文具で楽しいひととき
デルフォニックス
Bolla ストレージボックスM
ケースというのは脇役である。
ペンケースであれ、カメラケースであれ、主役は中に入っているもの。あくまでもケースはそれを守るのが一番の役割である。でも、これは主役級の存在感がある。ふつうは何かを入れる主役のものが先にあって、次のステップとして、それを入れるケースを買うものだ。でも、私はこのケースを先に買い、その後で入れる物を考えるということをしてしまった。
モノというものは、それを入れる器が増えるとその分だけ増えていくと常々考えている。結局のところ、私たちは空間がそこにあると、それを埋めようとする本能があるのだろう。だから私はモノを増やさないようにするため、その大元を断ち切る意味で入れものとしての器を必要以上に増やさないように気をつけている。
なのに買ってしまった。たまにはこういうこともある。まぁこのケースにはそうしたことを打ち破ってしまうくらいの魅力が私にとってはあったということなのだろう。
■ ガッチリとした作り込み
ひとたび中に入れたらしっかりと守ります!と言わんばかりの見るからに頑丈そうな外観。いかにも肉厚そうなプラスチックが使われ、その表面には縦横にかたどられた立体ラインがあり、頑丈ということを視覚的にも伝えてくれている。
手にすると、これが意外と軽い。武骨な印象のちょっと怖そうな人物が、話してみると意外に優しい人だったという感じである。
幅広の留め具をグイと手前に引いてロックを解除する。買った当初はこれがかなり硬い。何度も開け閉めをしていると段々開けやすくなっていく。
■ 中にはウレタンクッションで優しく保護
開けてみると、メインの収納スペースのみならず上ブタの内側にまでウレタンクッションがギッシリと敷きつめられている。
人は空間があると、それを埋めようとすると先ほど触れたが、これはその意味でいくと中にウレタンがギッシリと詰まっているので、空間はないとも言える。。確かにあまり埋めようという気持ちは芽生えず、入れるとしてもほどほどにしようという気分に落ち着いていく。私のようにモノをあまり増やしたくない人にはいいかもしれない。
メイン収納スペースのウレタンクッションはブロック状に切り離せるようになっている。入れるモノの形にあわせて専用の空間を作ることもできる。ただ、ブロック状のウレタンを外しただけでは底のプラスチックが見えてしまう。そこにモノを入れると直接プラスチックに触れてしまうのだ。そこで、私は外したウレタンブロックを横にしてその底に敷きつめてみた。こうするとペンを入れても上下左右からウレタンで守られる。ちなみに外したブロック状のものはちゃんと元に戻すことも可能だ。
デルフォニックスの説明によると、防水・防塵機能付きだという。そこまでハードな使用シーンは私の場合はないと思うが、保険の意味で安心ではある。たしかに口の所にゴムパッキンがグルリと巻いてある。
また、留め具の下にあるダイヤルを回すことで中の気圧まで調整できるという。
*
さて、このヘビーデューティなケース、何に使ったらいいだろうか。
私は、こうしようと思う。ヘビーデューティなケースではあるが、ごくふつうのモノを入れていくのだ。たとえば、鉛筆を数本、鉛筆と鉛筆削り、消しゴム数個、また、シャープペンとシャープペン芯などなど。ガッチリとしたケースを開けると、中からごくふつうの文具が入っているというギャップが楽しいではないか。
デルフォニックス Bolla ストレージボックスM 2,800円+Tax
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