2025.02.18(576)

「こんなに書きやすかったっけ」

三菱鉛筆

事務用鉛筆 9852(消しゴム付き)

三菱鉛筆 9852 消しゴム付き

ホームセンターで見かけて1本買った。最近私はホームセンターで文具を買うことが多い。それは「業務用」というキーワードに注目しているからだ。ホームセンターは業務用の宝庫。もちろん文具売り場には一般文具もあるが、かがみこんで下の方の棚をじっくり見てみると、業務用の文具がひっそり並んでいる。そうしたものを見ていくのが今の私の楽しみ。この鉛筆もそんな棚に入っていた。

久しぶりの友人に再会したような懐かしさがあった。子供の頃、家の黒電話の横に置いてあったし、会社のデスクの引き出しにも短くなったこの鉛筆がコロンと入っていた。改めてこの良さを再評価している。

■ 完全に固定された消しゴム

BLACKWING 602 鉛筆

消しゴム付き鉛筆といえば、最近はBLACKWING 602をよく使っている。書く消すが利き手だけで完結できるのはやっぱり便利だ。この9852はBLACKWING 602と違い、消しゴムが完全に固定されている。話はそれるが、鉛筆というものは番号が商品名になっているものが多い。カステル9000、トンボ8900、MONO100、BLACKWING 602などなど。何かそこには理由がありそうな気がしている。

三菱鉛筆 9852 消しゴム付き

さて、9852はBLACKWINGみたいに消しゴムが減ったら繰り出したり、交換したりができない。昔の記憶を辿ると、私が見た消しゴム付き鉛筆は消しゴムがすっかりなくなった短い鉛筆だったような気がする。今改めて9852を使うにあたり、書く消すのバランスを揃えていけるだろうかと心配がよぎった。最近よく使っているBLACKWING 602は鉛筆一本を書き切っても消しゴムはまだ充分残っていることが多い。実のところ消しゴムを繰り出すことすらなかった。今の私の筆記バランスは書くが中心で消すはそれほどないようだ。

BLACKWING 鉛筆

その筆記バランスなら、おそらくこの9852ともしっかり最後までバランスよく付き合っていけそうな気がする。

三菱鉛筆 9852 消しゴム付き

■ ふつうになめらかに書ける

三菱鉛筆 9852 消しゴム付き

書いてみると、すごくふつうだった。昔からこんなになめらかだったっけ?というふうな心地よさがあった。私が買ったのはハードブラック(HB)。調べてみるとブラック(B)もあった。最近の筆圧は年齢とともにすっかり弱くなっている。万年筆でも黒鉛芯でも軽く書くようになった。以前はそこそこの力を込めて太く濃く書いていた。この方が書いていると実感できたが、今は薄く書く繊細さを噛み締めている。

9852のハードブラックはちょうど良いなめらかさと薄さがある。

■ 消し心地

三菱鉛筆 9852 消しゴム付き

そして消しゴムの消し味にもちょっと驚いた。茶色っぽいこうした鉛筆についた消しゴムというものは一応消せはするが、消し心地がいいという印象は私の中にはなかった。それがどうだろう。消している時の感触は少しザラザラとしたものが伝わってくるが、十分消し取れる。消しカスが少々細かくなるが、まぁそれはいいだろう。

いつも私が使っているシードレーダーと消し比べてみた、9852の方が筆跡がかすかに残っている印象だった。でもこれはこれで消した後の気配が少し残せると前向きに捉えることもできる。何より消しゴムが完全に固定されているので安定した消し心地だ。

三菱鉛筆 9852 消しゴム付き



私は今この9852を本棚のところに常備している。作業机がすぐ近くにあり、そこで文具の撮影をしたり、企画中のサンプルを工作したりといった作業をしている。そこでちょっと書くという時にこの9852はちょうど良い。サッと書き、消すがスムーズにできる。私の作業用鉛筆だ。

三菱鉛筆 9852 消しゴム付き

三菱鉛筆 9852 消しゴム付き

三菱鉛筆 事務用鉛筆 9852(消しゴム付き)1ダース
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