末永く使える」 みすず堂 ハードカバーケースノート
■ 「一枚一枚の積み重ねが大事」 みすず堂 ブロックメモ キューブ
■ 「見ていると吸い込まれそうになってくる」 アサヒヤ紙文具店 クイールノート マーブル
■ 「万年筆を手にしたくなるノート」 満寿屋 MONOKAKI