文具で楽しいひととき
上海 福州路 文具購入記
■ 上海 福州路 文具購入記
上海に行くたび、必ず訪れている「福州路」。
上海の繁華街「南京東路」のすぐとなりにある通りで、書店や文具店、画材店などが軒を連ねている。上海に到着した日、荷物の整理をスバヤク済ませてタクシーで一路、福州路へと向かった。
まず、訪れたのが下の写真にある大きな文具専門店。展示会でも大体そうだが、私は入り口を入ると、まず左の壁側に行ってそこをスタート地点して全ての通路をくまなく回っていく。
これが見落としがなく、かつ、時間効率もよく一番確実な方法。この店で買ったものは以下のとおり。これは表紙のデザインに惹かれた買ったノート。
透明フィルムでパックされていて中がどんな紙面になっているかはわからなかったがこの表紙のデザインだけでも「買い」だと思って迷わず買い物かごに入れた。
ヨーロッパの香りがするデザインだが、裏面を見ると中国 上海の文具メーカーのようだった。背表紙には、特に加工がなく綴じ部分がむき出しになっている。きっとこれは見開き性もいいのだろうと、期待がふくらむ。
帰国後、このノートのパックを引きちぎって開けてみるとやはり見開き性は抜群だった。面白いのは、ノートの前半が無地紙面で後半が方眼という作り。どう使っていくか、まだあてはないが、創造性をかき立てるノートだ。
そして、これはお馴染みの3Mのポストイット。中国語では「扱事貼」と記載されている。言いたいことは、日本人の私にもすごく伝わってくる商品名だ。
これをあえて買ったのは、パッケージにシャツのポケットに入れておけるというイラストがあったので。ふつうのポストイットでは、そのままポケットに入れると、バラバラになってしまうこともあるが、これはどんな仕組みなのだろうかと、気になったので買ってみた。
こちらも帰国後に確かめてみるとなんてことはない、厚紙カバーで覆われているだけだった。日本では、企業ノベルティでこうしたものをよく見かけるが、中国では定番商品として売られていた。
こちらは、ぺんてるのエナージェル。日本のエナージェル ユーロと同じデザインだ。ただ、違うのは日本のは、ブルーボディであるのに対し、これは、グレー&ブラックボディ。
よくよく見てみると、「エナージェル ユーロ」とは書いてなく、あくまでも「エナージェル」とだけあった。ちょっと珍しかったので1本購入。
そして、こちらがスタビロのペンシル。日本で言うところの芯ホルダー。ノックを押すと、シャープペンのようにカチカチと芯が少しずつでてくるタイプ。私は右利き用を買ったが、左利き用もあった。
これは、パイロットの油性ボールペン。紫ボディがなんとも新鮮なので思わず買ってしまった。
ひょっとしたら日本でもふつうに売っているのかな??
福州路から一本路地に入ってみると一転して中国の生活感あふれる町並みになる。
この通りにも文具店がいくつも軒を連ねていた。そのうちの数店に入ってみた。
店内には、近所に住んでいる小学生らしき子供がいて、熱心に鉛筆を選んでいた。きっと学校で使うのを選んでいるのだろうその鉛筆コーナーには、当然中国のメーカーのものばかりで、日本とは違うデザインのものもあって興味をそそられた。
先ほどの小学生が鉛筆を選び終わったところで私も品定めへと突入してみた。消しゴム付きの鉛筆がその店にはなぜかたくさん並んでいた。日本では見かけないデザインものを中心に9本購入。しめて6元。これは安い。。
こちらは、今回のレポートでもご紹介した三菱鉛筆の水性ボールペン UB-100。日本では、もう販売されていないが、中国では未だに現役として頑張っているようだ。
■ 田子坊 文具購入記
ペーパーワールドチャイナは会期が3日間なので例年は上海滞在もそれに合わせて3泊4日にしていた。3泊4日だと、最終日は展示会場からそのまま空港に向かうことになるので、これだと、文具ショッピングをする時間がとれない。
そのため、これまでは上海に行く飛行機を朝一番の便にして、初日の午後を先ほど紹介した福州路などの文具店巡りにあてていた。
しかし、今回はちょうど友人がこの時期に上海駐在をしていて、それじゃ、一緒に食事をしようということになり、一日延泊をすることに。友人と食事をすると言っても、さすがに彼は、日中は働いているので、夕食となる。
