文具で楽しいひととき
MOLESKINE
フォリオ
毎年1月から2月にかけて、文具業界では、いろいろな展示会が目白押しで開催される。2月にギフトショーがあるし、その前後には文具メーカーがあちらこちらで個展を開催する。この展示会が私にとって、すごく重要。私の仕事はコラムやコンサルティング、その仕事を突き詰めると「アウトプット」ということになる。アウトプットするには、どうしてもインプットが必要。
以前、読んだ糸井重里さんの「ほぼ日」の本の中で、アウトプットとインプットは人間の呼吸のようなものだと、書いてあった。それは、つまりそれぞれバランスをとって行わないといけないということ。ずーっと息を吐いてばかりいるといずれは吸い込まなくてはいけなくなる。たくさんのアウトプットをするならそれに応じたインプットが必要になるということだ。
そういう意味で展示会は、文具の様々な情報が仕入れられ、そして、作り手と直接出会えるので私にとって欠かせない場となる。食べ物はインプットしすぎるといろいろと弊害がでてくるが、こと情報のインプットに限っては困るということがない。そんな展示会インプット活動の中で、 ちょっといい新作を見ることが出来た。
その情報と出会うことができたのは文具商社のMDSの展示会。このフェアは文具小売店を対象にした仕入れの場。たくさんの文具メーカーが出展していて来場されている小売店の方々のそばには伝票を携えたMDSの営業の方が寄り添い注文をとっている姿があちらこちらで見られる。
私は、バイヤーではないのだが、主催者の方のご厚意でいつも参観させていただいている。このフェア、掘り出し物が見つけられるので私はいつも楽しみにしている。
MDSでは文具の全般を扱っているが、とりわけ力を入れているのが海外のステーショナリー。会場には、いくつもの海外メーカーがブースを構えている。その中の一社MOLESKINEのブースでこれまで見たことのない商品が展示されていた。
そう言えば、以前にもこの展示会でMOLESKINE のダイアリーやMOLESKINE初となるライフスタイルノート「パッション」も初お披露目されていた。いくつもの展示会がある中でこのMDSフェアは、MOLESKINE新作遭遇率がかなり高い。
■ フォリオ
さて、今回発表されていた新作は大きく2つ。では、まずその一つ目から。「フォリオ」コレクションの新作。MOLESKINE には定番のノートブックを中心とする「クラシック」シリーズの他、「カイエ」、「ヴォラン」がある。「クラシック」を基準に考えると「カイエ」と「ヴォラン」は、やや低価格シリーズとなる。
そして、「クラシック」の上に位置付けられているのがこの「フォリオ」コレクションだ。「フォリオ」コレクションには、特大のA3のノートやポケットブックがあるものだから、私の中では、大きな MOLESKINE という風に勝手に位置づけていた。
そのイメージがこれを見てさらに増してしまった。A4サイズのファイルが登場していたのだ。商品名は「バインダー」という。
外側にはトレードマークのゴムバンドがあり、表紙を広げると、2穴のリングがついている。MOLESKINEの顔を持ったファイルだ。
実はこのファイル、以前に私は見かけたことがあった。といっても商品ではなく、とある展示会の時にMOLESKINE のスタッフの方が携えていたものである。スタッフの人たちはそのファイルにMOLESKINEのカタログや資料を綴じこんでお客さんへの説明に使っていた。とても格好良かったので商品にすればいいのにと思っていたら早速、こうして商品となっていた。ただ以前に見かけたのは4穴タイプ。
そのスタッフ用のものは本国イタリア仕様で作っていたものだったのだろう。そして、今回は日本でもお馴染みの2穴となっている。ファイルになってもMOLESKINE らしさはしっかりと残っていて裏表紙には、いつもの拡張ポケットがついてる考えてみると、ファイルにポケットが付いていたってなんにも驚くことはないのだ。
しかし、MOLESKINEは、ノートや手帳のイメージが強いのでなぜか、「ほぅ、ポケットも付いているのね」などとおもわず関心してしまう。これまでMOLESKINEで、ファイルといえば、アコーディオン式のポケットブックだけだったが、今回バインダーも加わり、ファイルにも本格的に進出しはじめている。しかも、そのファイル展開、かなり本腰が入っているようだ。と言うのも「バインダーセット」というものが別途用意されている。
これは、先ほどの「バインダー」と一緒に使うもので、例えば、中にはインデックスが入っている。ファイルのインデックスというと視認性を考えてカラフルなものが多い。しかし、今回のものは、どれも全てクリーム色。実に、MOLESKINEらしい。インデックスは全部で6個。
