文具で楽しいひととき
ポスタルコ
カードホルダー
どうやら私は「ポスタルコ ウイルス」に感染してしまったようだ。ウイルスといっても、これはいたって良性。今、私の手元には、リーガルエンベロープ、ツールボックス、手帳カバーがある。
■ ポスタルコ ウィルス感染。。
そして、この度そのメンバーに名刺入れも加わった。ポスタルコのプロダクトを手にして使っていると、じわりじわりとそのウイルスが指先、目、鼻から入ってきて体中に感染していく。
するとどうなるか。ポスタルコのWeb サイトを見て他にはどんな商品があるとだろうかとチェックをする日々。この欲しくなっていくという感覚は、ずらりと並べて見て楽しむというコレクター的なものとはちょっと違う。ポスタルコと一緒にいる生活の心地よさを知ってそれをより深く味わいたいというものだと思う。
この手のウイルスでは、私は「ラミーウイルス」というものも自覚している。発症して、もうかれこれ10年以上になる。その2つのウイルスの共通点とは、一体何だろうか。色々と考えてみたのだが、なかなか言葉にして言い表すのは難しい。
しいて言えば、作り手の顔が見え、ものづくりに確固たる哲学が感じられるということではないだろうか。私はそんなふうに感じている。
前置きはこれぐらいにして今回の主役ポスタルコのカードケースにご登場願おう。今回新たにポスタルコの名刺入れを買うことになったわけだが、この名刺入れを買うに至るまでには、実は私の中で、色々な葛藤が渦巻いていた。
名刺入れと言えば、以前に紹介した土屋かばん工房の100枚万入る名刺入れというものを私は長らく使っていた。
■ 悩ましい名刺入れ買い換えのタイミング
今もしっかりと現役として活躍してくれ、つい先日も一緒に上海に行ったりと、これまで世界各地を共に歩き、たくさんの人たちの初対面に立ち会ってきてくれた。それが、ちゃんとあるのだから、わざわざ新しく名刺入れを買う必要もないのではとさんざん悩んできた。
そこで、私のこれまでの名刺交換を色々と振り返ってみた。考えてみると、名刺交換一つでもいろんな場面があるものだ。例えば、展示会の取材やパーティーなどで一日に何十人もの人に合うという時、一方では、大切なミーティングなどで1日に1枚、2枚くらいしか名刺交換をしないということもある。
私はこの両方をこれまで先程の土屋かばん工房の名刺入れに全て任せてきた大は小を兼ねる、という言葉があるが、まさに100枚入る名刺入れは、どんな場面でも私の忠実なパートナーとして活躍してきてくれていた。
しかし、ふと考えてみた。そもそも日々の生活の中で、先程のどちらのシチュエーションの方が多いかということを。それは明らかに後者の一日1~2枚の名刺交換というものである。では、それ専用にしっくりと来る名刺入れを持つというのもあながち悪いことでもない。
そうだ。この「大義名分」だ。いつもより長めの理由を胸に今回の名刺入れを手に入れることにした。ようやくここで今回の主役ポスタルコの名刺入れに再びご登場願おう。外からは基本革しか見えないシンプルなデザイン。
一般的な名刺入れと違うのはやや横長のスリムスタイルになっているところ。
このスリムさのせいだろうか。とてもしまった印象がある。手にすると革の滑らかな優しさに包み込まれる。滑らかな革というと、コードバンのようなものもあるが、これは、それとは違う。
実にやわらかいのだ。シンプルな外観は裏も表も同じ。唯一そこに見られるのは、縫い込みのステッチだけ。
これが不思議なことに、端から端までではなく真ん中にだけチョコんとある。
実はこれ、この名刺入れの機能性に大きく関わっている。中を広げると、ポスタルコお馴染みの圧縮コットンになっている。
中央には、フサフサと毛羽だった裏革もある。表革、圧縮コットン、裏革という3種類の質感の異なる素材が並んでいる。名刺の収納スペースは両側に2ヶ所。いずれも同じ大きさになっている。両方のポケット共にマチなどなく、一般の名刺入れにしては比較的薄め。
■ 大きく広がって名刺が取り出しやすい
これでは中に入った名刺が取りづらかろうに。しかし、大丈夫。名刺を取り出すときには、広げた名刺入れの端をグワッと盛大に広げる。
すると、それまでオチョボ口だったのが、一挙に大きな口を広げる。これで名刺を出し入れすればいい。この口の広がりを作り出すために、先程の縫い込みがあえて中央にしかなかったのだ。収納できる名刺の枚数は、片側で約20枚くらい。合計で40枚。
このやや少ない収納枚数ゆえに冒頭でご説明した日々の名刺交換に使おうと思った次第。ちなみに、これ以上でも無理やり押し込みことは可能だ。しかし、そうしてしまうと、名刺入れを二つ折りにしにくいし、仮にできても姿が美しくない。
一般的な名刺入れは同じように広げた両側にポケットがあるが、片側は広く、もう一方は狭いというスタイルになっている。ポスタルコのもののように両側が同じ大きさというのは珍しい。
このスタイルによって、この名刺入れならではの名刺交換スタイルを楽しむことができる。それはこんな感じ。名刺交換すべき人が現れたが、この名刺入れを胸ポケットから取り出す。そしてここからがポイントである。この時、左手に名刺入れを持つ。
綴じ込み部分が右側に来るようにする。その手をやや斜めに傾ける。すると重みで自然に名刺入れが広がりだす。
ここで、それまで休んでいた右手の出番。名刺入れの口に指をかけ、あくまでも優雅に口を広げる。
そして、中から名刺を取り出し交換をする。ひとしきりの話が終わり、相手の名刺を丁寧にしまい、広げた名刺入れを二つに折る。
この時、「パタン。。」と、とてもいい音がする。この音がとても心地よい。これまで愛用してきた100枚の名刺入れもいい。そして今回のポスタルコも枚数は少ないが、また違う楽しみを味あわせてくれる。
いずれもとてもいい名刺入れだ。ペンも気分やシチュエーションでも使えるように名刺入れだってそんな使い方をしてもいいのだと思う。
* ポスタルコ カードホルダー
ポスタルコ サイト
*関連コラム
「ポスタルコ ノートブック」
「書類の持ち運びが快適になる」ポスタルコ リーガルエンベロープ
「パチンと留めるクリップボード」ポスタルコ スナップパッド
文具コラム ライブラリー
pen-info SHOP