■ 「正真正銘のシステムメモ帳」 ATOMA PPカバーノート A7 473円
□「システム手帳」はあっても、
「システムメモ帳」というものは、
あまり見かけることがない。
考えてみると、
この「システム」、つまり中の紙が自由に差し替えできるというのは
システム手帳やルーズリーフなど、いわゆるノート型ばかりだった。
ここで言う「ノート型」とは
綴じ部分が横にあるもの。
それに対して、
綴じ部分が上にあるものを
俗に「メモパッド」と呼んでいる。
このシステムスタイルのメモ帳というものに
私は、それまでほとんどお目にかかったことがなかった。
そんな中、今回ご紹介する
このATOMA社の PPカバーノート A7は、
正真正銘一枚一枚の紙の差し替えができる「システムメモ帳」である。
私はこの「システムメモ帳」を密かに待ちこがれていた。
□なぜ私がそんなに「システムメモ帳」にこだわり
その登場を待ち望んでいたのかと言うことをまずはお話したいと思う。
それは、「ToDo 全集」を書き込むためである。
「ToDo 全集」?
初めてお聞きになる言葉かもしれない。
内容は言葉の意味そのままで
日々行う ToDo すべてをまとめるためのものである。
ToDoと言えば毎朝、「さて今日は何をやろうか」と頭の中から、
その日にやるべき ToDo をリストアップしていくもの。
私も以前はそのスタイルをとってきた。
しかし、この方法だと、1日の途中で、
そういえば、あの重大な仕事をすっかり忘れていた、
ということに気づくことが多い。
それは ToDo の保管場所を頭の中だけに頼っていたためだ。
以前、 GTDの本「ストレスフリーの仕事術」(デビッド・アレン氏著、田口 元氏監訳)の中で
こんな趣旨の記述があって、私はハッとさせられた。
「やるべきことは頭の中に入れておくのではなく、
すべて紙などに書き出して、頭の中からやるべき事を取り出してしまう。
そして、頭はそうしたことを覚えさせるためではなく、
むしろアイデアなど考えることに集中させる。
ちょうどパソコンにたくさんのデータを保存しすぎて動きが悪くなってしまうように
頭の中にはやるべきことを詰め込まない。」
確か、そうした内容だったと思う。
その本では、
すべてのやるべきこと
それこそ仕事だけでなく、
仕事帰りに妻から頼まれた牛乳を1本買うということまで紙に全てを書き出す。
とあった。
つまり、
頭の中から、「あれやらなくっちゃ」をすべて追い払ってしまうというものである。
この考え方にはとても共感した。
もし、著者が近くにいたならば、
足早に駆け寄って、握手を求めてに行ってしまう、
というくらいに私は深く深く共感してしまった。
そこで私は手のひらサイズのメモパッドに「ToDo 全集」と名付け、
そこに「あれやらなくっちゃ」をすべて書き込むことにした。
□当初私は、
この「ToDo 全集」をこんな感じで使っていた。
まず後のページに今思いつく限りのToDoをひたすら順不同に書いていく。
なぜ、後ろのページからかと言うと、
一番前のページには、その日のToDoを書くためである。
こんな感じで、後ろに書きためた「ToDo 全集」を毎朝見て、
その日にやる事を選んで一番最初のページに書いていく。
こうすることで、
1日の途中で重大な ToDo を忘れてた!ということもめっきりと少なくなった。
そうは言っても、
ToDoというものはどうしても日々増えていくものである。
1日の途中でも、全く新しいToDoが生まれてくることはある。
そうしたときは、慌てず騒がず、
涼しい顔をしてToDo全集の一番最後にそれを書きとめて、
ATOMAのカバーをパタンと閉じて、明日以降に取り組めばいい。
ToDo全集に書いてさえしまえば、そのことをすっかり忘れて、
いま取り組むべき仕事だけに集中できる。
よく、急に思いついたToDoをついついその場で取りかかろうとしてしまうことがある。
私も以前はよくそうしていた。
確かに、緊急で重要なToDoならその場でやったほうがいいが、
そうでないものは、このToDo全集に書くだけという方が
心地よく仕事を進めることができる。
なぜなら、
急な仕事ばかりをしてしまうと
当初立てたその日のToDoが終わらなくなってしまうから。
一日が終わり、その日のToDoの積み残しがタップリと残っていると、
私は一体、今日何をしていたたのだろうかと自己嫌悪に陥っしまう。
□ただ、このToDoを順不同に書き込んでいく方法だと
どうしても、
