2018.04.03(403)

「鍵や財布にも居場所を」

木のトレイ

木のトレイ 鍵 財布 スマホ

さぁ出かけようとした時、アレ鍵どこいったけ?スマホはどこだ?と探すことはないだろうか。以前の私は、いつも出がけになって何かしら探していた。急いでいる貴重な時間を使ってあちこちを探し回り、ようやくあったかと見つけダッシュで出かけるという日々。50代にさしかかって、なんでいつも出かける時になって私はアタフタと探してばかりいるのだろうとフト思った。もっとゆったりと青空を眺めたり、木々の緑を見たりしながら出かけたいものだと。

文具においては、探したいものがサッと手にとれる。ペンはツールスタンドに上から使用頻度の高い順に並べ、書類はリーガルエンベロープやハンギングフォルダーに入れ、それぞれの居場所が決まっており、そこを見ればいい。それなのに鍵やスマホ、財布には、そのための居場所がなかった。そこが問題なのだと気づいた。

そこでトレイというものを使うようになった。自宅の書斎にひとつ、そして事務所の本棚にもうひとつ。

■ しっかりした木のトレイ

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当初は、PUなど合成皮革製でパチンパチンと四隅を留めて固定するトレイを使っていた。広げてフラットにもなるので出張の時にも使えて便利だった。ただ、出張というものは年に5〜6回程度しか行かない。割合から言ったら日々生活の方が圧倒的に長い。持ち運びやすさよりも、日々の快適さこそ優先すべきではないかと考え、しっかりとしたトレイに替えてみることにした。探してみるとこれがあまり選択肢がない。どれも小さく鍵をチョコンと置いておくにはよい程度のものばかりだった。財布やスマホなども置けるもっと大きいものはないだろうかと探していたところ、上海出張した際にクライアントのライフスタオルショップでいいものを見つけた。木製の料理を載せるお皿だ。素材はアカシアのようだ。大きさは財布や鍵、スマホを置いても余裕があって申し分ない。そして、トレイとして私が求める取り出しやすさもある。つまり、あまり深くなく、それでいて浅すぎないということだ。ショップでこれを見つけた時はとりあえず、ひとつだけ買ってみた。というのも、あくまでも料理のお皿だったので、私が求めるトレイとしてしっくりくるか心配もあった。帰国後事務所で使ってみると、キーホルダーを置いた時の木製ならではのカランという音も心地よく、使い勝手もすこぶるよくすっかり気に入ってしまった。もうひとつ自宅の書斎用に買っておけばよかったと、悔やまれた。

木のトレイ 鍵 財布 スマホ

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頭の片隅に同じような木のお皿がないものかと、ライフスタイルショップに行くたび、それこと目を皿のようにして木の皿を探した。しかし、なかなかピタリとくるものに出会えずにいた。そうした中、思わぬところで出会えた。青山のFOUND MUJIだ。形こそ正方形ではなかったが、木の材質やトレイとしての絶妙な浅さもほぼ同じだった。これでトレイのウッド化が完了した。

木のトレイ 鍵 財布 スマホ

木のトレイ 鍵 財布 スマホ左が上海で購入したもの、右側がFound MUJIで購入したもの(ちょっと浅めです)

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■ 必要なモノを確実に移動

私にとって、これらのトレイは日頃携帯している財布や鍵などの置き場所である。と同時にA地点としての自宅からB地点としての事務所に移動させるための停留所や駅といった位置づけでもある。当初は財布や鍵のためだけのスペースだったが、次第にそれ以外のものも置くようになった。それはこの2地点で必ず移動すべきものを置いておく場所にもなっていった。

たとえば、明日は取材があるので事務所にラミーピコを持って行こうとなれば、ピコを自宅のトレイにコロンと置いておく。また、逆に事務所から家にデジカメの予備バッテリーを持って帰ろうとなれば、やはりコロリとトレイに置いておくという具合だ。そして、移動する直前になって鞄に入れる。ならば、始めから鞄にしまっておけばいいじゃないかというご意見もあるかもしれない。たしかにそれでもいいと思う。ただ、すぐ鞄に入れてしまうと、その存在のことをすっかり忘れ去ってしまうことになる。トレイは移動の直前に、財布や鍵と一緒にそうだそうだ、このピコあったっけと必ず目と手で触れ思い出せる。そのメリットは意外と大きい。それでいて、朝出発するまで、そして夕方帰るその瞬間までそのモノのことから完全に解放される。たまにモノだけでなく「帰りに牛乳を買う」というメモもここに置いておく。そうすると、忘れずに買って帰ることができる。言わば、帰る時の自分に伝える伝言板のような位置づけである。

木のトレイ 鍵 財布 スマホ

木のトレイ 鍵 財布 スマホポストに投函すべき封筒もこうして置いておくと忘れずに済む



力を込めて「木のトレイ」について語ってしまった。それだけ、私は頼りにしている。なにもトレイなど使わずとも、机やテーブルにそのままチョコンと置いておけばと思われるかもしれない。しかし、ちがうのだ。それだとどうしても他のモノといっしょくたになって、見つけづらくなってしまう。他のモノと同化してしまうと言ったらいいだろうか。トレイという境界線があることが重要なのだ。区切られているから見つけやすくなっていく。そして、モノが整えられたという印象にもなる。

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