2025.01.21(574)

「ステンレスラミー」

ラミー

ロゴ ステンレス 万年筆

ラミー ロゴステンレス 万年筆

ある意味ですごくラミーらしいペンだと改めて思った。これは18年ほど前に家族でオーストラリア旅行をした際に、シドニーのペンショップで見かけて買ったものだ。長年ペンケースに入れっぱなしにしていたけど、今の私のストライクゾーンに攻め込んでくる一本であると思った。

■ ステンレスなのに美しい

ラミー ロゴステンレス 万年筆

キャップをしている状態でグリップの凹凸が少し見えている。シンプルなフラットのステンレスボディの中で、このグリップが垣間見えていることで全体の印象を引き締めてくれている。もしこれがなかったらただのステンレスの棒というそっけない感じになっていたことだろう。なんでもシンプルにすればいいということではなく、足し引きをして、そこに確かなリズムを作り出しているのは、さすがラミーであると思う。

ラミー ロゴステンレス 万年筆

バネ式グリップの良さは同じ力で初めから終わりまで引き上げられること。根元を押し込んでも広げられる。キャップトップにはそのためのわずかな隙間が用意されている。クリップの接点にはボールがかしめられていて、随所にメカニカルを感じさせてくれる。

ラミー ロゴステンレス 万年筆

ラミー ロゴステンレス 万年筆

■ ペン先もステンレススチール

ラミー ロゴステンレス 万年筆

キャップを引っ張るとパチンと外れ、ステンレススチールのペン先が現れる。ステンレスボディとピタリと息を合わせる素材使いだ。バランスの良さを感じる。キャップは引っ張ったり押し込んだりする嵌合式。こうしたキャップはふつうグリップのあたりにそのための段差があるものだが、これには見当たらない。

ラミー ロゴステンレス 万年筆

嵌合式のパチンを司っている段差はグリップの先端側にある。ここにわずかな突起がある。ラミーアイオンも同じ作り込みをしている。これにより握った時に指先に段差を感じない良さがある。

ラミー ロゴステンレス 万年筆

■ まさにステンレスな書き味

ラミー ロゴステンレス 万年筆

私はキャップはペンの後ろにささないで書く方が好み。さすこともできるが相当に長くなってしまう。そして書いてみる。ステンレスの凹凸グリップを指先で包み込み紙の上にペン先を添えて走らせる。硬い。とても硬い。しなりは全く望めない。

ラミー ロゴステンレス 万年筆

ラミー ロゴステンレス 万年筆

でもステンレスを指先でたっぷり感じている私にはこの硬さは想定内というか予想範囲内という風に受け止められた。ステンレスペン先の硬さがこれはこれで心地よいと思わせてくれる全体のベン作りになっている。



ステンレスなのでほどほど軽く、そしてスリム。とにかくステンレスをあちこちに感じられる万年筆だ。それでいて随所にラミーらしいシンプルさがある。私はとても好きだ。どことなく工具っぽさも感じる。業務用が好きな今の私にしっくりとくる。

ラミー ロゴ ステンレス

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