文具で楽しいひととき
ラミー
サファリ ペンシル 0.7mm
ラミーサファリを改めて見直している。
インスタでフォローしている方がサファリの万年筆をとても気持ちよさそうに書いている動画をアップされていた。その様子を見て呼ばれた。文具は呼ばれるものだ。人が使っているのを見ていると、ついついこちらも使ってみたくなる。これまで私はたくさん呼ばれてきた。文具は使われている時が一番輝いている。人が使っている時というのは、つまり文具が一生懸命活躍している瞬間である。その様子を見ているといいなぁと思ってしまう。
ストックしているペンを入れているケースをよっこらしょと持ち出して、その中からサファリの万年筆を取り出した。キレイに洗浄してコンバーターをセットしてインクを入れて再び使ってみた。すると、とてもいいのである。赤のサファリ万年筆は私のファーストラミー。30年近く前に買ったものだ。しかもマイファースト万年筆でもあり、思い出深い1本だ。
久しぶりに手にしてみると、また違った印象を受けた。たぶんそれはたくさんの書き味を知ったからだと思う。私はこのサファリ以降、いろいろな国内外のペンを使ってきた。その結果、私の手や体の中にはたくさんの書き味がインストールされている。万年筆を使い始めの頃よりも幾分肩の力を抜いて付き合えるようになった。たとえば、サファリにはグリップのここを握るようにというくぼみがある。そのクリップにしても違った印象を受ける。以前は、そのくぼみに迎え入れられるままにキッチリと握っていた。ある意味必要以上にそのくぼみに指をしっかり添えていた。これぞサファリだと感じていた。そして今は、一応グリップのくぼみは意識するものの、ここら辺を握ればあとは自分の気持ち良いところに指を落ち着かせるようになった。
そんなゆるやかな付き合い方でしばらくぶりにサファリの万年筆を使い続け、やっぱりサファリはいいなと私のサファリ熱はすっかり再燃した。手持ちのブラックボディ、グレーボディ、さらにはアルスターなども併行して使い出していった。そして、そう言えばサファリにはペンシル(シャープペン)もあるではないかと、ふと思い至った。私はまだ1本も持っていなかった。でも確か、ペンシルは0.5mmしかなかったはずだ。0.7mm派の私としては気になるところだ。念のためウェブで調べてみると、並行輸入という扱いだが、0.7mmペンシルもあった。すぐに注文した。
しかし、サファリペンシルに対して幾つか気になることもあった。
■ 芯の偏減りをコントロールできるか?
シャープペンは書くごとに芯を削り減らして文字を作り出していく。ずっと同じ向きで書き続けていると、竹を刀でスパッと切ったような偏減りという状態になってしまう。それを防ぐべく、私たちはグリップをコロコロと回転させて筆跡が太くなりすぎないように気持ち良い芯先を探っていく。サファリには指を誘い込むグリップがある。このグリップでちゃんとそれがうまくできるのだろうかという心配があった。
試してみた。
まずは、サファリの言う通りにくぼみに指を添えて書いていく。これはこれでとても気持ちがいい。そして当然筆跡が次第に太く、やや淡くなっていく。来たぞ、と思いつつコロコロとやってみた。コロコロ具合は人それぞれだと思う。大胆にゴロゴロとする人もいるだろう。私の場合はほんのわずかにコロっとする派だ。それをこのサファリグリップでやってみた。隣のくぼみに持ち替えるまでは大きく回転させたくない。その間を狙いたい。
サファリのグリップはくぼみとくぼみの間に5mm幅ほどのフラットな面がある。そこに目がめてコロッと指を持ち替えてみた。すると私の好みの芯先がサファリを通じて探り当てられた。サファリはくぼみに指を添えて書くものとばかりずっと思っていた。でもフラットな面も駆使してもいいのだ。正六角軸ではないが、それに近い感じて握っていける。特に私はペン先側よりグリップの上の方を握るので、くぼみの深さは和らいでいてコロコロもしやすい。うん、いい感じだぞ。
■ ワイヤークリップが手にあたらないか?
このグリップコロコロをしていく上でもう一つ気になることがあった。今度は、クリップだ。サファリには特徴的なワイヤークリップが大きく張り出している。コロコロするときに、そのワイヤークリップが人差し指にどうしてもあたる。それが邪魔に感じないか。
それも試してみた。
先ほどと同じように初めはクリップを上に向けてくぼみに誘われるままに書き始めた。そして1回目のコロをする。この時はクリップの先端がわずかに指に触れるくらいだ。まだ大丈夫だ。次のコロの時に完全にクリップが指にあたる。全く気にならないといえば嘘になる。でも大騒ぎするほどではなかった。と言うのも、ワイヤークリップは横から見ると、こちらも少しくぼんでいる。そのくぼみが人差し指のところにうまい具合にフィットする。私のようにグリップの上の方を握ると、特にクリップが指に当たりやすくなる。指に何かがあたっている感触はあるが、慣れていける範囲だと私は感じた。
■ 金属チャック仕様
分解もしてみた。
ペン先のグレーになっているところから外して中身が取り出せる。取り出したペン先を外すと芯を掴んでカチカチと繰り出すチャックがある。それがしっかりと金属製になっていた。これは頼もしい。ここはシャープペンの心臓部だと私は考えている。
分解したパーツをひとつひとつ元に戻し、今度はノックキャップを外してみた。ここには大きな消しゴムがある。ただ繰り出せないので、すでに露出しているところを使い切れば取り替える必要はある。
*
ペンシルを使い始めたことで、ラミーサファリとより密接な関係を築き上げることができた。この白サファリペンシルも赤サファリ万年筆のように30年くらい使い続けていきたい。すると私は、その時80歳になっている。。。
[後記]
私のサファリペンシルだけなのかもしれないが、書いていると芯先がクルッと回転しているような気がすることがありました。内部のチャックはしっかり金属製であるし、なんでだろうと首を傾げてしまいました。ひょっとして黒いペン先パーツごと回転してしまっているのかもと、分解して黒いペン先パーツの先端にマステを一周だけ巻いてセットしてみると、改善したような感じがします。上記のことは私の思い過ごしかもしれませんが。。*あくまでも自己責任カスタマイズです。
ラミー サファリ ペンシル 0.7mm
関連リンク
「カジュアル万年筆」ラミー サファリ万年筆
「小さなボディで楽しむサファリデザイン」ラミー サファリ ボールペン ペトロール
「美しいシャープペン」ラミー ラミー2000 ペンシル
文具コラム ライブラリー
pen-info SHOP