文具で楽しいひととき
高橋書店
ラフィーネ
私は、マンスリー手帳派。
2005年から、かれこれ11年もずっとマンスリー手帳ばかりを使い続けている。マンスリー手帳とは、いわゆるカレンダーのような紙面のことだ。時間というものは1日24時間、1年365日と誰にとっても同じ分量。分量は同じものの、見る時の尺度は人それぞれ。1日をじっと見つめたい人もいれば、1週間という長さで見たい人もいる。
私の場合は、1ヶ月という長さの中で今日を見つめるというのが性に合っている。これは各人の仕事の進め方などが影響してくるものなので、どれが絶対的に正解というものではない。
言わば、どの倍率のルーペで今日を見たいかということなんだと思う。
■ ラフィーネに対する不満点
ここ7年間愛用している高橋書店の「ラフィーネ」というマンスリー手帳。
これにたどりつくまでには紆余曲折があった。ある年に文具店に行き、気になるマンスリー手帳を7冊一度に買い込み徹底的に比較検討をした。その結果ラフィーネに決めた。ちなみに、選ばれなかった6冊の手帳は手放してしまった。
という経緯もあり、ラフィーネは私の中では選び抜いた手帳という存在。だから、基本のところではとても気に入っている。ただ、7年目に入り、ひとつだけ気になるところがむくむくと出てきた。それは6週目が対応されていないこと。1ヶ月は基本は5週間。しかし、1年に1〜2ヶ月ほど6週ある月がある。今年(2015年)で言うと5月と8月。
「ラフィーネ」は、5週分のマス目しかなく6週ある月は翌月ページに間借りをしている。
そもそも私がマンスリー手帳を気に入って使っている理由は1ヶ月という月日を面積で捉えられるから。その面積をより明確に意識できるよう、私は1ヶ月の外枠をグルリとグレーのマーカーで囲っている。それが6週ある月だと、面積がいまいちうまく把握できない。
「ラフィーネ」と同じA6(文庫本)サイズのマンスリー手帳で、6週対応はないだろうかと手帳売り場を少しばかり探してみた。これはというものが1冊あった。それは6週ある月だけは少し縮小コピーをかけたみたいに月の面積全体を小さくしていた。たしかに6週あるが、そもそも1日の大きさまで変わってしまうのはどうだろうか。。。
考えてみれば、たかだがか30日、31日という1〜2日のために、その月全ての記入スペースが小さくなっては本末転倒のような気がする。
よさそうなのがないなら仕方ないと潔く来年も「ラフィーネ」にした。この納得感が手帳と一年間穏やかに過ごすために必要なんだと思う。ひょっとしたら、もっといい手帳があるんじゃないだろうかとそわそわしていたらスケジュール管理もままならない。
「よし!」と心に力をこめて決心して花柄のラフィーネを手にし、確かな足取りでレジへ向かった。今年の花柄は例年に比べあまり派手ではないので汗をかかずに済んだ。
基本的なラフィーネへの記入方法は、ここ数年であまり大きく変わっていない。そこで、今回は付属ツールの活用法を中心に紹介してみたい。
■ 余計なところを消さないツール
「ラフィーネ」は一日の記入スペースは切手くらいしかない。
むしろ私は、あまり大きすぎない方がいいと思っているくらいだ。スペースが大きいとあれもこれもと予定を入れて自分を忙しくしてしまう。1日は自分が思っているほど長くない。ほどよい小ささの方が本当にやるべきことに絞っていける。
しかし、ごくたまに1日の記入スペースいっぱいに書くこともある。
そして、急に予定が変更になってギュウギュウ詰めに書いた予定の1カ所だけを修正しなくてはならないこともある。ラミー2000 ペンシル(0.5mm)のキャップをはずし付属の消しゴムで消していく訳だが、たまに消してはいけないところまで消してしまうことがある。
そんな時に「字消し板」が役立つ。
色々な形をした穴が開いているメタルシート。もともとは製図の際に、細かな数字だけを消すためのものだ。これは手帳でも大いに使える。消したいところにちょうどよい穴をあててピンポイントで消していく。まわりはメッシュなので位置決めもしやすい。
