文具で楽しいひととき
ありんこオフィス
電車で通勤していたころは、あぁ自宅で仕事ができたらどんなに楽だろうかと思ったものだ。その後、独立を果たし自宅の書斎をベースに仕事をはじめた。念願だった電車通勤のない生活を手に入れることができた。しかし、現実はそれほど甘くはなかった。1日ずっと自宅で仕事をしていて、仕事が終わったあとに、よっこらしょと椅子から立ち上がり10歩くらい歩いて書斎からリビングルームに行き食事をする。
満員の通勤電車に乗らなくていいというのはそれはそれでとても楽でいいが、通勤10歩というのもあまりにも変化がなさ過ぎる。次第に自宅だけでなく、外へ出てカフェなどで仕事をするようになっていった。その頃はまだ、今のように「ノマドカフェ」や「シェアオフィス」というものはほとんど姿がなかった。そうしたものが出始めたに時は、私は小さいながらも自分のオフィスを持っていた。
ということで私は「ノマドスペース」なるものをほとんど使ったことがなかった。ここはひとつ最近の「ノマドスペース」を体験してみようと行ってみることにした。
■ 渋谷駅ヒカリエ出口から約80歩
向かったのは渋谷の「ありんこオフィス」。文具仲間でノマド情報に精通されている原さんから教わったところだ。まずアクセスについて。といっても2~3行くらいで説明できてしまう簡単さ。
地下鉄渋谷駅を降りて渋谷ヒカリエ出口にあがる。エスカレーターを上りきって地上に出たら左に90度曲がり、一つ目の角を左に入って3つ目のビルの5階。エスカレーターを上がったところから一分もかからない。ちなみに、私の歩幅でいくと80歩くらいだった。
ビルの前に立つと本当にここにノマドカフェがあるのだろうかとというくらいに幅の狭い建物。しかも、「ありんこ」なんていう名前が付いてるから、さぞ小さいのではと思ったが、中に入ってみると全然そんなことはなく結構広々としていた。
インテリアも落ち着いた感じでワンフロア全てをオフィススペースとしてゆったりと使っている。
なにはともあれまずは受付をしないといけない。私は初めての利用だったので登録やらがあるだろうと思っていたが、そうしたものは全くなかった。受け付けの人が入室時間をメモしたバッジを渡してくれるだけ。自分の名前すら書かなかった。受付もシンプルだがここの料金システムも実に明快。
15分で100円。つまり、1時間いても400円しかからない。
うれしいのは1日何時間いても最高で1,000円までとなっている。まるで郊外にある平日の駐車場のような料金設定だ。1日最高1,000円なら今いくらいくらいになったかなと、料金を気にすることなく心おきなく仕事に没頭できる。しかも1日利用する場合などは、途中で外出してもいいという。東京に出張にくるという人にもいいかもしれない。
ちなみに、利用時間は9:00~22:00。
受け付けを中心に右側に区画されたエリアは月極で契約した人専用のデスクスペース。
そして、左側が私のような単発利用の人のためのスペースとなっている。
こちらの方が広い。私が訪れた平日木曜日のお昼過ぎには6~7名くらいの人たちが利用していた。1人で黙々と仕事をしている人、また4人くらいで打ち合わせをしているという人たちもいた。オフィス内には、 Wi-Fi が完備されている。
バッジを受け取って好きな席に座り、パソコンを広げればすぐに仕事が始められる。カフェの様に飲み物を注文する時間もいらない。すぐに仕事に取りかかれるという意味ではかなりメリットがある。ちなみに飲み物はドリンクバーがあり、自由に利用することができる。(無料)この日は2時間ばかり集中して原稿のチェックやメールの返信などを行った。
渋谷の真ん中とは思えないほど、静かな空間なので、集中して仕事をすることができた。渋谷は乗り換えなどでよく使うが、スクランブル交差点を目の前にするとあまりの人の多さに圧倒されてしまう。おじさんの私は、深呼吸をしてからでないと歩みを進めることができない。
この「ありんこオフィス」はスクラブル交差点を経由せずにわずか80歩程度と近いのがうれしい。移動途中のちょっとしたすき間時間に集中してメールチェック、または、1日タップリ使って仕事をするなどここは便利に使えると思う。
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