文具で楽しいひととき
小さな試験管
インクボトルに万年筆のペン先を静かに沈め、インクを吸い上げている時、肥後守で鉛筆をザクザクと削っている時、机の上という小さな世界ではあるが心が満たされていく満足感がある。早く万年筆のインクがなくならないかな~、そろそろ鉛筆を削るかな。。。なんてついつい思ってしまう。
なのに、なのにである。シャープペンの芯交換はそれほど心躍るものがない。ただただ作業として行うだけだ。その理由にシャープペンの芯ケースというものがあるのではないかと思う。
各メーカーの方々には悪いが芯のケースというのはあまり素敵なものがない。それに芯を出すのがやりづらいというのもある。日頃からシャープペンをよく使っているので、この芯交換をもっと心から楽しめるものにできないだろうか、あ~早く芯の交換をしたいな~と思えるようにできないか、と考えた。
■ そこで目をつけたのが小さな試験管
理科の実験で使うものだ。この試験管を芯のケースにしてみることにした。実は、このアイデアにはあるきっかけがあった。数年前にドイツに行った時、manufatumというショップで1.18mmの芯ホルダーを買った。この替え芯のケースがまさに試験管のようなフォルムだったのだ。
小さいガラスの試験管に封じ込められている芯というものもいいものだと思った。ちなみにこの芯の長さは3cmくらいと大変に短くケースの試験管も5cmほどと小さいものだった。このサイズではシャープペンの芯を入れるには短すぎる。そこでアマゾンで「小さな試験管」と検索してみた。
■ シャープペン芯にジャストサイズ
すると、よさそうなものが出てきた。長さは7.5cmとあった。手持ちのシャープペンの芯を計ってみると大体6cmくらい。長さとしてはピッタリだ。3本セットを注文してみた。
届いたものに早速シャープペンの芯を入れてみると、これはもともとシャープペンの芯を入れるために作られたものではないだろうか、というくらいにピッタリだった。
もちろん素材はガラス製の本格派。私は、0.5mm(HB HARD)0.7mm(B)、0.9mm(B)の芯を使い分けている。ちょうど3本セットを買ったのでそれぞれを入れてみた。どの芯が入っているかがわかるようにラベルを貼った。
透明度もクッキリしていて中の芯の様子もよく見える。
芯の残量も確認しやすいのもいい。と言うのも、メーカーのケースはロゴやら商品名がケースに大きく印刷されていて残量が見にくかった。これからは芯の買い時もわかりやすくなる。
芯交換をする時、この小さな試験管を手にとりコルクを引き抜く。すると、小さいながらも小気味よいポンという音が少しだけする。試験管から芯を数本取り出しシャープペンに補充する。
机の上の世界の楽しみがまたひとつ増えた。
■ 記事作成後記
実は、以前から試験管というツールには心惹かれるものがありました。ふつうサイズの試験管(東急ハンズで購入)にペンを入れて、ディスプレイ用として使っています。コルクで栓を閉めると密閉された中にペンが収まって、いつもとは違うペンの姿が楽しめます。
小さな試験管 3本セット
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