文具で楽しいひととき
abrAsus
IDケース with 保存するメモ
不意に浮かんだアイデアを書きとめておくメモとペン。
いくらいいメモやペンを買っても、それらを常に持ち歩いてなければ、せっかくのツールも宝の持ちぐされになってしまいかねない。そういう意味では、アイデアメモに最も求められることは実は、「持ちやすさ」ということになるのではないだろうか。
■ メモを持っていることを忘れるくらい自然
持ちやすさとは言っても、どんなメモ帳でも手に持つことはできる。その持ちやすさではなく、そうだな~、なんて言ったらいいだろうか。持っていることを忘れてしまうくらいに自然にいつの間にか持っているということ。これが大切なんだと私は思っている。
先程も触れたようにアイデアは、予告もなく、さっとやってきて、さっと立ち去ってしまう。その瞬間をとらえるためにメモを常日頃から持っていなくてはならない。
この持っていることを忘れてしまうくらい自然に持つにはいつも身に付けているものにメモとペンをセットしてしまうのがいい。ちょっと前に紹介した財布の中にエマージェンシーメモとペンをしのばせておくというのも全く同じ発想だ。
■ 基本はIDケース
今度は財布ではなく、 ID ケース。abrAsus のIDケース with 保存するメモ。
では、商品の詳細を。この ID ケースは本革で作られている。
革というと一般に黒や茶が多いところだが、今回のものには目にも鮮やかなグリーン。
このグリーンには意味があって、実はこれ、「Evernote(エバーノート)」とのコラボ商品。
Evernote は iPhone ユーザーの方々にはおなじみのアプリ。一口で言ってしまうと、デジタルメモ。自分が作成したテキストメモまたやメールやウェブのコピーをオンラインに保存し、それを iPhoneに限らず、パソコンや携帯などいろんなデジタルツールから見られるというもの。
abrAsus の南さんは Evernote の社長と親交があり、今回のコラボとあいなった。IDカードは、上がポケット上になっていて、そこに差し込んで入れられるようになっている。
よくこうした ID ケースでは窓の部分が透明なプラスチックで覆われていることがあるが、これはそうしたものはなく、ただただ革だけで作られているのがいい。
■ ペンがセットされている
そして、もうすでに皆さんの目に入っていることと思うがこのIDケースの下側にはペンがセットされている。これはとても心強い。ペンならいつも胸ポケットにささっているからわざわざこうして付けなくても、と思うところだが、その油断が禁物。
メモはそれ単体としては機能せず、ペンがあってはじめてその役割を果たしてくれる。ノートであれば、それを書く場所は大体において自分の机だったりするので手を伸ばせば、ペンがある。
しかし、メモの場合は机の上だけとは限らず、歩いている時、電車に乗っている時などところ構わずその状況はやってくる。そういう意味で、あらかじめこうして ID ケースにペンがセットされているのはとてもありがたい。
これまでも ID ケースにペンのセットするという試みはいろいろな所でみられた。そんな中で、これがすぐれているのはペンが全く ID ケースから飛び出さずにおとなしく収まっているところ。
これなら、ペンを持ちながらも普段の生活の中で全然邪魔にならない。まさに、持っていることを忘れてしまう自然さだ。ネックストラップもIDケースにあわせて革で出来ていて、なかなか格好いい。
そして、ペンの相棒であるメモ帳はどこにあるのかというと、この ID ケースの裏面。ひっくり返してみるとそこには要所要所を固定された紙がある。
ちょうどジョッターのようだ。
先程のペンを片手にこのメモスペースにひらめいたアイデア、急に思い出したやるべきこと、例えば、「会社の帰りに牛乳を1本買う」と言ったことを書いていけばいい。
■ 使用する紙はA4コピー用紙
メモの紙はこの1ページだけではない。中に合計16ページ分が備わっている。しかも、一枚の紙で。実はこの紙、広げるとA4のコピー用紙になっている。
abrAsusには「保存するメモ帳」というのがあるが、これは、その基本構造をベースにIDケーススタイルにしたものだ。A4の紙を8分の1に折ってセットできるようになっている。
その1面ずつに書いていく。この時に書く順番が厳格に決められている。 A4の紙を横に広げて左上から右に上の段が終わったら同じように左下から右へという具合だ。
ちなみに、その折り方もやはり、決められており横長に折ったものを半分、さらに半分に折っていくというもの。
この様に折っておくのは先ほどの順番で書きやすくするため。従って書き進めるには、その都度、一旦紙をホルダーから外し、クルリとひっくり返すといったことが必要になる。
ジョッターだと一枚一枚のメモが独立していて、書いたら、それをポケットに入れるということが必要だったが、今回のものは、全てが1枚の A4の紙になっているので、ワンポケットで完結してしまう。しかし、この折りたたみ式というのは書く時にちょっと面倒くさいようにも感じる。
私も当初はそう思ったが、実際にやってみるとそれほど気になるものでもなかった。というのも、1ページを書いたら、その時点で新しい面を用意しておけばいい。
実は、こうしておかないと ID ケースとして首からぶら下げている時に自分のメモを通りすがりの人に見せてしまうことになってしまう。「牛乳を買っていく」といったことなどが。これでは、私は「牛乳大好き人間です!」とまわりに宣言して歩いているような状態になってしまう。
そこで、書いたメモを隠す意味でもすぐさま新しい目にしておくことが求められる。ちなみに ID ケース自体は結構厚手の皮使われているので、手に持って書く時にとても安定感がある。
先程、メモ書き進める順番をしっかりと守ると申し上げたが、これにはちょっとした理由がある。それは書き終わったメモの保存の仕方にまつわることだ。
A4サイズなので、これをそのままスキャナーで読み込んでデジタル保存してしまうのだ。さらに、その保存先をオンラインメモの Evernote にしておけば出先でも以前に書いたメモを再び読み返すことも出来てしまう。
これが、 Evernote とのコラボの一番のポイント。
私自身これまでメモ&ペンの携帯場所をいろいろと試行錯誤を繰り返し検討してきた。その一つが、ズボンのポケットに入れるという方法。
これは着ている服に関係なくズボンなら必ずポケットがあるので持ち忘れることない。今回の ID ケースにメモ&ペンという発想も会社の中ということには限られてしまうが、常に身に付けておくことができる。
サッとメモ体勢に入るという点では、この首下げスタイルの方がまさっているようにも感じた。
IDケース with 保存するメモ Evernote は、こちらで販売されています。
*関連コラム
「万年筆との相性が良いエマージェンシーメモ」デザインフィル カードメモ
「ジェットエース究極版」アシュフォード + pen-info.jp IDEA piece
「超モバイルノートその後」ダイゴー ジェットエース
文具コラム ライブラリー
pen-info SHOP