さらにこの「バインダーセット」には、あと付けできるポケットというのもある。
そもそもバインダー側にも拡張ポケットがついているがさらに好きなページにポケットをあと付けできるようになる訳だ。バインダーがあり、その中に使うインデックス、そしてポケットまで揃っている。
■ MOLESKINE 印刷用紙
あと足りないものと言えば、中にセットする用紙くらいだろう。と思っていたら、その紙まで新たにラインナップされていた。
商品名は、「印刷用紙」という。こちらもMOLESKINE ならではの温かみのあるクリーム色。紙質はノートのものよりもやや厚め。紙の四隅も丸く仕上げられ、いわゆるコピー用紙とは違う。
実際にカラープリントされたものを見せていただいたが、色もそこそこ綺麗に出ていた。
ファイル関連にはもうひとつ別のアイテムもあった。個人的には今回の新作の中で最も注目したアイテム。商品名は、「フォルダー」。
■ しなやかさのあるフォルダー
洋封筒のようなスタイルをしている。表面は MOLESKINE のあのモグラの革のような質感で覆われている。その材質にはソフトカバーのものが使われているようで、程よいしなやかさがある。このしなやかさを活かして三角の蓋を折り曲げてフタをする。
サイズはA4を一回り大きくしたくらいでクリアフォルダーもまるごと飲み込んでしまう。クライアント先で書類を取り出す時なんかには、まさにうってつけだ。鞄にしまわずにこの「フォルダー」のまま外に持ち出してみたくなるいいデザインだ。
先程、「フォリオ」は「大きい MOLESKINE」 というイメージを持ってるとお伝えしたばかりだが、そのイメージはこれを見たとたん崩れ去った。小さな「フォリオ」コレクションというのも登場していた。
■ Tools
それが、この「Tools(ツール)」というシリーズ。なんと付箋シリーズが仲間入りしていた。外観は、ポケットサイズよりやや小ぶりのカバーで覆われている。
どうやらカバーは厚紙で作られているようだ。それを開けると内側に貼ってはがせる付箋がセットされている。ここでもやはり、紙はクリーム色になっている。左側にハーフサイズの無地の付箋が2パッド、そして、右側に大きな横罫線の付箋が1パッド。
一枚をめくってみたところ、一般の付箋よりも紙はやや厚め。パッケージによると、80g/平方m。付箋になっても四隅はしっかりと丸く仕上げられている。ちょっと高級な付箋といった感じだ。
この「付箋セット」と同じ外観のもので「カードセット」というものもあった。このカードの紙は付箋よりさらに厚めの200g/平方m。サイズも厚さもちょうどポストカードのようだ。
カバーをひろげた両側のポケットには方眼タイプと横罫線タイプがそれぞれ10枚ずつ入っている。
メッセージカード、またはビジネスシーンで使う一筆箋としてもよさそうだ。以上が「フォリオ」シリーズの新作。
■ リポーター ソフトカバー
そして、もうひとつの新作として発表されていたのが「リポーター」。ご存じのとおり「リポーター」とは縦開きのMOLESKINE。
この「リポーター」にソフトカバータイプが仲間入りした。ソフトカバーは、通常のノートブックタイプで、すでに販売されている。私は、普段の取材手帳としてそのソフトカバータイプを愛用している。取材では、せわしなく手帳を開けたり閉じたりするので、必要な時にさっとページをめくるにはやっぱり表紙がやわらかいほうが都合がいい。
今回、リポーターがソフトカバーになった訳だが、考えてみると、これまでのノートブックタイプよりも今回のリポーターの方がソフトであることの親和性は高いように思う。なぜかと言うと、「リポーター」にはヒモのしおりがないから。しおりがないので、最新のページを開こうとするとどうしても中の紙をつかみペラペラとめくらなくてはならない。この「ペラペラ」がソフトの方が俄然やりやすくなる。
この「ソフトリポーター」にはもうひとつ良いことがある。それは、「リポーター」を完全に折り返して使う時だ。
もちろん、これまでのハードカバーの「リポーター」でも折り返せないことはなかった。しかし、ハードカバーゆえに、リポーターがやや苦しそうであった。柔軟性のない体を無理に折り曲げた時ほど辛いものはない。私は体がすこぶる硬いので、その気持ちが痛いほどわかる。
今回、こうしてソフトカバーになったことで、気持ちよく折り返せるようになっている。輸入元の方によると、単にカバーがソフトになっただけでなく「ソフトリポーター」では、中の綴じもソフトな仕様に変更しているそうだ。これであればまさにリポーターらしく使うことができる。
モレスキン 各種フォリオは、こちらで販売されています。
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