文具で楽しいひととき
ANDADURA
ペンケース
紙は簡単に折ったり、切ったりができ、逆に、鉄はおいそれとは曲げられない強さがあったりとそれぞれの材質には、それならではの素材の力というものがある。このペンケースを見たとき、革という素材の力をとても感じた。ANDADURA(アンダデューラ)のペンケース。
ANDADURAは以前、独特なフォルムのコインケースを紹介したことがある。
そう言えば、あのコインケースも革でこんなフォルムも作れるんだと素材の力を感じた。今回のペンケースでは革が持つ柔軟性に加え、復元力という点も認識させられた。
■ ふくらみには理由がある
外観としてはジッパーで開閉するそれ自体はよく見かけるタイプだ。
ただ、このペンケースの中には一本もペンが入っていない。それなのにまるでたくさんのペンを詰め込んだかようにパンパンに膨れあがっている。
膨れあがりすぎてペンケースが少々反り返っているくらいだ。ジッパーをスライドさせて開けてみる。
すると、抑えつけられていたものが自由を手に入れたかのようにペンケースの口がじわりじわりと広がっていくのだ。ペンは一本もなく言わば空気しか入っていないのにパンパンにふくれていた理由はペンケースの口がもともと広がるように縫製されているからだ。
そのため、ジッパーを閉めると口が広がろうとする力が働いてあの絶妙なハリを生み出していたという訳なのだ。
考えてみれば、ペンケースはジッパーを開いたら次にすることは、中のペンを取り出すことである。これまではジッパーを開いてその口をグワッと手で広げてペンを取り出すことが多かったように思う。
この「グワッ」がなければ、ペンへのアクセスもコンマ数秒速くなる。ANDADURAのペンケースはジッパーを開けると、さぁ、どうぞペンをお取り下さい、とペンケースが語りかけてくれるようでもある。
ANDADURAでは、このペンケースの他に財布やカードケースなど色々なレザープロダクトを展開している。
改めてそれらを見てみると、そのほとんどが同じようなふっくらとしたハリがある。
閉じている時はふっくらと美しく膨れあがっていて開けると、中のものが取り出しやすくなる。
ANDADURAのデザイナー山本祐介さんは、革の持っている素材の力をうまく引き出す人だと感じた。
* ANDADURA ペンケース 6,200円+tax
ANDADURA
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