■ 「一本一本のペンの居場所がしっかりとあるペンケース」
サイプロダクト ペンケース4 冠(かぶせ)あり 6,825円
□私の勝手な解釈だが、
大人が使うペンケースには
大きく分けて2つのタイプがあるのではないかと思っている。
「タイプ1」は持ち運びに徹したもので、
概してペンをどさっと入れておく、いわゆる袋ものタイプ。
「タイプ2」は、ズラリと並べて、ひとさまにご披露する、
もしくは、一人眺めながらニンマリするという
コレクション的なもの。
それぞれにはそれぞれの良さというものがある。
で、今回ご紹介するものは、
しいて言えば、その中間くらいに位置するものだと思う。
商品名は「サイプロダクトのペンケース4 冠(かぶせ)あり」と言う。
□最近ペンケース市場でもよく見られるようになってきた
グルグルと巻いて紐でビシッとしばるペンケースだ。
厚手のしっかりとした牛革が使われており、
大切なペンを託すのに相応しい安心感がある。
そのボディは、レッドカラーで染め上げられている。
決して派手過ぎず、そうかといって渋すぎることもなく、
程よい具合の赤をしている。
その赤の上でひと際目立っているのが、
革本来のナチュラルカラーのヒモだ。
このヒモがその細さによらず結構なコシがある。
よくよく見てみると、ヒモの表面には念引き(ねんびき)と呼ばれる
細いスジが端から端まで付けられている。
ちなみに、これは裏面にも施されている。
これが、コシの強さを生んでいるのだろう。
では、何故ヒモにコシがあるといいかと言うと、
ビシッと縛った状態でも、ほどきやすいからなのだ。
一般に結び目をほどく場合は、爪を立てて慎重にかつ冷静に行うものだが、
この場合は結び目には手をかけずに、余ったヒモをグイと押し込んであげると
いとも簡単にほどくことができてしまう。
ボタン式より、ヒモの方が開け閉めが面倒と思いがちだが
決してそんなことはなさそうだ。
なにより、中に入れるペンの太さによって、
ペンケースの太さもその都度違うので
ヒモの方が、フレキシブルに対応することができる。
ヒモ式がいい理由をもう1つだけ付け加えるなら
金具を使わずに済むと言うこともある。
金具があると、大切なペンにキズをつけてしまう可能性が出てきてしまう。
□そのヒモを手早くほどき、中を広げてみると、
4本分のペンの収納スペースが現われる。
ただ、一般のロールタイプのペンケースとはかなり違うスタイルになっている。
普通はペンの下半身くらいまでしかカードしないのに対して、
これはペンの首元ギリギリまで覆いつくすようになっている。
まるでキャンプの時の寝袋のように、
ペンを深々と大切にしまっておける。
収納できるペンの太さに制限があるかと思いきや
これが意外と柔軟性に富んでいる。
細めのペンはもちろんのこと、太めのペリカン800やモンブラン146あたりも
難なく収納できる、まさに懐の深さを持っている。
一方取り出しやすさはどうかと言えば、
窓が縦の楕円型をしていることで、
おもいのほか、ペンをつまみやすく、サッと取り出すことが出来てしまう。
□ペンケースをグルグルと巻く時のために、
ペン同士が干渉しないようにフタが付いている。
商品名の「冠(かぶせ)」とは、このことだ。
そのフタには意味ありげに穴が2個開いている。
巻いた状態で密封されたペンのための空気穴のようにも見えるが、
そうではない。
実際に、グルグルと巻いてみるとわかるのだが、
この穴があることで、丸めた時の革のたわみをなくしてくれ、
スムーズにそして美しく巻き上げることができるのだ。
4本差しではあるが、私はあえてペンは3本だけにしている。
その方が、巻き上がりがちょうど3角形になって、
握り心地もいいからである。
□大切なペンをいかにも重厚なペンケースに入れてしまうと
ハイそれまでよ、とばかりに、使う機会がぐっと減ってしまいかねない。
その点、このペンケースなら
普段使いにちょうどよいカジュアルなカラーリング、
それでいて、大切なペンをしっかりとガードしてくれるガッチリ感も併せ持っている。
お気に入りのペンをじゃんじゃん使いたいと言う時には
最適なペンケースだと思う。
(2007年3月13日作成)
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