2024.07.09(561)

「安心の包まれ感」

ビルケンシュトック

ロンドン

ビルケンシュトック ロンドン

ソールを交換しつつ長いもので10年ほど愛用しているビルケンシュトック ロンドン。靴を休めることも踏まえ3足を取っ替え引っ替え日々履いている。残りの人生をこの3足で行けるところまで歩んでいくつもりでいる。靴は消耗品ではないと気づかせてくれた。流行とかは全く気にせず、この3足をひたすら履き続けていきたいと思っている。物を大切にできているという心の満足感、そして包み込まれた足の心地よさを味わいつつ。

ビルケンシュトック ロンドン

■ 機能的な武骨デザイン

ビルケンシュトック ロンドン

つま先が広がった独特なフォルム。これは好き嫌いがハッキリ分かれると思う。私も随分前はあまり好きではなかった。でもある時急に気になる存在に変わった。これはこれでなかなか格好いいではないかと思うようになった。好きでないという感情はいきなり逆にふれることがあり得る。

ビルケンシュトック ロンドン
これはサンダルのチューリッヒ。インナーソールの形は同じようだ

このフォルムに足を入れた時に指がとても楽ちん。指先をすぼめることなく自然な状態でいられる。たとえるならソファに体をすっかり預けて完全にリラックスしている状態のような。歩き出す時にその自由にしている指先が地面をぎゅっと掴むようにインナーソールを掴む。それがしやすいインナーソールの形になっているのだ。指の付け根のところが少し立体的に立ち上がっている。ペンのグリップではないが、足のグリップがいい。

■ 包み込まれ感が心地よい

ビルケンシュトック ロンドン

ロンドンはベルトでとめるようになっている。スニーカーでスポッと足を入れてトントンとやることに慣れていたので、当初はいちいちベルトをとめ、脱ぐときも外すのが面倒だった。それでも次第に慣れていった。いまでは数秒でできるように上達した。この面倒なベルトは大いにやる価値がある。ベルトをピタリととめると足の甲がフィットして足が包まれたような心地になる。そして足を運びやすくなる。

ビルケンシュトック ロンドン

ビルケンシュトック ロンドン

■ ソール交換ができる

ビルケンシュトック ロンドン

そしてこれが私がビルケンシュトックでこれから人生を歩んでいこうと決めたポイントである。ソールの全てを取り替えても7,000円ちょっと。私の使用頻度では数年に一回くらいのペースで交換している。



インナーソールはコルク素材が使われている。決してクッションがいいものではない。でも履き込むうちにわずか自分の足に馴染んでいく。ソールだけ交換して馴染んだはき心地をずっと味わっていける。考えてみると、万年筆のペン先が馴染んでインクだけをひたすら入れていくのに似ている。私はこういう道具との付き合い方が好きなんだと改めて思った。

それに自分という存在と外界をつなぐ存在を私は大切にしている。その意味でも靴と万年筆のペン先はその境界線にある。

ビルケンシュトック ロンドン

後記

本記事の中で登場しているブラウンの裏革のようなタイプは、実は当初スムースレザーだった。それが残念なことにある時、表面に亀裂ができてしまった。捨ててしまおうかとも思ったが、しばらくそのまま履いていると、その亀裂がどんどん広がり、ペラリと剥がしていけることがわかった。全てを剥がしてみるとザラザラとした表情が出てきた。これはこれでいいではないかとソールを交換しつつ履いている。ただ、雨の日には水が染み込んでしまうが。。

ビルケンシュトック ロンドン
こちらが新品のスムースレザー

ビルケンシュトック ロンドン
そしてこちらが表面を剥がしたもの

ビルケンシュトック ロンドン

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