スリムなカードタイプなので、使わない時は手帳カバーのうしろにさし込んでおけば、邪魔にならない。
そうそう、私はシャープペンの消しゴムを日頃からよく使っているので、ラミー2000 ペンシル用の替え消しゴムを常備している。
■ 仮の予定管理に
予定がやってくるとき、たとえば「10月12日」と日付けが決まっていれば問題はないが、たまに3週目のどこかで、という不確定の時もある。
そうしたまだ定まらない予定に使っているのがニチバンの「マイタック リムカ」。貼って剥がせる小さなシールだ。私はそこにユルユルの外枠を手書きしている。不確かさを表すためだ。ここに予定を書き込みその週の左側にある余白に貼り付ける。
正式に予定が確定したらシールを剥がしてそれは捨ててしまい、手帳に書き込んでいく。また、その日に必ず持っていかなければならないものがある時も活用している。これにに記入して、その予定の近くに貼り込む。このとき赤鉛筆でさらに外枠を囲んでほどよく目立たせている。
■ 定例の予定管理
予定の中には、毎月必ず行うという定例のものがある。
私の場合で言えば、月末の請求書の発送、月初のMacのバックアップ、書類のスキャン、ATMでお金をおろすなどなど。こうした予定は自分があまり忙しくなく、そしてその場所が混んでいない日を予め決めて向こう一年間手帳に書き込んでいる。
ちなみにATMの予定は月初の7日〜9日にしている。一番混んでいる月末はスルーして月初の比較的空いている日にしている。ただ、月初でも年金支給日の10日や週末の金曜日は避けるようにしている。
また、期間が少々あく定例の予定というのもある。これはたとえば、レンタルサーバーの更新だとかWi-Fiの更新などだ。こうしたものは2年単位が多い。この手の予定も手帳に書き込み、その事から解放されるようにしている。私はレンタルサーバーやWi-Fiの更新ために人生を生きているわけではないのだから。
では、2年後の予定はどう書くか。
今が2015年で2017年の5月に更新があるとする。2015年の手帳にある2016年1月のページの余白を使う。そこに「2017年5月更新」と書く。年をまたぐ予定の場合はさきほどの「マイタック リムカ」に書いて剥がして移動することもある。
一月のページにしておけば、翌年の手帳に切り替える時に、もれなく新しい手帳に情報を引き継ぐことができる。面倒な作業と言えばそうだが、ちょっとした下ごしらえをしておくことで更新の直前になって慌てることなく心穏やかに立ち向かえる。
■ 邪魔にならない手帳バンド
手帳をトートバッグなどに入れて持ち歩くと、手帳がバッグの中で動き回りなにかの拍子にページが開いて紙が折れたりしてしまうことがある。最悪はページが破れてしまうことも。。。
それを防ぐために使っているのが「E.P. BANDS」。
エラスチック ポリウレタンというゴムとは違う素材。とても薄く伸縮性もある。ふだんは手帳カバーの後側だけをグルリと巻いてスタンバイ状態にしている。
いざ必要になったら手帳全体をとめる。とても薄いので付けていても全然気にならないのがいい。
■ 多機能な手帳スタンド
事務所の机で現在使っている手帳スタンド。
以前はIKEAのフォトイーゼルを使っていたが、今はワイヤースタンドWにしている。もともとはお店で使う本や商品のディスプレイ用らしい。これがいいのはダブル仕様になっている点。背のワイヤーを引き上げるとA4書類も立てられるスタンドになる。ちなみにけっこう丈夫でタブレットもいける。
資料をチェックしながら入力という作業も快適に。
手帳を立てかけたままページをめくれるのもいい。
□ 私が来年使う手帳 高橋書店「ラフィーネ1」
□ 仮の予定管理に便利な「マイタック リムカ」
□ 手帳のチョイ消しに「メッシュ字消し板」
□ 多機能手帳スタンド「ワイヤースタンドW」
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1ヶ月の外枠を囲んだオリジナル手帳をプロデュースしました。
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