■ 「紙質のよさ+作りのよさ+歴史」
ライフ2009年新製品発表会展示会レポート
□古くからライフの定番ノートとして君臨し続けている
「クリッパー」シリーズ。
愛用されている方も多いと思う。
ライフの営業の方がこの「クリッパー」という名前の由来を教えてくれた。
私は、安直にイルカと勝手に思い込んで
今日の今日まで過ごしてきた。
実はイルカとは全く違うストーリーがそこにはあった。
ここには「飛行機の席」というものがあったのだ。
営業の方が
「誰もが気になっていた 飛行機の大疑問」(河出書房新書)という本を見せてくれた。
それによると、
現在の「ファーストクラス」、「ビジネスクラス」、「エコノミークラス」と席を分けたのは、
パンナム航空が初めてだったとされている。
そして、「ビジネスクラス」はその当時「クリッパークラス」と呼んでいたという。
ちなみに「クリッパー」とは「高速帆船」という意味。
飛行機の操縦士を「キャプテン」と呼んだりなど、
飛行機の専門用語には、
船舶のものが多く使われている。
そういう意味で「クリッパー(高速帆船)」も使われたのだろう。
つまりライフの「クリッパー」というネーミングは、
イルカではなく
飛行機の席、今でいう「ビジネスクラス」という意味が込められていたのだ。
実際ライフには今も「ファーストクラス」というシリーズも残っている。
さらに言えば、
当初は「エコノミー」というシリーズまであったそうだ。
このノートは、いわゆる「ザラ紙」と呼ばれるわら半紙だったという。
残念ながら、これは現在は存在しない。
そんな背景が「クリッパーシリーズ」にはあったのだ。
□そして、そのクラスの最上級として今回新たに加わったのが
「エキスパート」というシリーズ。
これは日本語にすると「専門」という意味。
残念ながら今回は「飛行機の席」という意味は込められていない。
表紙は「専門」=「プロ」ということをイメージさせるブラック。
これまでのクリッパーの表紙をベースにしているが、
白地からブラックになっただけでその印象は大きく変わっている。
このブラック印刷、
真っ黒にするのがとても難しかったという。
通常オフセットの印刷をするとき色を塗った後に、
でん粉成分(コンスターチ)の粉をまくのだそうだ。
これは印刷した紙を重ねていく際に
紙の裏側にインクがうつってしまわないようにするため。
でん粉をスプレーすることで、重ねた紙の間にほどよく空気が入り、
インクの裏写りを防ぐことができる。
これまでの「クリッパー」のように白であれば大丈夫だったのだが
黒だと、その粉がどうしても仕上がりの後に白く残ってしまうがちだという。
「エキスパート」ではその点を十分に手間をかけて作られている。
サイズはA4、B5、A5の3種類。
紙面は5mm方眼と9mm横罫。
9mmの横罫線というのは、
見た目にも、これは太い!というのが
すぐにわかるくらいのものである。
B あたりの太い万年筆でもおおらかに
書くことが出来そうだ。
紙は、「L ホワイト ライティングペーパー」を使用。
◆ エキスパート
A4サイズ 5mm方眼、9mm横罫 各735円
B5サイズ 5mm方眼、9mm横罫 各630円
A5サイズ 5mm方眼、9mm横罫 各525円
□デザインが印象的な今回のライフ新作の中で、
この「手帳 クロス」はかなり控え目な顔になっている。
この表紙を見て真っ先に思い浮かぶのが、学校の出席簿。
表面には細かな格子状の模様があり、
ちょっとザラザラとした触り心地のクロス。
そして、背と角は布で補強されている。
サイズとしてはいわゆる測量野帳とほぼ同じ。
表紙はガッチリとした厚く硬いタイプ。
まさに出席簿のようだ。
小学生時代に出席簿で叩かれたことがあるので、
その堅さは私の頭が今も覚えている。
紙は「L クリーム ライティングペーパー」で、5mm方眼のみ。
スーツの胸ポケットに忍ばせておくのにピッタリだ。
◆ 手帳 クロス 945円。
□がっちりとした合皮カバーの「サニーゴールド手帳」に
コンパクトサイズが新たに登場。
同じデザインでは、これまでB5とA5サイズがあった。
今回、このコンパクトタイプを作ったのは
1年間たっぷりと使える手帳ということで企画された。
一年という期間を使うものなので、
たっぷりな208ページ。
そして、紙面は1ページを6分割したユニークなスタイル。
◆ サニーゴールド 手帳 M300 2,100円
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