文具で楽しいひととき
■ 「新しい感覚のメモブロック」 伊藤バインダリー 上質メモブロック 黒257  2,520円 


 


□この前、
 動いていないエスカレーターを上ろうとして、
 足がもつれてしまった。

 エスカレーターはいつも動き続けているものなので、
 私の足は動いているステップに合わせるというのが
 すっかり染みついてしまっている。

 なので、
 止まってるエスカレーターでも
 ついつい足が前に行ってしまう。

 慣れとは恐ろしいものだ。

 慣れと言えば、
 紙、特にペンで書くには白いものと
 思い込んでいる節があった。

 この黒い紙を見たときは、
 今度は私の手の方がつまづきそうになってしまった。


□これは伊藤バインダリーの上質メモブロック黒。


 


 上質と自ら言うだけはある、そんな作りこみ。

 それは1枚1枚の紙が積み重ねられ綴じられている、
 小口の部分を見ればわかる。

 1mm の狂いもないスキのない作り込みだ。


 


 ここを指先でなでると、
 思わずうっとりしてしまう。


 


 まるで磨き上げられたかのような滑らかさ。

 試しに紙の表面となで比べてみたが、
 決して紙の表面がザラザラしてる訳ではなく、
 紙の方もそこそこ平滑性はあるのだが、
 小口のツルツルの方がひとつ上を行っている。


 


 その真っ黒な小口の下の方へ目を移すと、
 ベージュ色をした台紙がある。


 


 それは、
 年輪のような、別の言い方をするならば、
 ミルフィーユのように何層にも積み重ねられている。

 一見すると、
 この台紙は木製のようだが、
 これも紙を積み重ねて作られている。

 とにかく、
 今回のメモブロックは、
 この「積み重ね」具合が美しい。

 それもそのはず、
 伊藤バインダリーは、
 製本を永年手がけているメーカー。

 その得意技術を
 このメモブロックに
 これでもかと注ぎこんでいる。


□さて、この黒いメモブロック、
 美しい佇まいだけでも十分堪能できるが、
 メモブロックなので、書くことが一番の目的である。

 しかし、
 黒い紙にどのペンを使って書けばいいのだろうか。

 実は一種類だけ、この紙にピッタリな筆記具がある。

 それは「鉛筆」。


 


 鉛筆の筆跡は黒いと思いきや、
 実はうっすらとグレーがかっているのだ。


 


 では、実際に書いてみよう。

 まずは、
 私が普段よく使っている2B の鉛筆で。

 黒い紙の上に書くというのはちょっと新鮮。

 そこそこ平滑性のある紙の上を2B の芯が、
 止まっているエスカレーターの時の様に、
 やや戸惑いを見せつつ、
 しかし気持ち良さそうに走っていく。


 


 筆跡はというと、これがバッチリ確認できる。

 真っ黒な紙の上に鉛筆のグレーの筆跡が
 いぶし銀の様な渋い輝きを放つ。


 


 今度は10Bの鉛筆で書いてみると、
 まるでチョークで書いたような迫力だ。


 


 次にシャープペンで書いてみた。

 細くはあるが、やはり黒鉛独特の筆跡が生み出されいく。


 


 これは実に面白い。

 よくよく見るという必要は全くなく、
 普通に筆跡を確認することができる。


 次に万年筆でも書いてみた。

 書き始めはみずみずしい筆跡だったが、
 スゥッとインクを吸い込み乾いてしまうと、
 筆跡はすっかり姿を消してしまった。


  


 ボールペンでも書いてみたが、
 こちらも見やすいとは言い難い筆跡。


 


□この黒い紙に鉛筆というスタイル、
 普段の私たちの生活で
 どのように活かすといいだろうか。

 今回私が入手したものは横長サイズなので、
 一筆箋として使うという手がある。

 さすがに
 仕事のオフィシャルな場面では合わないが、
 カジュアルな場面であれば十分使うことができる。

 それからメモに使うのもいい。

 とっておきのアイデアがひらめいたら、
 他の人に気づかれないようこのメモに書いておく。


 


 しかし、
 黒いメモというのは思ったよりも
 目立って逆効果になってしまうかもしれない。

 いずれにしても鉛筆の新たな表情が味わえる
 新しいメモだと思う。


 


(2011年8月30日作成)

  □ 伊藤バインダリーサイト

  ■ こちらの「上質メモブロック 黒 257 」はこちらで手に入ります。

  ■ 伊藤バインダリーさんの直営ショップでも販売されています。





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