文具で楽しいひととき
レザーマン
マイクラ
普段持ち歩くものは、必要最小限にとどめたい。たくさんのものを持って荷物が重くなるのは、自分もつらいし、ポケットなどが膨れてあまり格好のよいものではない。私の勝手なイメージでは、必要最小限のものを携帯するプロは子供の頃憧れたスパイだ。ジェームス・ボンドのように、一見普通の腕時計だが、いざとなると鉄板の切断できるレーザーが出てきたり、そういう小道具に憧れていた人は、私だけではないと思う。
今回紹介するのは、ポケットツール「レザーマン マイクラ」(スパイ道具ではない。念のため、)。見た目は手のひらにのっかり、そのまま握りしめれば、すっぽりとおさまってしまう程のコンパクトサイズ。
■ 9つの機能
ひとたび拡げれば、
・ハサミ
・クリップポイント・ナイフ
・ピンセット
・爪ヤスリ/甘皮取り
・マイナスドライバー(特小)
・マイナスドライバー(中)
・平型プラスドライバー
・栓抜き
・定規 が装備されている。
外観はオールメタルのいかにもツールといったいでたち。手に持つと適度な重みがあり、作りの良さが伺える。なんと、全てのレザーマンのツールは25 年保証が付けられている。使い方としては、拡げると、まずハサミが現れてくる。
■ 使いやすいハサミ
このハサミが小さいわりにしっかり使えてとても良い。ハンドルを握りしめると、バネ効果で自然に戻ってくる。このおかげで、ハサミをチョキチョキとスムーズに切ることができる。その他の装備はそのハサミの両ハンドルの内側に隠されている。使用したい装備を簡単に引き出しやすいように、爪掛けがついている。
ご親切に、ハンドルの側面には簡易スケールが刻印されている。cm、inchの併記。12cm分しかないので、使える範囲は限定されるが、いざという時には役立つだろう。
いろいろな機能の中で私がよく使うのはハサミ。宅急便の荷物のひもなどを切ったりするが、以外に役立つのが爪きりである。よくある爪きりは「パチンパチン」と音が響き渡る。会社でこれをやったらいかにも「仕事してません」と周りにアピールしている感じになってしまう。マイクラはハサミなので、そういった音は出ない。ゆっくりと切れば爪も飛び散ったりもしない。マイクラにはやすりも装備されているので、これで爪の仕上げもばっちりだ。ひょっとすると開発者は爪きりとして開発したのかもしれない。
そもそもレーザマン社はアメリカのオレゴン州で1983年からスタートしたメーカーで以外に歴史は浅い。フラッグシップ商品のプライヤー(ペンチに似た工具)付きのツールは、創業者のティム・レザーマン氏がレンタカーでヨーロッパ旅行をしたときに度重なる車の故障に困り、プライヤー付きのナイフがあれば便利なのにと思ったのがそもそものきっかけらしい。まさに、必要は発明の母だ。
私は、プライヤー付きのポケット・サバイバルツールも愛用している。これはもっぱら、ちょっとした修理やキャンプの時などに活用している。私の場合プライヤーを使う機会はそう毎日はなく、それより、ハサミを使うことの方が多い。なので、ハサミを中心に色々な装備があり、コンパクトで普段も持ち歩けるマイクラは日々持ち歩く相棒としてぴったりだ。
爪きりだってできる、スパイ気分を味わえるツールのお話でした。
レザーマン マイクラ
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