ごちゃごちゃにリストアップされているので、毎朝チェックするのも結構大変。
そこで、ToDoをカテゴリーに分けて書き込むようにした。
このカテゴリー分けはとても有効だった。
しかしここでまた新たな問題点が浮上してきた。
それは、ロディアなどのメモパッドのほとんどが
がっちりと製本されたものばかりということである。
例えば、「オールアバウト連載」というカテゴリーをつくり、
そこにToDoを書き込んでいく。
当然1ページのすべてを書き込んで、
新しいページに行かなくてはならないという時が必ずやってくる。
しかし、製本されているので、すぐ次のページにとはいかず、
何ページか先のページに書かなくてはいけなくなってしまう。
カテゴリー分けしたはずなのに、
それらがあちこちのページに散らばってしまうという、事態になってしまう。
メモパッドでシステムメモ帳のように差し替えができたら
さぞ便利なのに。。。
そうした理由からメモパッドタイプで、
紙の差し替えが自由にできる、
いわゆるシステムメモ帳というのを探し歩いていた訳である。
□前置きというか「中置き」ぐらいまでやって来てしまったが、
ここで今回の主役ATOMA社の PPカバー ノートのご登場。
サイズとしてはロディアの最小サイズの11番相当。
表紙と裏表紙には程よい硬さのPPカバーが使われ、
手に取ったままでも、しっかりと書くことができる。
最大の特徴は紙の差し替えが自由にできる特殊なリング。
では、紙を取り外す模様をご覧にいれてみたいと思う。
1枚の紙をつまむ。
この時紙の綴じ部分近くをつまむのがコツ。
そして、ゆっくりと引きはがしていく。
するとと1枚の紙だけはずれていく。
「破れる」のではなく、あくまでも「はずれる」のだ。
その紙の綴じ部分には、切り込みの入った穴があり、
これにより、取り外しができるようになっている。
名刺をクルクルと回して整理するローロデックスがあるが、
あれと基本的には同じ原理とお考えいただければいいだろう。
もちろん、一度外した紙を自由な位置に再び戻すことだってできる。
その時には綴じ部分の両側に指を添え
ゆっくりとやさしい気持ちで押し込んでいってあげる。
こうした、仮綴じ感漂う方式ではあるが、
ページのめくり心地としてはいたって普通。
多少のひっかかりはあるが、それほど気になるものでもない。
差し替えが自由にできるとはいうものの、
さすがに何度も紙を差し替え続けていると、切り込み部分にも、
多少やれが出てきてしまう。
しかし、今回のこの紙には紙重量を90g /uという
ロディアよりも10gばかり厚めの紙が使用されているので、やや頑丈な印象である。
これならカテゴリー分けしたページを必要に応じて増やしたり減らしたりすることができる。
□このATOMAのA7ノートには
ノートの中に一カ所だけPP素材のインデックス間仕切りがある。
私は、「ToDo全集」との境に
このインデックスを使っている。
ちなみに、その中のカテゴリーは、
「一般タスク」、「連載」、「プライベート」、「セミナー」といった具合に分けている。
それぞれのインデックスには、マスキングテープを使っている。
これが良いのは、付箋のようにメモ帳から出っ張らないことだ。
それでいて、ページへのアクセスもスムーズ。
また、きれいに剥がせるのもいい。
ちなみに、このATOMAには
紙だけのリフィルも別に用意されているので、
どんどんわき出てくる「やらなくちゃリスト」にもバッチリ対応できる。
ToDoリストは一日のスタートである朝に書き込むことが多い。
一日のスタートを気持ちよく切るために
快適なToDo作成環境を整えてあげることは
とても重要なことだと思う。
■記事作成後記
* A 7サイズということでコンパクトでいいのですが、
できればもう少し大きいB7サイズくらいがあるといいですね。
ATOMAの本拠 ベルギーには、 おそらくB版はないので無理な相談でしょうが。
日本メーカーさんに期待したいところです。
* 紙の表面は、ややザラザラとした感触があります。
ロディアほどの書き心地の良さはありませんでした。。。
*今回のメモパッドタイプ以外にも、A5 (893円)、A6(683円)のいわゆるノートタイプもそろっています。
*こららが、差し替え用のリフィルです。60シート入りで263円。方眼のみです。
(2009年5月5日作成)
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