文具で楽しいひととき
デザインフィル
トラベラーズノート
私は日頃、2冊のノート(手帳)を使っている。ひとつは、月光荘のスケッチブック ウス点、もうひとつは、IDEA piece。
スケッチブックは、机の上で使っている。ひとりで企画を考えたり、打ち合わせの時にも使ったりしている。一方のIDEA pieceは、机のない場所での筆記用。常にズボンの左うしろポケットに入れていて急にアイデアがひらめいたり、やるべきタスクを思いついたらすぐさまコレに書きとめる。さながら早撃ちガンマンのようにメモをとろうとして書き出すまでのスピードは自分で言うのもなんだが、かなり速いほうだ。
この2冊体勢でここ数年は問題なくやってこれた。しかし、最近になってこの2冊体勢の中間に位置するシチュエーションが出てきた。それは外で少しじっくりと考えをめぐらせたい時。我が家では犬の散歩はほぼ私の担当になっている。休日となると、いつもの近場散歩ルートから少々足を伸ばして、片道20分くらいの公園に行く。
ベンチに座り、20~30分くらい色々と考え事をする。これまでは、IDEA pieceがその受け皿となって、私の考え事に付き合ってくれていた。ひとつのアイデアやタスクを書くにはちょうどよかったが、考えを深めていくには少しばかりスペースが小さすぎる。書いたことを一覧しようとするとパラパラといくつものページをめくらなくてはならない。
かと言って、スケッチブックを持って犬の散歩をするのにはこれは大きすぎる。つまり、IDEA pieceとスケッチブックの中間的存在が必要になった訳なのだ。きっかけは犬の散歩の時に考えるということだったけど、この中間的シチュエーションはこの他にも結構あるように思う。その役割を果たすためのツールとして、白羽の矢を立てたのがトラベラーズノート パスポートサイズだ。
ハードカバーのMOLESKINEなどでもこの用途は果たせるが、色々と検討した結果、今回はトラベラーズノートにしてみた。こだわったのは「手の平で書いている」という優しい感覚。
■ 私流カスタマイズ
このトラベラーズノート パスポートサイズを使っていく上で、いくつかのカスタマイズをしてみた。まず、トラベラーズノートのトレードマークとも言える表紙のゴムバンドは取り払った。
私は、中に書類などを挟むことはしないし、書くたびにバンドの付け外しをするのが面倒に感じたので。書きたいことがあったら一秒でも速くページを開きたいのでバンドをとってしまった。中にはノートを2冊セットしている。
たぶん公式のやり方だと思うが、カバーの綴じ部分に標準装備されている2本のゴムバンドのそれぞれに1冊ずつ通している。このままの状態だとページのめくりにくさがあった。ノートとノートのつなぎ目が分かれていて一体感がないのだ。そこで「EPバンド」というフラットなバンドで固定してみた。
オフィシャルパーツでもこの部分をとめるバンドは出ているようだが、私は「EPバンド」にしてみた。
これで2冊のノートの一体感は生まれた。
ただ、表紙をグイと曲げてページをパラパラとめくろうとする時、革の表紙とノートの表紙が分かれているので、パラパラ具合がまだよくない。トラベラーズノートの革表紙の柔らかさの次にノート表紙の硬さがやってくる。ノートを開こうとするたび気持ち悪さが手に残る。
そこでここも「EPバンド」で固定してみた。
そうしてみると、革表紙、ノート表紙が一体となったパラパラが味わえるようになった。
■ あわせるペンは、ショートサイズの芯ホルダー(2mm芯)
ショートサイズがパスポートサイズにしっくりくる。本来ならペンホルダーを取り付けてセットすべきだが、サイズをこれ以上大きくしたくなかったのでひとまず裏表紙の内側にセットしてみることにした。
うまい具合にペンのノック部分が飛び出すのでペンは取りやすい。トラベラーズノートのいいところは革が柔らかく、フレキシブルさに富んでいるところ。ページを開いて書いていると、柔らかいレザーの表紙が手の平にピタリとフィットしてくる。
手の平で書いていると実感できる瞬間だ。おだやかな気持ちで考えを深め書いていける。
■ 記事作成後記
レザー用のクリーム「コロニル1909」(無色タイプ)でトラベラーズノートを磨いてみました。しっとりして、いい感じの落ち着いたツヤが出てきました。
□ トラベラーズノート パスポートサイズは、こちらで販売されています。
□ ほぼ同タイプのショートサイズ 芯ホルダー
□ コロニル1909 シュプリーム クリームデラックス (カラーレス)
□ 私が使っている「EP バンド」
*関連コラム
「スケッチブックをノートとして使う その2」月光荘 スケッチブック ウス点 2F
「ジェットエース究極版」アシュフォード + pen-info.jp IDEA piece
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