■ 「時間の流れがつかみやすい」 Patrickさんオリジナル Chronodex
□1月に香港で開催された
ステーショナリーショーで、
久しぶりに Patrickさんにお会いした。
Patrickさんは、
香港で人気のショップ「 City super 」で
ステーショナリーバイヤーとして働いている傍ら、
「 Scription 」というステーショナリーブログで
独自の視点による情報発信も行っている。
香港を代表するステーショナリーのプロだ。
私とPatrickさんのコミュニケーションは、
基本は英語。
ただ、
私の英語力はレストランで
自分が食べたいものをかろうじて
オーダーできるレベル。
そんな私の英語力なのだが、
私たちの間には「文具」という強い絆と言おうか、
共通点があるので
言葉の壁は意外と乗り超えてしまう。
Patrickさんは確かに英語で話しているが、
その会話のはしばしに私もよく知っている
「文具ワード」がちりばめられているので、
不思議と理解できてしまう。
とはいえ、
今回はちょっとした仕事の話もあったので、
その時だけはしっかりと通訳の方を介して
コミュニケーションを図った。
タップリと会話を楽しんだあと、
Patrickさんが
お土産にと渡してくれたモノがあった。
「Chronodex(クロノデックス)」という
Patrick さんが考案した
独自のスケジュール管理ツールだ。
これは時計の文字盤をベースにして
作られている。
スタイルは違うが、
私も「時計式ToDo 管理付せん」というものを
考え出して使っている。
Patrickさんとは、
文具の趣味嗜好が結構似ているところがある。
時計で予定管理をするという発想まで
同じだったのには、
お互いにビックリしてしまった。
□「 Chronodex 」とは、
「 Chrono (時計)」、
「 INDEX (インデックス)」を
かけ合わせて作った造語。
私の「時計式」との最大の違いは、
一つの文字盤で1日を管理できてしまうという点だ。
その文字盤は確かに時計であるのだが、
所々円が欠けていたりしている。
それは飛行機のプロペラのようでもあり、
風車のようにも見える。
この独特の文字盤が
A4一枚のシートに5つ印刷されている。
つまり、1週間ということだ。
ちなみに土日は文字盤ではなく、
簡単なタスクリストが書き込める
スペースが用意されているだけ。
土日はゆっくりと休もうということなのだろう。
Patrickさんは
この PDF データを
自分のブログで公開し、
あくまでも個人利用という限定付きだが、
無償ダウンロードできるようにしている。
プリントアウトした
紙の量端をカットして、
ホチキスで中綴じすれば、
「トラベラーズノート」にピッタリと収まる。
実は Patrickさんは、
自他とも認める
「トラベラーズノート」のヘビーユーザーでもある。
□では、
この一つの文字盤でどのようにして
1日の予定を管理していくのか。
Patrickさんから
直々にご説明いただいた。
それはすなわち、
時計の中心からだんだんと時間が経つにつれて、
外側に移っていくというスタイルだ。
具体的にご説明しよう。
まず朝の6:00、7:00、8:00の予定は
文字盤の一番中央を使う。
そこには6am、7a m 、8am とある。
スペースとしてはすごく小さい。
これはそもそも
朝一からそんなに大掛かり予定は入らないだろう
ということがある。
そして、
「 Chronodex 」の特徴でもあるが、
予定は文字盤の外に線を引っ張って
書き出すというスタイルになっている。
だから
スペースが小さいということは
それほど問題ではない。
次に、
午前中の予定は
先程の中央の円の外側の
9:00、10:00、11:00の位置に
それぞれスペースがある。
もちろんいずれも
時計の時刻の位置になっている。
それぞれのスペースは
15分刻みになってるので、
9時30分といった予定も明確に記入できる。
午後の1:00〜8:00も
同じスタイルだ。
問題は
ここから先の午後9:00〜夜中の12:00までだ。
というのも
このスペースは午前中用として、
すでに使ってしまっている。
よくよくその部分を見ると
文字盤のやや外側に点線がある。
これを使い
9:00、10:00の端っこの角のところに○印を付けて、
やはり線で外に引っ張りだして予定を書いていく。
この夜の9:00〜12:00という時間帯には
あまり予定は入らないのではないだろうか。
一日の中で予定が入りやすい
午前9:00〜午後8:00をメインに
この「 Chronodex 」は作られているのだ。
先ほどから触れているように
この「Chronodex」では
基本全ての予定は
文字盤の外に書きだしていく。
これまでのスケジュールツールは
一日や一週間、はたまた一ヶ月など
予めその枠が決まっており、
その枠の中に予定を書き込んでいた。
しかし「 Chronodex 」では
予定の枠の中には基本書き込まず、
外側の余白に書き出す。
この自由度はなかなか心地よい。
ちょっとした開放感がある。
□私たちがイメージとして持っている
時間の流れというものは、
縦に流れたり、横に流れたりするものではなく、
時計のようにグルグルと
回っているものではないだろうか。
少なくとも
私の場合はそうだ。
「 Chronodex 」では
その時の流れというイメージの中で
予定が書き込まれいく。
私たちにとって時間は目に見えないが、
それを目に見えるようにしてくれるのが時計だと思う。
その時計の針の動きのような感覚で、
この「 Chronodex 」では時間をとらえることができる。
(2013年3月5日作成)
□ 「Chronodex」 各種ダウンロードページ
□ Patrickさんのブログ Scription
■ 関連リンク
■ 「目に見えない時間を面積で表す」 pen-info.jp 時計式 ToDo管理ふせん
□ 「私の手帳の書き方・使い方 2012年〜2013年」
□ 「正真正銘のシステムメモ帳」 ATOMA PPカバーノート A7