文具で楽しいひととき
トンボ鉛筆
蛍コートチャージャー
私の机の引き出しには、蛍光マーカーがそれこそ「つかみ取り大会」が開催できそうなくらいごっそりと入っている。もうかすれて色が出にくくなったものまで後生大事にしまいこんでいるからだ。
■ 蛍光マーカーは捨て時を見極めるのが難しい
今はインクの出がわるくとも、少し引き出しの中で寝かせておけば、次に使うときに、ひょっとしたらもう少しだけ、それこそ、あとひとラインだけでも書けるかもしれないという全く根拠のない、ほのかな願いから、たくさんの蛍光マーカーを溜め込むに到っている。
そんな願いもむなしく、次に使おうとしても書けなかったりするのだがなぜか、「えいや!」とさっさと捨てられない。。この蛍コートチャージャーは、書けなくなった蛍光マーカーのインクを補充してよみがえらせるというもの。
これされあれば、少ししか書けなくなった蛍光マーカーをたくさん持っている必要はなく、蛍光マーカーを1本だけにして、インクを補充すればいい。これで、引き出しの中のたくさんの蛍光マーカーからおさらばできる。
この蛍コートチャージャーは2003年にはすでに存在していたそうだが、私が知ったのは、ずっとその後の2005年のISOTの会場だった。トンボさんのブースで、見慣れぬペンを見つけた。それは、スケルトンボディのマーカーで、中綿にインクが1滴も入っていない、真っ白なものだった。
「これは、売り物ですか?」と聞くと、「こっちが、売り物です。」と差し出されたのがこの蛍コートチャージャーだった。行きがかり上、それでは失礼しますとも言えずにそのまま、そのスタッフの方によるデモを拝見することになった。
私が、はじめに気になったスケルトンのペンは、インクの補充の具合をわかりやすく見せるためのデモ用のものだった。そのスタッフの方は、慣れた手つきで淡々とその真っ白な蛍光マーカーをボトルの口に差し込んでみせた。これだけで、インクは補充できるという。
■ ボトルに蛍光マーカーを差し込むだけで補充できる
原理は、毛細管現象をつかったもので、ボトルの中のインクに浸されたペン先からインクがグングンと蛍光マーカーの中へと染み込んでいくのだそうだ。いい大人二人が、その染み込んでいく姿を黙ったまま見ているのもどうかと思ったので、ちょっと質問をしてみることにした。
「これは、トンボさんの蛍光マーカー『蛍コート』用とありますが、他の会社のものも使えますか?」我ながら、とっさにしてはなかなかスルドイ質問をしたぞ、と思っていると。
その方は、口元にかすかな笑みを浮かべながら「当社の蛍コートは、ペン先をガードしていますので、ペン先がへたりませんが、他社様のものですと、インクを補充する前にペン先がへたってしまう可能性があります。」とご回答いただいた。
なるほど確かに、トンボの「蛍コート」はペン先にポリマコートをしてへたらないようにガードしてある。他社のものは使えない、はっきりとは言わずにさりげなく、自社の蛍光マーカーの特徴も織り交ぜたその見事なまでの回答に私は、そのスタッフの方に心の中で拍手を送ってあげたのであった。
そうこうしているうちに、その蛍光マーカーがほのかにピンク色に染まり始めた。さすがに最後まで見届けることもできないので、そこでその蛍光マーカーをとって書かせていただいた。新品の時以上にペン先にはたっぷりとインクを含んで、しっかりとマーカーをすることができた。
カタログの数値によると、1分間の補充で20cm、5分で70m、10分で100mの筆記が可能だと言う。私は急いでいるときは、ほんのちょっとだけペン先をボトルのインクに浸してマーカーをしているが、多少の長さなら十分いける。ちょうど、付けペンみたいに。
ボトル1本でなんと10本分のペンが補充できる。しかしながら、いくら蛍コートがペン先をガードしているとは言え、同じペンの繰り返し補充は5回までだそうだ。
いざ、使おうと思った時に、書けない蛍光マーカーほどイライラすることはない。この蛍コート チャージャーがあれば、そんな時でも、さっと使うことができるし、なによりこれまで、引き出しにため込んでいた蛍光マーカーを処分してすっきりとすることができるのが実にいい。
トンボ鉛筆 蛍コート チャージャー
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