2013.08.27(287)

「無垢なMDペーパー」

デザインフィル

MD 用紙(A4)100枚パック

■ 意外といい紙のコピー用紙がない

この前、ちょっといい Tシャツを買おうとほうぼうを探しまわった。肌触りが良くて何度洗っても首周りがよれたりしないものはないものかと。しかし、多くのものは値段の安さを強調するものばかりだった。安さを売りにしているものと言えばコピー用紙もそうだ。「1箱で●円」、どうだ参ったか!というものばかりが目に付く。

他の商品、たとえば鉛筆あたりだとリーズナブルなものもあれば、中には1本3万円くらいする高級なものまである。昨今、1000円クラスの高級ノートが人気で上質な紙を使うということはかなり市民権を得つつある。それなのに、コピー用紙だけは安さを武器にしているものばかりというのはなんともアンバランスだ。
色々なバリエーションがあるというのはユーザー側の選択肢が増えるという意味で大切なことだと思う。

今回はコピー用紙の話。私はコピー用紙をそこそこよく使っている。でも、使い方がちょっと変わっているかもしれない。

こんな感じで。私がコピー用紙を使うのはコピーのためというよりかは、パソコンで作った原稿のプリントアウト用だ。万年筆で手書きした原稿をワードに入力し、それをプリントアウトして推敲していく。手書きの段階で、完全な原稿になるなんてまずなくて推敲を3回くらいは行う。

たとえるなら大木をトンカチとノミで少しずつ彫り進めてだんだんと形を整えていくといったイメージだ。この推敲の時に使うのがパイロットカスタム742 極細万年筆に純正赤インクを入れたものだ。私にとってコピー用紙とは、プリントアウトして万年筆で朱入れする紙という位置付けなのである。

だから万年筆での書き味も堪能できるコピー用紙があったらいいのにとかねてから思っていた。ある時デザインフィルの方にMD 用紙の紙を使ったコピー用紙なんて作ってみたらどうですか?ノートのように表紙や製本の必要もないから製造の手間もかからないですし…と話したことがあった。

すると、本当に、 MD用紙のコピー用紙を作ってくれた。

■ その名も「 MD用紙」

デザインフィル MD 用紙(A4)

100枚パックで一枚一枚の紙は、糊などで綴じられることなくバラバラになっている。

デザインフィル MD 用紙(A4)

■ 紙の種類は MD クリーム

コピー用紙だから白い紙の方がよかったかなと一瞬思ったが、すぐさまその考えを訂正した。

MD 用紙

その理由は一般のコピー用紙と見た目で区別できるからだ。

デザインフィル MD 用紙(A4)

全てのプリントアウトにこの「 MD用紙」を使うのは、さすがに費用がかかる。ここぞの時だけ使うので、色で区別できた方がいい。このコラムの推敲用原稿も「MD用紙」にプリントアウトして万年筆で推敲してみた。

「MD用紙」は「MDノート」でこれまで何度となく書いてきたが、コピー用紙として書くのははじめて。何だかちょっと違う印象があった。でも紛れもなくこれは MD 用紙だ。心地よいスムースさがあり、万年筆が気持ちよく走る。紙が呼吸するかのようにインクもスゥッと気持ちよさそうにしみ込んでいく。やっぱり思っていたとおり、推敲にいい紙を使うというのは心地よいものだった。

推敲、つまり朱入れというのは結局のところ自分へのダメ出し。あまり気の進むものではない。こうして上質な紙で行うと、気分的にもいいものがある。

デザインフィル MD 用紙(A4)

とは言え、この「MD用紙」は推敲専用のものではない。これ以外にも使い方はいくらでもある。たとえばアイデア ラフスケッチ用紙としてだ。アイデアを考える時にA4のコピー用紙を使う人は意外と多い。それをこの上質な「 MD 用紙」でやる訳だ。「MD ノート」は綴じがフラットに開く心地よさがあるが、その点でいくとこの「 MD用紙」はそもそも綴じがないので、完璧なるフラットが味わえる

「MD 用紙」を机に広げお気に入りのペンでアイデアを書きとめる。考えただけで気持ちよさそうだ。
これからはコピー用紙でも紙質にこだわる、そんな時代がもうすぐそこまでやってきているように思う。

□「 MD用紙」はミドリオンラインストア限定で販売されています。

□記事作成後記
ライティングパッド、つまり、書く専用の紙として「MD用紙」を使う時は、たとえば、ポスタルコのスナップパッドにセットして使うというのもいいと思います。

デザインフィル  MD 用紙

デザインフィル  MD 用紙

*関連リンク
「そぎ落とすことで、見えてくるもの」ミドリ MDノート
「考える場としてのノート」
「造りのよさが感じられるノート」みすず小口染めノート

文具コラム ライブラリー
pen-info SHOP