文具で楽しいひととき
MUCU
DEPOT
素材自体が本来から持っている良さを生かしたステーショナリーで定評のある「 MUCU 」。その MUCU から味わい深いノートが登場した。私はギフトショーでこのノートを見かけたのだが、ほぼ一目ぼれ状態だった。
■ 古書のようなたたずまい
商品名は「 DEPOT(デポ) 」という。「DEPOT」には、「集積する」、「貯蔵する」という意味がある。つまり、自分で書き込んでいったノートを大切にとっておくということだ。ノートというと書くことがその役割の中心で、その後の保管についてはあまり気を使ってこなかったようにも思う。MUCU のデザイナーである榎本さんは、このノートの保管について、改めてしっかりと考えてみたいと思い、今回の「DEPOT」を企画したという。
モチーフとなったのがハードカバーの古本。
古本と言ってもその古さは半端ではなく、60年くらい前のものだその頃の本は横から差し込むケースがついていることが多かった。ノートもこうしたケースに入れてみること思いついたという。ちなみに昔のこうした本のケースは、ホチキス留めされていたが、今はこの加工は、ほとんどできなくなっているという。
そのため、今回のものは糊で固定されている。「DEPOT」のケースを見てみると、新しさの中にも古さも共存しているいい味わいのスタイルだ。
しっかりとした厚紙で作られたそのハードケースの中にはハードカバーならぬソフトカバーのノートが入っている。
しかも4冊。ケースの入口を下に向けると、MUCUらしさあふれるノートがスルスルと気持ちよさそうに出てくる。
1冊ずつに No.1、2、3、4とナンバリングがしてある。このナンバリングスタンプのロゴがまたノスタルジックでいい。
■ サイズは A5
ザラザラとしたクラフトな表紙は「段ボール原紙」というちょっと耳慣れないものが使われている。耳慣れないが、私たちがよく目にするもので、段ボールの表面に使われているものだという。
この段ボール原紙には、いくつかの種類があり、今回は「クラフトライナー」というタイプが使われている。背にはおよそ5mm 間隔できっちりと縫い込まれたミシン綴じになっている。
書かれた紙面をがっちり守るぜ!という頼もしさが感じられる。
■ 中の紙面は潔く無地
これは4冊とも共通。
MUCU らしいと言えばそうだが、ユーザーの中には私は罫線がいい、私は方眼がいいという方もいると思う。
■ 下敷きで罫線を変える
そうした声を想定して、便利な下敷きが付属されている。片面が横罫線(7mm幅)、その裏側が方眼(5mm)になっている。これをノートの下に敷くとうっすらと見える仕掛け。こうした下敷きは便せんなどではよく見かけるが、ノートでは、なかったかもしれない。
さて、この DEPOT ノート、どんな使い方が相応しいだろうか。私なりに考えてみた。集積されたものということで日々のフローな情報を書き込むというよりも、何かひとまとめにできるたとえばプロジェクトなんかに良さそうだ。一つのプロジェクトがスタートしたら、この 「DEPOT」 を一冊新調して、まず、机の上に置いて、ナンバー1から順番に書いていく。
そして4冊書き終わったら、ハードケースにしまって本棚にしまっていく。「DEPOT」を使っていく中で、おそらくこの瞬間が一番たまらなく幸せを感じられる時だと思う。一つのプロジェクトを終えて、最高のご褒美になるに違いない。しかも、プロジェクトを重ねる度、DEPOT のケースが本棚の中に一冊または一冊と増えていく光景もいい。
そのゴールを目指して一冊ずつ使っていく。そう考えるだけで何だかとてもワクワクしてくる。
MUCU DEPOT
MUCU サイト
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