文具で楽しいひととき
コヒノール
5.6mm 芯ホルダー 5348
一目惚れだった。店頭で見て静かに興奮した。いつもなら、この文具はこういう用途で使えるという、その文具と自分とのつながりがしっかり見えたときに「買おう」と心がけている。でもこの芯ホルダーの場合は用途は全く浮かばなかったのに、今買うべきだと強く確信した。考えみると、いつもこんな感じで私は文具を買って増やしている。。でもいいのだ。文具を買う自由を私は満喫する。
■ 古い道具のような佇まい
これは筆記具というよりも「筆記道具」という言葉の方が合っている。ペンにしては明らかに太い。今この原稿をペリカンのM800で書いているが、それと遜色ないくらいのどっしりとした太さを有している。5.6mmという太い芯で書く時は、軸もこれくらい太い方が手も脳もきっと分かりやすいのだろう。そして私の文具心をガッチリと鷲づかみしたのが、このボディのプラスチックの質感。あくまでも私の勝手なイメージとなるが、今のプラスチックとはどこかが違う気がする。少し落ち着きのある艶であったり、指に吸い付く感覚がとてもいい。ノックボタンの側から見るとかなりな厚みがある。
スパッスパッとナイフで削ったように三角軸。その一つの面は横長の楕円状にフラットになっている。握る位置によって完全なフラットを感じたり、狭いフラットになったりと違うフィーリングを指先に伝えてくれる。ノックボタンを押すとペン先から5.6mmという太い芯がスルスルと出てくる。いわゆるドロップ式で指で押さえつつ出す必要がある。
■ 芯先を自分好みにしてみた
芯先がボディのアウトラインにしては少々ずんぐりとしている。この部分にうるさい私としては気になるペン先だ。芯先に意識の照準を合わせるためには、そこへつながるラインがスゥッと一本の線でつながっていないと、私は落ち着かなくなる。そこを変えてみることにした。キャップの内側に簡易の削り器があるけど、これだと私の望むラインにならなかった。
そこで、ダイゴーすぐログの専用鉛筆の削り器で削ってみた。これが5.6mm芯にピタリとくる。しかもキリリ具合がとても気持ちよくなる。コヒノールのボディラインともピタリとフィットした。
さぁ書くぞと奮い立たせてくれるキリリとした芯先
■ 5.6mmを私の筆記環境に取り入れた
さて、この手強い5.6mm芯をどう実際に使っていくか。大きなA4をノートにしている私でも、これ一本でひたすら書いていくのはちょっと太すぎる。別に同じペンはずっと手にしていないくてもいい。使い分けるというやり方だっていいのだ。私は普段ノートには0.9mmのシャープペンで書いている。その中で、ここはちょっと強調したいという時にこの5.6mmで書いていく。たとえば、タイトルを5.6mmで書く。撮影プランの枠を5.6mmで書いて、内側は0.9mmで書いていく。やってみるとノートにメリハリができてとても見やすくなった。これは大いにアリだと思った。要するに5.6mm芯を強調させる、ちょい使いペンとして取り入れるというものだ。
いつもの4分割の枠組みの線を5.6mmの太い線で書いた
*
当初はこんなに太い芯を私は使いこなせるだろうかと心配していた。自分の仕事環境に落とし込んでみると、チョイ使いということにはなるが確かな活躍の場があった。つい新しいペンを買うと、筆記シーンの中で常に使おうと思いがちだ。でもこうしてちょっとしたシーンだけでもいいのだ。私は(きっと皆さんもそうだと思うが)机の上での文具構成はきっちりと決まっている。その中で、新しいペンを落とし込もうとする時に常時使うペンとして迎え入れるのは意外と難しい。ちょっとした用途であれば、今回のように色々なペンを組み込むことができる。
コヒノール 5.6mm芯ホルダー 5348 私は WRITE & DRAWさんで買いました。
アマゾンでも販売されています。
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