文具で楽しいひととき
ラミー
ピコ クローム
なぜだかわからないが、私は左手をズボンのポケットに入れていることが多い。歩いているときや電車を待っているとき、フト気づくと左手を入れている。右利きなのにどうしてなのだろう。。利き手はなにかと忙しく動かすことが多いので、左手は休ませてあげているのだろうか。。。
最近、その左ポケットによく入れているのが、このラミーピコ。
■ ペンの携帯は上半身から下半身へ
ラミーピコは、クリップを持たず、ボディがとても短い。ワイシャツのポケットにさすという、これまでの携帯スタイルはとれない代わりに、これまでペンを入れづらかったズボンのポケットには入れやすくなっている。そう言えば、ドクターラミー氏は、このラミーピコがとてもお気に入りでスーツの腰の位置にあるポケットにいつも入れていると話していた。
考えてみると、これまでのペンを携帯する位置はYシャツの胸ポケットやスーツの内ポケットなどどちらかと言うと上半身系だった。ラミーピコの場合は、ドクターラミー氏のスーツのポケットだったり私のようにズボンのポケットだったり下半身系になっている。上半身から下半身へ。これが今の時代の流れなんだと思う。
職種にもよると思うが、最近は仕事で必ずしもスーツにネクタイということでもなくなってきている。ポロシャツやTシャツなどポケットがない服を着ることもある。これまでは上半身のどこかしらにポケットがあったが、今は服によってはないこともある。
そんな時でもズボンをはかないという人はたぶんいないと思う。そのズボンのポケットにペンを収納できれば、服装によって今日はペンを持たないということもなくなる。下半身ペン収納というスタイルは仕事で着る服に左右されずにペンを携帯できる方法なのだ。
■ ポケットに入れやすいフォルム
ラミーピコは、コロッと角がないフォルムをしているので、ズボンのポケットに入れていてもほとんど気にならない。
ズボンのポケットにペンを入れていることすら忘れてしまうくらいの自然さだ。私はクロームタイプとマットブラックタイプのラミーピコを所有している。
握り心地という点ではマットブラックの方が指先にフィットしていい。クロームタイプは、ボディがサラサラしているので、握りの収まりが少々悪い。しかし、ポケットの入れ心地という点ではクロームに軍配があがる。
サラサラとしたボディがポケットの中でもフレキシブルに動き回る。歩いている時、椅子に座っている時など体勢が変わってもピコのクロームはポケットの中のいいところに動いてくれる。マットブラックだと、ポケットの中の収まりが固定化されてしまう。
私の場合は、ラミーピコで長い文章を書くということはなく、ちょっとメモをするという使い方がメイン。なので、握り心地よりポケットの収まり心地を優先してみた。
■ サッとノックできる
このラミーピコ、ポケットの中での操作性が実によく考えて作られている。たとえば、ポケットに手を突っ込みピコを握っても取り出す時は、必ずノックボタンの側に親指を添えて取り出せる。つまり、ブラインドでもペンの前後がちゃんとわかるのだ。
目印というか「手印」は、ノックボタンの側が少しガクンと細くなっているところ。
それを頼りにすれば、ポケットから取り出すやいなやすぐさま親指でノックを押せる。ノックをグイと深めに押し込むと、ピコなのに「ポコ」という音がしてボディが伸びてペン先が出てくる。
■ しっかり握れる工夫
先ほど、クロームタイプはサラサラボディのせいで、握り心地が不安定であると言ったが、これにはひとつ対策がある。握る際の指がかりになるのが、ボディにある「LAMY」のロゴプレート。
このプレート、握ることを想定しているとしか思えない。と言うのも、プレートがなだらかなフォルムをしているのだ。ただのプレートなら、フラットにするところだろう。握りの助けだと思うのには、もう一つ理由がある。わざわざこのプレートがややペン先側にあるのだ。
私は書くときに親指をこのプレートに添えると。こうすると、サラサラグリップが少しばかり落ち着く。
普段はシャープペンをよく使っているが何かの申込書に記入する時などボールペンでないといけない場面がある。シャープペンをメインに時々ボールペンという使い方の私にこのラミーピコはちょうどよい。
■ 記事作成後記
*こうしたショートボディのボールペンというとリフィルが4Cタイプという短いものが主流です。ラミーピコは独自のM22というリフィルを採用しています。
見るからにインクがタップリ入っているのでリフィルの交換頻度が少なくて済みそうです。単機能ペンだからこそできた点とも言えそうですね。
*このラミーピコはプレゼントアイテムとしてもいいです。ずいぶん前に妻にレッドタイプをプレゼントしました。
*以前、知人に見せてもらったラミーピコのブラック。その使い込まれようがすさまじく、塗装が剥がれて内側が見えています。なんともヴィンテージなピコです。
□ ラミー ピコ クローム は、こちらで販売されています。
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