■ 「まさに弾丸スタイルなペン」 フィッシャー375 ブレット 4,200円
□私はこういうものにめっぽう弱いんです。
エアガンあたりも
私は4丁も持っていたりたします。
エアガンなんかは、
日々の生活で使うというものでは
決してないのだが、
この手のものを見ると、
とにかく、一度手にしてみたい、
手の中に収めてギュッと握りしめたいという
衝動を抑えることができなくなってしまうタチ。
そう、この場合は
「使う」というよりも
「手にしたい」、「手にして満足感を味わいたい」などと
思ってしまう。
いつもペンを買うときは、
こんな場面で、こういう風に使おうなんて
私なりに綿密な計画を立てたりするが、
このフィッシャー375ブレットの場合は、
そうしたことをちょっと横に置いて
本能のままに買ってしまった。
ま、たまにはこういうことがあってもいいでしょう。
□フィッシャーには、
そもそも「ブレット」というタイプがある。
それはクロームメタルで両側が弾丸の先端のようになっているもの。
これはこれで弾丸ぽかったけれど、
今回の375は弾丸具合が
さらにその上を行くものになっている。
それもそのはず、
本体には本物の薬きょうが使われているのだ。
【 ほぼ原寸大を目指しました! 】
これは、 H & H 社のもので、
あのマグナムを作っているメーカーだそうだ。
この薬きょうは、
ピストルのマグナムのものではなく、
ライフルのマグナムの薬きょうらしい。
薬きょうの裏側には、
「 H & H 375 R . P MAG 」と刻印されている。
そんなところにも私は惹かれてしまった。
□手にすると小さい割りにズシリとくる。
以前のクロームタイプのブレットよりも明らかに重い。
ペンにおける重さは、
書く道具としては、あまり相応しいものではないが、
このペンに限っては、
この重さが、そのまま満足感に直結してしまう。
ボディは、真鍮製。
これは買ったばかりの新品だが、
所々いい具合に黒ずんでいたりする。
本体の一番太いところは、
薬きょうの根もとの部分で直径が約1.3cm。
これは、ペリカンの M 800ぐらいに相当する太さ。
そこからペン先に行くに従い、だんだんと細くなり、
中央を過ぎたあたりのところで
緩やかにガクンとスリムになっている。
その先端には、弾丸そっくりなペンがささっている。
外してみるとわかるのだが
薬きょうのパーツはペンの役割としてはキャップに相当する。
□ペン本体は以前のブレットとほぼ同じようだ。
大きく違うのは、グリップ部分にスリット状の刻みがないところ。
クロームタイプは、握るとちょっとツルツルして不安定な握り心地になるので
こうした刻み処理が必要だったのだろう。
375ブレットは、真鍮のマットな質感なので、
このままでも快適に握ることができる。
この様にペン本体は
キャップである薬きょうに差し込んであるだけなのだが、
これが結構ピッタリとセットできる。
ペンを取り出す際も
ペン本体をしっかりと引き抜かなければ、
そう簡単には外せないようになっている。
このフィット感、
ペン本体にあるゴムバンドがその役割を担っている。
それにしても
よくまぁ、本物の薬きょうがこんなにもピッタリとあったものだ。
□筆記する時は、
ペンを逆さまにして薬きょうに差し込む。
これがまた美しい。
私はうっとりと見とれてしまった。
というのも、以前のブレットではこの時、
筆記しやすさを考えてだと思うが、
キャップにペンがあまり深々とは入らず結構長めの、
それこそちょっとしたレギュラーサイズの
ペンくらいになっていた。
375の方は、ペンが薬きょうに深々と入り込み、
この状態でも弾丸らしさというものをしっかりと保っている。
その分結構な短さとなるが、
書く上で短かすぎるということは決してない。
むしろちょうどいいサイズ感。
375は、薬きょう自体に結構な重みがあるので、
これくらいのコンパクトさの方が
手の中での収まりが良く、コントロールしやすい。
□ボールペンのリフィルはNASAでも採用されたという
フィッシャースペースペン。
これは、無重力の宇宙でも書けるというものだ。
今や、日本人がスペースシャトルに乗って
何人も宇宙に行く時代にになったとは言え、
一般の私たちにとては、宇宙はまだまだ遠い存在。
このスペースペンは、そんな宇宙に行かなくても、
上向き筆記でその実力をたっぷりと味わうことができる。
以前に手に入れたブレットにも
このスペースペンのリフィルが入っているので、
同じ書き味だろうと思っていたが、
比べてみると意外にもちょっと違う感じだった。
以前のものは、やや硬めの書き味だったが、
今回の375では、少し滑らかさがあり、
同じ黒インクでも発色がちょっと濃いように感じられた。
私の気のせいかもしれないけど。
□この375ブレットは
弾丸スタイルを貫き、クリップを持たない。
そのためシャツのポケットなどにさして持ち歩く事は出来ない。
では、どうするか。
机に置いて眺めるだけでいいか。
いやいやそれでは、面白くない。
当初は、手の中で握るだけで満足、なんて言っていたけど
この375ブレットは、れっきとしたペンである。
ペンは、普段の生活の場で使ってこそ意味がある。
シャツのポケットがダメなら、
ズボンのポケットに放り込んでおくのがいいのではないか。
ちょっと重いのはたまにキズだけれど
ポケットに手を入れてこの弾丸フォルムをにぎにぎして楽しむのもいいと思う。
また、このワイルドな弾丸フォルムつながりということで
トラベラーズノートにセットして、使うのもまたいいかもしれない。
さすがに、フォーマルなビジネスの場、
たとえば、契約の時にこのペンでサインするというのは
相手に敵対意識をメラメラと燃やしているようで
そぐわないが、
自分のためのメモなどには、大いに活用できる。
弾丸のように力強いアイデアが書けるかもしれない。
(2010年5月4日作成)
【 オマケ 】
クロームボディのペンを薬きょうにセットしてみました。
こうしても、なかなか弾丸っぽいですね。
これを見て思い出したのが、
先日から発売されたミドリのブラスペン。(画像下 )
375は、クロームタイプのペンをセットすると、
なぜか、深く入らずこんな状態になります。
どうやら、微妙に太さがちがうみたいです。
試しに、375の薬きょうに
ミドリ ブラスペンの鉛筆部分を入れてみましたが、
残念ながらこれはブカブカでした。
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