文具で楽しいひととき
ヴィンテージ リバイバル プロダクションズ
1本挿しペンケース
■「ストロング ファイバー ペーパー」
紙と言えば、ふつうは破れたり水に弱いもの。しかし、これは紙なのに破れず、しかも水にも滅法強い。それが「ストロング ファイバー ペーパー」と言う紙だ。耳慣れない名前ではあるが、きっと多くの人が一度ならず何度もこの素材を触ったことがあるはず。
タネ明かしをすれば、この紙はジーンズのお尻ポケットのすぐ上にあるラベル、専門用語では「パッチ」というのだが、ここに使われている素材なのだ。最近では革製のものも見かけるが、もともとこの「ストロング ファイバー ペーパー」が使われていた。使い込むうちに、表面がフサフサと毛羽立つ独特な質感をもった素材。
この素材の特徴は、まずなんと言っても頑丈であること。そもそも、ジーンズは水洗いしたり、場合によってはストーンウォッシュされたりなどハードな扱いを受けるが、そうした状況でも全くへこたれない。しかも、紙であるので、とっても軽量。
この「ストロング ファイバー ペーパー」の良さに注目し、財布や名刺入れなどを作っているのが、ヴィンテージ リバイバル プロダクションズ社。
こちらは、ストロング ファイバー ペーパーを使った名刺入れ根っからのジーンズ好きのオーナー塩田さんが立ち上げたブランド。自らデザインも手がけている。四国香川に本拠があるのだが、ちょうどタイミングよく先日東京で開催された「グッドデザインEXPO」に出展されていた。
その際お会いすることができた。ジーンズ好きを絵に描いたような方で、ジーンズが体の一部のように、ばっちりフィットしていた。
その塩田さんが最近作ったというペンケースを見せて頂いた。大切なペンを1本だけ入れておく潔いスタイル。
外観は、ジーンズパッチ素材らしい温かみのある肌色。
これは「グリーンティ」というもので、ボディの正面に明るいグリーンで染められたスウェードレザーがあしらわれている。このほか、「コブラオレンジ」、「サドルブラック」もあった。
■ ペンが垣間見えるペンケース
ペンケースというと、全体を覆い隠すような作りが一般的だが、これはあえて所々に中のペンが垣間見える作りにしているところがニクイ。かと言って、ペンの中に傷がつきやすいかと言えば必ずしもそうでもなさそうだ。素材を縫い合わせているコバの部分が、ややたっぷりめに張り出しているので、机の上でケースをゴロゴロと転がしても中のペンは、基本無事。
「ストロング ファイバー ペーパー」は破れにくいという頑丈さはあるものの、一枚の状態ではペラペラと柔らかい。このままではペンケースとして適さない。そこで内側には革が張り合わされている。使用されているのは、馬具などにも使われるコシの強いサドルレザー。
このおかげでケースの上から力を入れて指で押し込んでも凹んだりすることはない。
一本挿しとは言え、収納スペースはやや広め。モンブランの146やペリカン800でもスルリと難なく飲み込まれていく。
(ペリカン800)
(ラミーサファリ万年筆)
(ラミー2000 万年筆)
収納時にクリップを差すことも可能。しかし、真上に差してしまうと、フラップと重なって閉じる時にちょっと窮屈な印象。
私はクリップをとめずにそのまま差し込んでいる。フラップを閉じれば大丈夫だ。
どうしても心配な場合は、クリップをやや横にしてとめるという手もある。
ペンを収納した状態でも、この素材ならではで、とても軽量。お気に入りのペンもその姿を垣間見つつ、軽快に持ち運ぶことができる。あまり他では見られないデザインそして素材なので、目立ち度は抜群だと思う。
■ 記事作成後記
収納口の上側にクリップがスムーズにさせる溝があるといいなと感じました。その方がペンも固定もしやすいですし、クリップが広がりすぎることもなさそうなので。
□ VRP ペンケースは、こちらで販売されています。
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