文具で楽しいひととき
トンボ鉛筆
XPA
まず、トンボ鉛筆社のデザイン性の高いステイショナリーへの取り組みについて紹介したい。第1回目のISOT(文具の展示会)の時なので1990年、私ははじめてトンボのZOOMシリーズを目にした。その時のインパクトはとても強烈だった。
■ トンボ デザインコレクション
調べてみたところ、それ以前の1986年からトンボは日本のメーカーには珍しく書き手の個性やこだわりにふさわしい斬新なデザインへの取り組みを始めていた。日本では残念ながら、知る人ぞ知るという存在だった。
むしろ海外での評価が高く、ヨーロッパではそのシリーズの1つであるZOOM707がドイツ国際デザイン賞の「DESIGN PLUS」などいくつかのデザイン賞を受賞している。日本よりもドイツをはじめとするヨーロッパで高い評価をされている。
本体の説明に入る前にパッケージに注目したい。これが本体に劣らず結構いい感じ。
どことなくラミー社にイメージが似ていないでもない。ブラックのマット調の紙製のボックス。右下には9個ドット(穴)を配してシンプルにまとまっている。
■ まるで工具のよう
XPAをはじめて見た人は、はじめペンとは思わないかもしれない。それくらいユニークなデザインをしている。
ペンというよりも、たとえるなら何かのパーツか工具といった印象だ。手にしてみると、それほど重さはなく、(21.7g)手触りは、金属感があふれ、つや消し独特のちょっとざらざらして手にフィットする感じ。
■ 引っ張るとペン先が出てくる
使用しない時はペンの長さが105mm。書くときはペン先の反対側を引っ張る。するとボディが伸び、それと同時にペン先が繰り出される。そして全長129mmという書くのにちょうどよい長さになる。
ペン先をしまうには、先ほどの逆の要領で行えばよい。ボディを縮めていった最後にカチッとクリック感があり、ペン先が収納される。ポケットなどにしまっている時に、ペン先が不用意に出ないような安心設計になっている。
ペンにはクリップはなく、その代わりにヘッド部に穴が1つあり、ペンダントのようにひもをとおして首にかけたり、キーホルダーにつけたり、携帯電話ホルダーにつけたりと、これまでのペンとは違った使い方ができそう。私は普段そのままポケットに放り込んで使っている。
日本の文具デザインもいよいよ世界レベルになってきたと感じさせるユニークなペンでした。
*残念ながら「XPA」は、廃盤になっているようです。。
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