文具で楽しいひととき
ビクトリノックス
マルチツール クラシック
アーミーナイフやマルチツールはいくつも持っている。
その中で結局のところ一番よく使っているのが、この手のひらにすっぽりと収まる小さなビクトリノックス クラシック。キーホルダーに付けたり、書斎には机の引き出しの中だけでなく、すぐ手に取れるように壁に掛けていたりもする。旅行の時には必ずスーツケースに入れていく。小さいのに、いやこの場合は小さいからこそ便利と見るべきなのかも知れない。持っていても気にならないし、いざという時に便利に使える。小さいながらもビクトリノックスらしさがギュッと凝縮されている。一番古くから使っているブラックのタイプはかれこれ20年の付き合いになる。
■ 一番よく使うのはハサミ
機能としては、絞り込まれている。スモールブレードという刃、やすり、ハサミが本体から繰り出される。それからボディにはピンセットと爪楊枝が内蔵されていて、引き出して使う。その中で、私が一番よく使っているのが、ハサミだ。何に使うかというと、ズバリ爪切り。爪はパチンパチンという音を立てる爪切りで切るのが一般的だ。ハサミで切るなんて・・・と思われるかもしれない。しかし、これがとてもいいのだ。
パチンパチンというタイプだと切った爪がどこかに飛んでいってしまうことがあるが、このハサミだとそうしたことはまずない。そして切りながらクルリと刃先を動かしていくことで爪の形あわせてキレイに切れる。そして、なにより切れ味がよいのだ。ハサミのハンドルには内側に板バネが仕込まれているので、チョキンと刃先を閉じてもバネが効いてすぎに刃先が開いてくれる。その操作感も快適。私はここ20年くらいずっとこのクラシックで爪を切り続けている。
また、爪だけでなく買った洋服のタグを切り取る時も重宝する。
■ ちょっとしたものを切るスモールブレード
本来はこのスモールブレードの方がメインツールなのだろう。しかし、私は圧倒的にハサミの方をよく使う。とは言え、たまにスモールブレードも活躍してくれる。たとえば、段ボールを開ける時にとめられたテープをサッーと切る時など。旅先で鉛筆の芯が折れてしまって、これで削るということもある。削りやすいとは言い難いが、一応目的は果たせる。
本体に内蔵されているツールの爪楊枝はこれまで一度も使ったことがない。私は楊枝派ではなく「フロス」派なので。ピンセットの方は指先にとげが刺さった時にこれで抜いたこともある。
やすりツールの先端はどうやら二つのタイプがあるようだ。私の持っているブラックの方は先端にはとくになにもないが、ホワイトの方は簡易マイナスドライバーとしても使えるようになっている。
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結局、私はこのクラシックでハサミばかりを使っている。ビクトリノックスのミディアムサイズにもハサミは付いているが、このクラシックの方がハサミが妙にしっくりくる。ミディアムサイズだと本体の大きさのわりにハサミが小ぶり。しかし、このクラシックは本体とハサミの大きさのバランスがとれている。だから、操作感もよいような気がする。
機能としては絞られているし、とても小さい。小さい中の最小限というツールである。だからだと思うが、このクラシックを道具が限られている旅先なので色々な用途で使っていると、心の中に小さな満足感がわき起こってくる。これは最初からたくさんの機能が備わっているツールだとちょっと味わえないタイプのものだ。限られている機能を最大限活かしているというのが大事なんだと思う。クラシックにはそんな良さがある。
そうそう、私は女性の方へのプレゼントによくこのクラシックを使う。ネイルのケアにもいいし、この小ささが女性に結構気に入ってもらえる。
ボールチェーンは、自分で入手して取り付けている
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