文具で楽しいひととき
中島重久堂
鉛筆削りNo.531s
手元にあるいくつもの鉛筆削りと対峙して、もうたくさん持っているのだから、これ以上はもう必要ないのじゃないか。そう思うことがある。
何も私は手当たり次第に鉛筆削りを買い集めてきた訳ではない。それぞれにちゃんと用途や個性があるのだ。私なりに使い分けているつもりだ。ただ、最近はカール事務器のエンゼル5ロイヤルを定番鉛筆削りとして日々使っている。今回紹介する中島重久堂のNo.531sは、外での使いやすさがある。これはエンゼル5ロイヤルとは別ものだと考え、鉛筆削りファミリーに迎え入れることにした。
■ キリリとした芯先
鉛筆を穴にさし込んでグリグリと回転させるタイプ。このタイプには珍しく、そして価格も400円+Taxというリーズナブルなのに、削り仕上げがキリリとしているのだ。削り立てホヤホヤの芯先を見ると、スッとした長さがある。まるでハンドルをクルクルと回すタイプで削ったようだ。芯の細さと長さがちょうどよい案配。この芯のキリリ具合と同じくらい私が鉛筆削りにおいて重要視しているのが木肌のなめらかさ。ここがなめらかな方が断然よい。ここがザラザラしていると、私の気持ちまでザラザラとしてくる。この鉛筆削りでは、サラサラとなめらかに仕上がる。
本体の内側には長い刃がある。こうした手持ち式の鉛筆削りでは刃は一本のネジで固定されているものが多い。これは長い刃のせいか2本で固定されている。この刃の長さ、そして角度によってあのキリリが生み出されるようだ。
カール事務器のエンゼル5ロイヤルで削ったものと比べてみると、木と芯の長さはほぼ同じ。ただ、エンゼル5ロイヤルならではの弓なり状のスリムさはない。アウトラインはまっすぐ。
左が中島重久堂No.531s、右がカール事務器エンゼル5ロイヤルで削ったもの
KUMのマスターピースと比べてみた(右端)。マスターピースは先ほどの2つよりグッと長い削り仕上げだ。
■ 削り仕上げが選べる
ケースをよくよく見てみると、内側に突起がある。はて、これはなんのためだろうと、考えていてその意味が分かった。カバーケースを外して上下反対にしてセットすると、ちょうどその突起が鉛筆削りの刃の先にくるのだ。突起はストッパー的な役割を果たし、削り仕上げが少し短めになるのだ。
左が突起を下にしてストッパーを効かせた削り仕上げ。先端の尖りがやや緩やかだ。右は突起を上にしているので、キリリとシャープに仕上がる。
カバーのセットの仕方を替えるだけで、削り仕上げが選べるようになる。以前はとにかくキリリと芯先がいいと思っていたが、いざ書こうとするとポキッと折れることが多かった。最近はあまり尖らせない削りの方をむしろ好んでいる。
■ 外で使いやすい
今回私がこの鉛筆削りを迎え入れたのは、外で使うためだ。この鉛筆削りはケースで覆われている。私が買ったタイプはスモークガラスのように落ちついた色合い。鉛筆削りで大人っぽいものは少ないので、その点でも私は気に入っている。
これをいつも持ちあるているリュックのポケットに鉛筆と共に忍ばせている。それまでは鉛筆を外で削る必要がないように何本かの鉛筆を持ち歩いていたが、この鉛筆削りがあればすぐキリリと削れ、削りカスも中にためておける。ただ、ケースで覆われているとは言え、穴から削りカスが出て来てしまうので、リュックに入れる時はマステで穴をふさいでいる。
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こんなにキリリと削れるのに400円+Taxというリーズナブルプライスなのはうれしい。中の刃は交換もできるようになっている。刃単体ではなく中の鉛筆削りそのものを取り替える仕組みになっている。No.200というタイプを使うそうだ。交換方法は少しコツが必要。鉛筆削りの後には凹みがあって、そこを指先でグイと押し込む。すると中の鉛筆削りが押し出される。まだ当分は必要ないが交換しつつ長く使っていきたいと思う。
中島重久堂 鉛筆削りNo.531s
中島重久堂公式サイト
*東急ハンズ ネットストアでも販売されています。
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