文具で楽しいひととき
伊東屋
リーガルパッドホルダー
仕事でアメリカの方と打ち合わせをした時のこと。小脇にリーガルパッドホルダーを抱えて颯爽とあらわれ、テーブルにつくなり、そのホルダーをバサッと広げ、打ち合わせがはじまった。しばらくすると、その方はペンの端っこを口にくわえるという仕草をしていた。私は、そのペン味がするのかな、なんて余計なことばかり考えてじろじろと見ていた。
でも、その一連の流れがまるで映画のワンシーンのようでかっこいいなあと見とれてました。
今回はそんなアメリカでお馴染みのビジネスツール、リーガルパッドホルダー。さて、リーガルパッドホルダーは名前のとおり、リーガルパッドをいれておくホルダーのこと。そもそもリーガルパッドとは、Legalが法律という意味であるように、裁判官や弁護士が使うために作られたメモパッドのこと。イエローの紙に横罫線、左側に2本の赤い縦線がある、とてもアメリカの香りがするメモパッドだ。当初は弁護士用であったが、アメリカではビジネスや一般家庭にまで普及していて、いたるところで見かける。
■ リーガルパッドには表紙がない
リーガルパッドは日本でよく見かけるいわゆるレポート用紙だが、表紙がない。1ページ目からいきなりパッドになっている。合理的といえば合理的。なので、それをおさめるためのホルダーが普及したのではと個人的には思っている。ホルダーの種類も本格的な革製から合成皮革のものまで、豊富にある。アメリカのビジネスマン・ビジネスウーマンの間では、それぞれ専用のホルダーを持っていて会議ともなると、ホルダーを小脇に抱えてあらわれるわけだ。
私の持っているホルダーは銀座伊東屋さんのオリジナルのもの。高校入学の時にお祝いとして知人からいただいたものだ。もう20年の付き合いになる。カバーの表面はビニール製だが、革を思わせるごつごつとした模様がある。表にも裏にもロゴマークが一切ないすっきり仕上げ。
ホルダーの大きさはA4サイズより一回り大きいくらい。ちなみにリーガルパッドはレターサイズといわれる大きさでA4よりも幅が数mmだけ広い。広げると、右側にパッドをがおさめるようになっており、左側には各種ポケットがついている。書き終わった紙を入れておける大きなポケットから、名刺やメモ等を入れておける小さなポケット、そして、ペンを1本が入るポケットまでついている。
ペンをさして、バタっとホルダーを閉じてもペンとパッドは干渉せずにぴったりと閉じられるようにうまく作られている。ホルダーカバーの中にはにはかなりの厚い紙が入っているのでテーブルのないところでもなんなく書くとができる。最近、わたしはスターバックスで原稿を書くことが多く、一人がけのふかふかのソファに腰をかけこのホルダーを膝の上におく。厚めのカバーのおかげで快適な筆記ができる。
■ A4サイズロディアも入る
ポケットのついているカバーの側を反対側に折り返して半分の大きさにすることもできるが、私は、周りから原稿を見られないように、カバーを立てて書いている。汚い文字なので、誰かに見られても判読できないのだから、心配ないのだが、この方がなんとなく落ち着く。以前は、イエローのリーガルパッドを入れて使っていたが、最近は、ロディアを入れることが多くなった。黒のホルダーにオレンジのロディアがとても映える。
ここでちょっとご注意いただきたいのが、ロディアのA4サイズ風のものは2種類ある。ピリピリと切り取った紙のサイズがA4のNO.19と、切り取る前の全体のサイズがA4のNO.18。私の使っているホルダーには後者のNO.18がぴったりと合う。NO.19だとホルダーからはみ出てしまう。ロディアを使おうという方は注意されたし。
これまで、ロディアは小さなNO.12くらいをよく使っていたが、大きなサイズを使ってみると、ロディアの紙質の良さがより実感できる。ロディアNO.18はちょっと高いが、消耗品である紙こそいいものを使うのが粋というものだ。
このホルダー、ある時はひざの上において筆記する机がわりになってくれたり書類をいっぱい詰め込めば、ちょっとしたブリーフケースの役割にもなってくれる。あの時のアメリカの方のようにホルダーを小脇に抱えて会議から会議へと酷使している。でもペンを口にくわえるという仕草だけはさまにならないので、真似してない。
各種リーガルパッドホルダー
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