つまり、日中は空いてしまう。そこで、さらなる文具を求めて「田子坊」というところに行ってみることにした。田子坊とは、上海の昔ながらの建物をそのまま活かしたエリアで、そこには、上海のクリエーターのギャラリーやショップ、カフェが集まっているエリア。
今回、展示会の通訳をお願いしたヨウさんにもご同行願った。せっかくなのでということではじめて、上海の地下鉄に乗ってみた。切符は、スイカみたいなカードになっている。それを自動改札にタッチする。
それだけでは、ゲートは自動では開いてくれない。遊園地などで見かける回転式のバーのように自分で押して開ける。いわば、半自動改札。自分で開けると言えば、中国のタクシーもドアーは自動ではない。
自ら開けて、自ら閉めなくてならない。そう考えてみると、なんでも自動でできるのは日本くらいなのかもしれない。これは、果たしていいことなのか、否か。。
さて、地下鉄に乗るには、空港にあるような荷物検査をしなくてはならない。
地下鉄なので、階段を下りていくとホームがある。これが実にキレイ。ヨウさんに、最近出来たばかり?と聞くと。もう数年前だという。以前は、ゴミなどで結構汚れていたそうだが、万博もあってキレイにしたそうだ。
車内は、日本と比べるとやや広い印象がある。椅子はクッション式ではなく、公園にあるようなプラスチック製。長く座っていると、おしりがいたくなる。なぜ、プラスチック製なのだろう?とまたヨウさんに聞いてみると。
そんなこと考えたことがないと、言いつつ。しばらくして、きっと掃除がしやすいからじゃない。と答えてくれた。なるほど、それは大いにアリだ。
一回乗り換えて、目的の駅に到着。乗るときは、半自動改札に切符をタッチしたが、出るときは、投入口に差し込むようになったいた。
しばらく歩いて田子坊に到着。と言っても、「歓迎 田子坊」などと言う看板があるわけでもない。上海の昔ながらの建物だという煉瓦作りの民家が密集している。
そこを入っていくと、いきなりオシャレなショップが所々に現れる。これが田子坊の特長。田子坊は、一体が全てショップ街になっているのではなく、昔からそこに住んでいる人たち民家の合間にろんなオシャレなショップやレストランがある。
カフェのテーブルの上に洗濯ものが普通に干してあったりという光景もよく目にする。
ここでも、私は本能でまず左に曲がって田子坊の端に行き、そこからスタートした。スタートしてすぐに気になるショップを発見。
中に入ってみるとレザーアイテムがたくさん並んでいた。ヨウさんを介していつオープンしたか聞いてみるとまさにオープンしたばかりだと言う。
手帳やら、ファイルケース、ペンホルダー、それからブックカバーなどステーショナリーがいっぱいあって心が躍る。
10分くらい店内を見て、このノートを買った。あえてエイジ感を出した牛革カバーに、ゴムバンドというスタイル。どことなく、トラベラーズノートにも似ている。ちなみに、ゴムバンドは背の部分から出ている。
中はどんなノートが入っているのだろうかと開いてみると、なんとリングノートになっていた。
革カバーにリングノートだとどのようにその二つをくっつけているのだろうかとノートの裏面を見てみると、なんと、ボタンで留める方式になっていた。これは、ちょっとおもしろい。念のため、リフィルノートも一冊買った。
ノートセット 146元、リフィルノート 39元。
次に入ったのは、いわゆる中国雑貨を扱うお店。
中国らしさのあるデザインを今風にアレンジしたものが並んでいた。私は、この2つのノートを買った。
いかにも中国という感じの表紙が新鮮。ヨウさん曰く、表紙には面白いことが書いてあると教えてくれた。たとえば、左側が「残業反対!」。確かに面白い。各10元。
田子坊にあるお店は、どちらかというと、女性向けの雑貨やインテリアショップが多い。なので、私のような男性が楽しめるお店は以外と少ない。そんな中、アンティークカメラ店を扱うお店を発見。
そこには、カメラ以外に、おそらくオーナーが自ら撮影したのだろう中国の昔の風景を切り取った写真を使ったメモ帳があった。
次に訪れたのは、革製品のショップ。
いかにも手作りという感じのざっくりとした革製品が並んでいた。私が買ったのは、単語帳くらいの大きさのメモ。これ以外にも文庫本くらいのものからA5サイズくらいのものまでたくさんの種類があった。表紙はボタンで外せるようになっており。
