■ 「筆文字が手軽&上手に書ける」 ぺんてる 筆touch サインペン 157円
□日本語が最も美しく書ける筆記具と言えば、
日本古来からある筆だろう。
トメ、ハネ、ハライといった強弱の効いた美しい文字を見ていると、
自分でもあんなに美しい文字が書けたら、
どんなにいいだろうかとつくづく思ってしまう。
私のような書道の手習いのない人でも、
美しい筆文字が手軽に書けるペンがある。
それが、
このぺんてる 筆touch サインペンだ。
そもそも、
筆は軸を直立にして、
手を紙にのせずにサラサラと書くことが多い。
普段使っているペンでは、
斜めに持って、
紙の上に手をどっしりとおいて書くのに慣れきってしまっている。
なので、
その調子で筆ペンを書くと、
穂先がグニャとつぶれて、
なかなかうまく書くことができない。
この穂先を絶妙な力加減でもって操るのが、
筆が得意でない者にとっては至難の業。
しかし、
この筆touch サインペンでは、
こうした筆ペン特有の書き方をほとんど意識せずに、
いつものペンのような感覚で
書けてしまう優れものなのだ。
□その秘密は、
ペン先に隠されている。
キャップをはずすと、
筆ペンによく見られるやや長めのペン先が現れる。
一般の筆ペンは書道の筆のように一本一本の毛で作られているが、
このペンはウレタン素材で作られており、
しかも、
そのペン先の根もとには、白いガードのようなもので覆われている。
実際に書いてみるとよくわかるのだが、
筆ペンよりもやや弾力がある。
そのコシの強さをよりしっかりと味あわせてくれるのが、
この根もとについたガードの部分。
これがあることで、
ペン先が必要以上にグニャとならずに、
気持ちよく書き進めることができる。
ちょうど、
筆ペンとサインペンの中間くらいといった感じだ。
□その書き心地のよさもさることながら、
筆跡もかなりの本格派。
書道の手習いのない私でも、
ただただ普通に書いていているだけで、
筆っぽさあふれる筆跡をつくり出すことができる。
筆文字ならではの「トメ」、「ハネ」、「ハライ」も、
心の中で唱えながら、
それなりペン先を進めていけば、
結構うまくいく。
こんなに手軽に美しい文字が書けるものだから、
実は自分には、
もともと書道の才能があったのではないかと、
勘違いをしてしまいそうなくらいだ。
これまで、
筆ペンに悪戦苦闘をしていたのが嘘のように
手軽に美しい文字を書くことができるこの筆文字サインペン、
宛名書き、結婚式の記帳、手紙など、
人様にお見せする文字を書くときに大活躍してくれそうだ。
また、
カラーインクタイプを使えば、「マインドマップ」を描くのにもいいかもしれない。
*このコラムは、神奈川新聞での連載「至福の文具」を加筆修正したものです。
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