■ 「目立たせないマーカー」 ゼブラ マイルドライナー 105 円
□マーカーと言えば、
たくさんある情報の中で、
重要なところをマークして
目立たせる時に使うものだ。
目立たせるということで、
よくあるのは
目にも鮮やかなピンクやイエローといった蛍光色。
しかし、
ここにきて地味で控え目なマーカーというものが登場し、
話題を呼んでいる。
ゼブラのマイルドライナーだ。
どんな色があるかと言うと、
グレーをはじめ淡い色合いのブルーやピンク、グリーンなど
いずれもまさにマイルドな色になっているのが特徴。
□では、
この控えめなマーカー、
一体どんなときに使うのが良いだろうか。
それは何かを目立たせるというのではなく、
逆に目立たせたくない時にいいと思う。
例えば、
1 日のやるべき仕事をリストアップした時、
一つの仕事が終わるごとに
このマイルドマーカーで消し込んでいく。
これまでは
こうした時に鮮やかな蛍光マーカーを使うことが多かった。
しかし、
考えてみると、
終わった項目というのは目立たせる必要はもはやない。
むしろ残っている項目の方が
重要な存在である。
このマイルドマーカーで消し込めば、
終わった項目を控え目な存在にしてくれる。
特にグレーのマーカーは
そうした「消し込み作業」には最適。
一回塗り、その上にさらに塗っていけば
どんどん濃くなっていくので、
消し込み具合も調整可能。
黒のボールペンなどで
完全に消しこんでしまうという方法もあるが、
それでは後で何が書いてあったかがわからなくなってしまう。
その点、
このマイルドマーカーなら消し込んでも
下の文字をしっかりと読むことができる。
また、
1本で太字と細字が付いているので、
ノートなどに書いた文字の消し込みだけでなく、
手帳に書いた小さめの文字の消し込みもOK。
これまでは
目立たせることだけに主眼が置かれたものばかりだったが、
これは情報を消しこんで目立たせなくするという
逆転の発想のマーカーである。
こういう商品が出るというのも、
奥ゆかしい日本ならではと言えるのでは。
＊このコラムは、神奈川新聞での連載「至福の文具」を加筆修正したものです。
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