文具で楽しいひととき
ラミー
ノト ホワイト+シルバー
私の日々の筆記生活は、鉛筆、シャープペン、万年筆と共に過ごしている。いわゆるペン先をこすりつける系だ。転がす系のボールペンはほとんど使っていない。宅急便の伝票を書く時くらいだ。だから、私にとってボールペンで書くというのは、今や非日常と言ってもいい。そんな中で、1本のボールペンに惹かれた。ラミーノトのホワイト+シルバータイプだ。この白さにやられてしまった。
今、文具界をグルリと見回してみるとカラー花盛り。様々なカラーのインク、限定カラーのペンなどなど。そうした中にあって、私をかえって惹きつけたのがこのホワイトボディ。この白さ、ちょっと群を抜いている。白いところに置いても断然白いのである。たとえば、ノートの上にポンと置いても、その白さは際立つ。並の白色度ではないのだ。まさに、非日常の白さである。私にとっての非日常のボールペンを非日常の白さで楽しむというのは、この上なく私向きではないか。。
■ 塊感のあるボディ
ラミーノトのボディを手にしてまず思うのが、まるでひとつのプラスチックの塊から削りだして作ったかのような一体感、塊(かたまり)感だ。よくよく見れば、握るところやクリップの付け根には、別パーツであることを示すつなぎ目がある。しかし、そんなことは気にならないくらいに中身がギュッとつまった塊であることを私はなぜか感じてしまう。考えてみると、ラミー2000などでも同じような「塊感」がある。塊感とは、別の言い方をすると、隙のない作り込みと言ってもいいのかもしれない。その塊感は手にして書く時にダイレクトにペンを操っているという心地良い手応えをもたらしてくれる。
もう何年も前になるがラミーノト発売当初に、すぐインプレッションを pen-info で書いた。今回、数年ぶりに手にしてみた訳だが、その時とはまた違った印象を受けることがいくつかあった。
ご存じのように、ボディは緩やかな三角軸をしている。グリップ部分をノギスで計ってみると、正三角形になっている。しかし、それが後軸に行くに従い、二等辺三角形に変化していくのだ。ノックボタン側から見ると、それがよくわかる。ノックボタンを下に底辺とした時に、残りの2辺が少しだけ長い2等辺三角形になっている。クリップを横から見ると、クリップがボディより少しだけ出っ張っている。このためなのだろう。
それから、これは私のあくまでも印象でしかないのだが、グリップの部分(シルバーのところ)がほんのわずかふくらんでいるように感じる。目を閉じて親指とひと差し指の腹をボディに優しく添えて、後軸からペン先にゆっくりと滑らせてみると、先ほどのグリップ部分だけがハリがあるように感じるのだ。私の思い過ごしかも知れない。
■ サラピタな握り心地
ペン先のシルバー部分は、わずかに重くなっている。単色のノトよりも重心も少しだけペン先側にある。私は、親指がシルバーと白の両方に指先がまたがるくらいのポジションで握る。ふだん万年筆を使っているので、ちょっと中央よりを握るクセがある。そのスタイルでノトを握ると、先ほどのポジションになる。シルバーはツルツルとザラザラの間の少しツルツルよりの、言わばサラサラとした感触。白いところはザラザラとしている。私のポジションで握ると、2つの感触がある。シルバーはピタリときて、ホワイトはサラッとした感触。「サラピタ」なグリップとなるのだ。
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ラミーノトだけを見ていてもあまり気付かなかったが、他のペンと一緒に並べるとノトは少しばかりボディが長い。書く時もほとんど感じない。ただ、ポケットにペンをさす時にはたと気付く。ポケットからペンの頭が少し飛び出してしまうのだ。まぁそれでもクリップで固定できているので、大丈夫なのだが、クリップの根元までは固定できない。その時には、ノトを少し斜めにしてポケットにさすといい。私はノトが発表されたとき、そのクリップの形そしてノックボタンの平たいフォルムからサムライの刀を感じた。こうしてポケットに斜めにさすと、より刀っぽく見えてくる。
*ラミーノト ホワイト+シルバー 2,000円+Tax
私は、仕事で福岡に行った際に、「アイデアスイッチ」さんで購入しました。
2018年6/29〜7/17、梅田ロフトにてイベント「文房具の女子会」が開催されます。
その中で、「WHITE TOOLS」というコーナーをディレクションしました。今回のラミーノト ホワイト+シルバーをはじめ、色々なホワイトボディペン・ステーショナリーがズラリと並びます。
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