中にメモがヒモでガッシリと結び付けられている。メモを使い終わったら、どうやら革のカバーもろとも処分してしまうようだ。ちょっともったいない。
ガラッと雰囲気が変わって、キレイな店構えのライフスタイルショップ。
ここでもノートを買った。まるで、手で抄いて作ったかのうような紙の繊維がハッキリと出ている表紙。
中の紙面も同じような紙質になっていた。おそらく、環境に配慮したノートなのだろう。各16元。
すべての通路を見終わった最後に田子坊の地図を発見!どうやら私たちは出口から入ってしまったようだ。
田子坊を出たとこに出来たばかりのミュージアムがあったので、そこで、しばし休憩。
コーヒーを注文すると、ミルクがたっぷりと入ったコーヒーが出てきた。中国では、ストローがどこでもこの様にねじれて出される。
ホッっと一息つきながらヨウさんと色々と世間話をしている中で、話題は、本の話しに。今、ヨウさんが読んでいる本を見せてもらった。著者名の漢字をそのまま読むと、それは、「アガサクリスティ」であることが私にもわかった。
こうして、中国語の本を見るのは初めて。パラパラとページをめくっても、文章が読めないので、文章の構成にしか目がいかない。ちょっと面白いことを発見した。改行したあとに、2マス開けてから次の文章が始まっている。
ヨウさんによると、中国では作文を書くときも全てこのように2マス開けるということだった。
なぜなんだろう?と聞いてみたがヨウさんもわからなかった。確かに私も自分が作文でひとマス開ける明確な理由などわかっていない。。
次に向かったのが、新天地というエリア。ここは、まるでヨーロッパのような建物がたくさん並んでいる。
メインはカフェやレストラン、バー。欧米の人たちがたくさんいてヨーロッパにでも来たのではないかと思ってしまう独特な雰囲気があった。
こんな感じで上海文具ショッピングをたっぷりと堪能した。
そしてその夜、上海に駐在している友人と食事に。連れて行っていただいたのは、四川料理。ここは現地の人たちも足繁く通うという人気店。四川料理ということで、どの料理も赤く、見るからに辛そう。
たしかに口にすると辛かったが、しばらくすると、それも心地よい辛さになっていった。辛さだけでなく、舌がすこしばかりしびれるという感覚も初めて味わった。こうした辛い料理には、ちょっと軽めの青島ビールが実によくあう。
□ 取材後記
今回、通訳をしていただいたヨウさん。
昨年までお願いしていたジャンさんは、おめでたということで後輩のヨウさんをご紹介いただいた。まだ学生さんで来年から外資系の会計事務所で働くという。
各展示会場には、こうしたちょっとしたカフェみたいなものが各ホールにある。ちょうど私たちが訪れた時には、おおかた売り切れていて食べるものはソーセージくらいしかなかった。食べてみると、そこは中国、やはりピリリと辛い味だった。
今回のペーパーワールドチャイナでも私以外にも各国のプレスの人たちがきていた。フランス、韓国、ドイツ、デュバイ。そうしたプレスの人たちと夕食会へ。向かったのは、アラビアレストラン。
メインは、50cmもある串に刺さった肉料理。串は日本のように竹ではなく、スチール製で、串というよりかはサーベルのようだった。色々な種類の肉があり、肉の間にはネギではなく、マッシュルームが挟まっていた。
これは、私が滞在したホテル。日本と同じように毎朝5時半に起床して、仕事をしていた。前の日に取材した内容の草稿を万年筆と原稿用紙に書くという作業。
愛用のペリカンM800にインクを満タンにして持っていったが、1日半で使い切ってしまった。書いた原稿用紙は全部で47枚。。
今回の取材で使ったシステム手帳とプレスマン。こうした何度も行っている出張の時には、システム手帳の方が都合がよい。前回に行ったショップリストや中国語会話集など、必要なページを差し替えられるので。
今回も空港から上海市街地まではリニアモーターカーを利用した。昨年までは、最高時速300kmくらいだったが、今年はさらにパワーアップ。なんと431km/h。体が背もたれに押されるような感覚を味わった。
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「ペーパーワールド チャイナ2009 レポート」
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