文具で楽しいひととき
シンワ
ファイバー折尺 5折1m
折尺がぐっと身近に感じるようになったのは、とあるヴィンテージ家具屋さんだった。大きな倉庫にはヨーロッパのおそらく食堂などで使われていたであろう素朴な家具がドンドンと重々しく展示されいた。その間を体を横にしてすり抜けていると、その先に雑貨を集めたコーナーがあった。木箱の中に無造作にドサドサと積み上げられていたのが、折尺だった。様々な現場をくぐり抜けてきた折尺には一つ一つにどこかの社名が印刷されていた。買いそうになった。あと一歩のところで踏みとどまったのはちょっとばかり大きすぎたからだった。1折が30cmくらいあった。でもこれもある意味文具だよねと、私の心に確かな爪痕を残した。
■ ちょうど良い長さ、しかもブラックがあった
業務用感溢れるパッケージ
いつも行くホームセンターをぶらぶらしていて、様々な巻尺などの測りものコーナーがあった。種類は少なかったが折尺も並んでいた。1折が20cmのちょうど良い長さのものがあった。ただ色が黄色だった。これが白だったらと一度は手にしたパッケージをフックに戻した。家に帰ってからアマゾンでチェックしてみると同じサイズのブラックがあるではないか。白を探していたけど黒もいいじゃないか。むしろ目盛りの視認性が良さそうだ。
■ スイス製だった
シンワという日本のメーカーのもの。このメーカーのノギスやメタルのスケールなどを持っている。測りものの専門メーカーのようだ。よくよく折尺を見てみると「SWISS MADE」とあった。指を這わせると一つ一つの目盛り・数字が彫り込まれた上で着色されていた。激しく使ってもきっと目盛りはそう簡単には消えてしまうことはないだろう。
折尺を広げてみた。音はほとんどせず、私にだけわかるクリック感が手に伝わってくる。90度、180度のところでピタリと固定できるようになっている。
完全に広げきると1mまで伸びる。持ち上げると釣竿のように少しだけたわむ。
巻尺よりも長いものを測るときにそこそこビシッとしているので扱いやすい印象がある。ただドアの幅といった限られた所を測るときには折尺はやりづらい。この場合は巻尺の方がいい。それぞれに得意分野がある。
私はもっぱら30cm以上のものを測るときに使っている。A4より少し大きいPaper DockやエアフォルダーPageなど、企画中の商品サンプルを測るときに役立っている。30cm定規を補完するという役回りだ。
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もうひとつコンパクトでやはり1mまで伸びるタイプもあった。でも私はポケットなどに入れて携帯することはない。デスクの上で使うのが中心。小さい必要はない。小さいと折りも7折と広げるのに手間がかかる。私には1折20cmで5折というこれがちょうど良い。広げると段差があるので線を引くのには適さない。あくまでも長さを測る専門だ。
シンワ ファイバー折尺 5折1m
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